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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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04 2006 / 09
人のざわめきや、語り交わす方達を見ているのは、それだけでも充分に楽しめます。
ましてや、わたくしにはお仕事上まったく関係のない業界の方達なのです。
招待してくださった石塚さんは・・・石塚専務は・・・今日のおもてなしの中心人物のおひとりのようでした。
きっとわたくし1人にかまけていることなど出来ないのでしょう。
お呼びしたお仕事関係の方達とお話しするのも、あの方のお仕事の一環なのです。
どなたにも気を使う必要がないのなら・・・はじめて知る建築業界の方達のパーティを、わたくしなりの好奇心で気ままに楽しむつもりになっていたのです。
花火と客船での夜景の綺麗な東京湾クルージンング。
それだけで充分に優雅な一時に、わたくしはシャンパンの一口目からほんのり酔いはじめていたのです。

「祥子さん?祥子さんですよね。」
赤ワインのグラスを取りに向かったサービステーブルで、わたくしは思わぬ方に声を掛けられたのです。
昨年の夏、蝉時雨の降る庭で催されたジャズライブでお逢いした長谷川さんでした。
今夜も二人で過ごしたあの夜を思い出させるような黒のお召し物で、さらさらしたアッシュグレイの髪も記憶に残っているまま・・・わたくしの隣に立ってらしたのです。
「お久しぶりです。思わぬところでお逢いしますわね。」
「どうして、こんなところにいるんですか?」
「知り合いにご招待いただきましたの。長谷川さんは、今夜はお1人?」
「いや・・・」 そうおっしゃって振り向かれた先には、以前ジャズライブの会場にもご一緒にいらしていた3人の男の方達がいらっしゃいました。
「祥子さんは、どなたと?」
「ふふふ、わたくしは1人なんです。」
サービスの方が差し出してくださる、少し冷えた赤ワインを受け取りました。
お友達とご一緒なら、わたくしが長谷川さんを独り占めするわけにはいかないでしょう。それでも、どなたも知り合いの方がいらっしゃらないという状況よりは、ほんの少しだけ気持ちが浮き立つのを否定することはできませんでした。
「そう。どの席にいるんだい。ちょっと待っていてくれないか、一緒に飲もう。」
「ご一緒にいらした方達は、よろしいの?」
「ああ、同じ事務所の部下達だからね。久しぶりなんだ、いいだろう。付き合ってくれ。」
「ええ、長谷川さんがよろしいのでしたら。」
あちらよ・・・。わたくしは長谷川さんに先ほどまで1人で座っていたテーブルを指差しました。幸い、少し死角になる小さなテーブルには、まだどなたも座ってらっしゃいません。
わたくしは、こちらをご覧になっている長谷川さんのお連れの方達に会釈をすると、夏らしく少し冷やされた赤ワインを手に一足先に戻ったのです。

「おまたせ。」 長谷川さんがいらしたのは、まだほんの一口二口・・・ワインを楽しんだばかりのところでした。お酒だけを前にしているわたくしのために、2つのお皿にいくつかのお料理を持ってきてくださったのです。
「ふふふ、早くいらっしゃれたのね。これくらいの時間なんて、待つうちになんて入らないわ。」
「ああ、彼らも祥子さんのことを憶えていたよ。僕が誘ってここで待ち合わせていたんじゃないかとからかわれた。」
スタイリッシュな3人の部下の方達が、こちらのテーブルをごらんになっておりました。
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03 2006 / 09
映画タイタニックのオープニングの乗船シーンを思い出したと言ったら言い過ぎかもしれません。それでも、船と桟橋をつなぐブリッジには日よけが付けられ数時間のクルージングとはいえ優雅な<客船>の風格を醸し出しておりました。
ゲストハウスからブリッジまでの間を、それぞれに装った方達が三々五々歩いてらっしゃいます。
少し和らいだとはいえ、夏の日差しの中ブリッジの下には3人の男性が立ってらっしゃいました。本日のパーティの主催者のようでした。先ほどわたくしの前に受付をされていた4人の他に、数人の方達と挨拶を交わしていらっしゃいます。
がっしりとした壮年の二人の男性と、そして少し年配の男性。3人共に個性的なのですが、お客様に向ける笑顔がとても似てらっしゃいます。
その、年配の男性の顔にわたくしは見覚えがございました。竹上建設の会長をなさっている方です。TAKEGAMIとは<竹上建設>のことのようでした。
並んでお客様を迎えている3人のなかのお1人が、わたくしに向かって軽く手を上げたのです。満面の笑みを浮かべた石塚さんでした。

お仕事の関係のお付き合いの邪魔をしてはいけないと、わたくしは少しだけ歩調を緩めました。石塚さんにご挨拶をするにしても、前の方達が船に向かわれてから、と思ったからです。
「祥子さん、良くきてくれたね。」
5・6人のお客様が誘い合う様にブリッジに上がられたところで、石塚さんが駆け寄ってらっしゃいました。
「お招きありがとうございます。東京湾クルーズなんて、すてきだわ。」
「いやぁ、そう言ってくれるとうれしいよ。紹介します、父と兄です。こちらは加納祥子さん。グラフィックデザイナーをされている方なんですよ。」
「ようこそ。いらっしゃいませ。」 年嵩の白髪ながら鋭い眼光の男性が軽く会釈を返してくださいます。
「はじめまして。楽しんでいってください。」 石塚さんよりもほんの少し優しい風貌の男性は、握手を求めてらっしゃいます。
「ありがとうございます。」 すっと伸びた優しげだけど力強い手を握り返して、わたくしは石塚さんを見つめたのです。
「詳しい話は後でゆっくり。もう中のパーティルームではお料理を振る舞っているから、涼しい船内で出航までの時間を寛いでいてください。」
もう、次のお客様がいらしていたようです。
「はい。それでは、お先に失礼します。」
わたくしはブリッジをゆっくりと上がってゆきました。

「ようこそ、シンフォニーへ。どうぞ右手のパーティルームへいらしてください。」
船内に入ると、制服を着たクルーが案内をしてくださいました。
クイーンエリザベス号で過ごしたときも感じたのですが、客船という空間は・・・たとえこのクラスのものでも<船>のもつ狭苦しさを感じさせない工夫がされているようです。通路やドアはさすがにホテルのものとは比べ物になりませんが、それでもエンペラーと書かれたお部屋には広々とした空間が確保されていました。
パーティールームは立食形式のようにお料理が配されていますが、それとは別にいくつもの小さなテーブルと椅子の用意されている居心地のよいレイアウトに整えられておりました。
すでに50人以上のお客様でにぎわっておりました。
ほとんどが、背広の男性。そして、同じく仕事帰りのようなスーツ姿の女性が1/5ほどいらっしゃいました。そして、この船でのクルージングに相応しいパーティウェアの女性がちらほら。
どの方も数人の知り合いの方がいらっしゃるようで、お酒のグラスを手に、小皿にとったお料理を前にすでに話に花を咲かせている方がほとんどでした。
パーティ・ルームの正面奥にはステージが設けられ、管弦楽のカルテットが心地良い音色を奏でています。
一人きりのわたくしは、クルーが運ぶトレイからシャンパンをいただいて、東京湾を眺めることができる窓際の小さなハイ・テーブルへと向かいました。
03 2006 / 09
お盆時期の東京です。人はいつもよりも少ない筈なのにその日はなぜか、新橋から浜松町にかけての駅は沢山の人でにぎわっておりました。
羽田に向かうとは思えない、カジュアルな装いの方達ばかりです。
17時30分と書かれていた集合時間まであと少しです。駅の北口から、タクシー乗り場を目指しました。
「日の出桟橋をお願いします。」
「かしこまりました。」
とても感じのいい運転手さんでした。ほんの僅かな距離ですのに、朗らかにお返事してくださったのです。
「凄い人ですのね。今日はなにかあるんですか?」
「ああ、花火があるんですよ。」
「えっ、花火ですか?」
「昨夜の雨のせいで順延したんですよ。お台場の方が綺麗なんですがここいらでも結構見でがありますからね。あの、お停めするのは桟橋の入り口でいいですか。」
人は沢山歩いていましたが、車は流石に少なかったのです。詳しい話を聞く前に、タクシーは目的地に着いてしまいました。
「ええそうしてください。ありがとうございます。」
ありがとうございました バフッ・・・ タクシーは走り去ってゆきました。
クルージングと花火。
本来なら別の日に行なわれる筈だった二つの出来事が、天候のせいで偶然に重なってしまったようでした。

日の出桟橋のゲートを潜ると、通りの喧噪は遠のいてゆきました。
ゲストハウスにはテーブルが2つ並べられ、スーツで正装した女性が受付をしてくださっているようです。
わたくしの前に4人の方が受付をなさっていました。
みなさん、会社の役職につかれているくらいの年頃の男性で、顔見知りの方のようです。にこやかに談笑しながら、受付に名刺を差し出してらっしゃいました。
受付の女性はその名刺を受け取り、名簿のチェックをしてらっしゃいます。
今日はお仕事だとは思っておりませんでしたから、わたくしは名刺をあえて持って来ていませんでした。でもたしか・・とパーティバッグの中を見ると、2枚だけ内ポケットに名刺が入っていたのです。
「いらっしゃいませ。」
「おねがいします。」
上品な微笑みと明るい声で迎えて下さった受付の女性に、わたくしは、招待状に名刺を添えて差し出したのです。
その女性は招待状の差出人の名前を確かめるとリストにチェックをし、わたくしの名刺とともに返してくださいました。
他の方の名刺は、受け取ってらっしゃるのに・・・です。
「いらっしゃいませ、加納様。石塚専務よりうかがっております。どうぞ、船へいらしてください。18時の出航ですが、もうご乗船いただけます。」
「ありがとう。」
狐につままれたようでした。
それでも、なにか訳があるのでしょう。今日のこのパーティの内容すら、わたくしにはわかっていないのですから。
いってらっしゃいませ、二人の女性の声に送られて桟橋に向かいました。
02 2006 / 09
山崎さんと地下に下りてゆくバーで再会した3週間後。
わたくしの手元に一通の封書が届きました。

宛名はありません。
差出人の所には<石塚 胤人>とだけ書かれていました。
あの・・・年末に届いたカードと同じです。きっと望月さんが直接こちらにお持ちになったものでしょう。
封筒を開けると、そこには・・・
 『TAKEGAMI DREAM NIGHT in Symphony』
という文字だけを中央にくっきりと印刷したカードが1枚入っていました。
そしてその下には手書きのメッセージが、メールアドレスと共に印されていたのです。
 祥子さん、お待ちしています。
 都合がよければ手続きの関係上
 フルネームをメールで教えてください。 石塚

石塚さんからのお誘いのようでした。
カードの裏面には、日時と日の出桟橋の文字だけが右下にシンプルに印刷されておりました。
Symphonyとは、東京湾クルーズのための観光船のことでしょう。
でも・・・TAKEGAMIっていったいなんなのでしょうか。
様々な疑問はありましたが、たまたまわたくしも身体の空いていたお盆休みの中の日曜日のお誘いでした。
優雅な一時を半年ぶりにご一緒するのも一興かと、石塚さんが手書きされていたメールのアドレスにお返事をする気になったのです。

その日は二日続いた通り雨のせいでしょうか。出掛けるころには夏らしい熱気のなかに微かに風がそよいでいました。
雲の流れが速いのは・・・台風が近づいているせいかもしれません。
日の出桟橋が集合場所なら、多分客船でのクルージング・パーティなのでしょう。
同じ東京湾でも屋形船なら和服のほうがしっくりくるでしょう。でも、シンフォニーでのパーティならドレスに近い装いのほうが似合うはずです。
その夜は、黒の総レースのワンピースを選びました。素材は上質だけれど、デザイン的には華美になりすぎないシンプルなものです。お正月に山崎さんがプレゼントしてくださったマリエのように、黒のインナードレスがセットになっていました。
どんなパーティなのか、どなたがいらっしゃるのかさえ解りませんでした。
わたくしに出来ることは、お誘いしてくださった石塚さんに恥ずかしい思いをさせないことだけだったのです。
髪型は、一瞬アップにしようかと迷いました。でも、このワンピースには決め過ぎで嫌味かもしれません。さらりとストレート・ロングの髪を背中に流しました。
ランジェリーは、黒のレースの繊細なものにいたしました。レースのスカラップに少しだけ金糸が使われた贅沢な素材は、まるで夏の夜空に光る星のように美しかったのです。インナードレスがありましたから、ハーフカップのブラとハイレグのパンティ、そしてガーターストッキングを・・・極薄の黒のストッキングを選んで脚を通したのです。
足元は、ドレスの雰囲気に合ったエナメルのバックストラップパンプス。アクセサリーは付けずに、バッグはゴールドに鞣された革のパーティバッグを選びました。
男性はわたくしの両脚を放すと、改めてキスをして下さったのです。
「ぁふぅ・・ん・・」
「よかったよ、祥子。逝く君も綺麗だった。」
「ありがとうございました。感じてくださって・・うれしい。・・ぁっ」 わたくしの中に全てを吐出した男性が・・・おさまらない締め付けに・・抜けていったのです。
「恥ずかしいよ、こんなに出してしまった。」 男性は苦笑いをして、二人の蜜を拭うためのティッシュを探していらっしゃるようでした。
「わたくしが・・・」 まだ、気怠い快感の残る腰を曲げて・・・唇を男性の塊へと近づけたのです。そして・・・舌を・・唇を・・・わたくしの哀しみを慰めてくださった男性への感謝を込めて、塊を清めたのです。
「ほんとうに、祥子は極上のMだ。」 芯に残る精液までを拭ったわたくしの唇に・・・男性はもう一度キスをしたのです。
「シャワーを浴びておいで。」
「いえ、あの・・・このまま、あなたから頂いたものを抱きしめたまま、今夜は眠らせていただいてもいいですか?」 男性に抱きしめられたまま、小さな声で囁いたのです。
「いいよ。祥子は、可愛いね。」 わたくしにサイドテーブルから取り上げたティッシュを差し出して、男性はわたくしの我がままを許してくださったのです。
「もう、お眠り。朝も近い・・・。」 空はまだ暗かったのです。でも、その色は奥に陽の明るさを秘めた暗さでした。 
男性の腕の中で、ゆっくりと落とされてゆく照明に・・・微睡みが訪れるのをわたくしは拒否することはできませんでした。


祥子からの手紙ー14
『わたしを愛するなら、わたしの淫らさまでも愛しなさい。』
映画に出て来た主人公の母親は、息子にそう言っておりました。
愛すること・・・愛されること。
その難しさをわたくしは心から愛した男性に思い知らされ
いまもまだ次の愛する方を定めることができずに
彷徨い続けているのです。

わたくしを、わたくしのままにお伝えし解り合うために
もっと自分自身を知る必要があると
昨晩お逢いした男性は教えてくださったように思います。

男性は、仲畑です・・・と
翌朝、朝食のテーブルで自己紹介をしてくださいました。
声優さんをなさっていてご一緒に見たあの映画の父親の声の吹き替えを
DVD化に際して担当することになっているそうです。

また逢えるといいですね。
とても私好みの女性ですよ、祥子さんは・・・
仲畑さんはそうおっしゃいました。
それでも、わたくしたちは連絡先を交換することなく
朝のホテルでお別れしたのです。

二人の感性が一緒なら、またいつか映画館で逢えるからね。
そう笑った仲畑さんはやはり上品な紳士でした。

今日も暑い一日になりそうです。
一度着替えに戻って、午後には打ち合わせが待っています。
笑顔で今日を迎えられたことに感謝して・・・
それでは、いってまいります。
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