祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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こちらのブログは、2005年8月24日にスタートした、<msn淑やかな彩>の継続ブログとなります。
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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29 2006 / 07
新作<銀幕の向こう側>連載の途中ですが、カテゴリの変更についてお知らせいただいます。
MSN Spaceの構造の関係で、カテゴリを14以上設置できなくなってしまいました。
今後新作も予定しておりますことから、誠に申し訳ございませんが<オペラピンクのランジェリー>から<蝉時雨の庭><過ぎし日の残り香><シースルー・ナイト>と<ごあいさつ>のカテゴリを削除させていただきました。
各作品は従来のままで掲載しておりますので、誠に恐れ入りますがお探しの際には月別のバックナンバーよりお越しいただけますよう、お願い申し上げます。
ちなみに・・・・
<オペラピンクのランジェリー> 2005年8月26日スタート
<蝉時雨の庭> 2005年8月31日スタート
<過ぎし日の残り香> 2005年9月3日スタート
<シースルー・ナイト> 2005年9月5日スタート
となっております。
我ながら・・・良く書いておりますわね、ふふふ。
msn淑やかな彩にお越しいただいている皆様には、大変ご不便をお掛けしてしまいますが今後とも宜しくお願い申し上げます。
なお、FC2淑やかな彩は従来のカテゴリーのままアップしております。
こちらではご紹介していない、山崎さんの女性運転手さんのお話とか、キャラクターの設定なども公開しておりますので、よろしければぜひそちらにも足を運んでみてくださいませ。
http://syouko8138.blog46.fc2.com/
二つの『淑やかな彩』 宜しくお願い申し上げます。
追記:こちらの記事は、前ブログで発生した不都合に関するものです。こちらのブログでは、すべてのカテゴリは当初のままご利用いただけます。
初期作品のご紹介・・・だと思ってご覧くださいませ。
MSN Spaceの構造の関係で、カテゴリを14以上設置できなくなってしまいました。
今後新作も予定しておりますことから、誠に申し訳ございませんが<オペラピンクのランジェリー>から<蝉時雨の庭><過ぎし日の残り香><シースルー・ナイト>と<ごあいさつ>のカテゴリを削除させていただきました。
各作品は従来のままで掲載しておりますので、誠に恐れ入りますがお探しの際には月別のバックナンバーよりお越しいただけますよう、お願い申し上げます。
ちなみに・・・・
<オペラピンクのランジェリー> 2005年8月26日スタート
<蝉時雨の庭> 2005年8月31日スタート
<過ぎし日の残り香> 2005年9月3日スタート
<シースルー・ナイト> 2005年9月5日スタート
となっております。
我ながら・・・良く書いておりますわね、ふふふ。
msn淑やかな彩にお越しいただいている皆様には、大変ご不便をお掛けしてしまいますが今後とも宜しくお願い申し上げます。
なお、FC2淑やかな彩は従来のカテゴリーのままアップしております。
こちらではご紹介していない、山崎さんの女性運転手さんのお話とか、キャラクターの設定なども公開しておりますので、よろしければぜひそちらにも足を運んでみてくださいませ。
http://syouko8138.blog46.fc2.com/
二つの『淑やかな彩』 宜しくお願い申し上げます。
追記:こちらの記事は、前ブログで発生した不都合に関するものです。こちらのブログでは、すべてのカテゴリは当初のままご利用いただけます。
初期作品のご紹介・・・だと思ってご覧くださいませ。
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29 2006 / 07
「どうぞ。」 わたくしは、立ち上がりその方に通路をお開けいたしました。
会釈をしてわたくしの前を歩いてゆかれたその方は、一つ空けた奥の席に腰を下ろされました。
最初に目に入ったのは、男性が軽く組まれた足先のブラウンのローファーと靴下でした。
明るいウォルナット・ブラウンの靴にこっくりとしたマロン・ブラウンの靴下。その上に続くボトムは、一見グレーかと思うほどに彩度を抑えたサンド・ブラウンだったのです。
買われたばかりのプログラムを夢中でご覧になっていた男性のシャツは、ライトブルーにウォルナット・ブラウンと白のストライプが配されたものでした。
お好みになる方は多いけれど、なかなか上品に着こなす事が難しい<ブラウン・コーディネイト>を半白の髪の男性は理知的に爽やかにこなしてらしたのです。
つい、見とれてしまったわたくしに、何か?という表情で視線を向けられた男性のブラックメタリックの眼鏡さえこの方にはぴったりだったのです。
いいえ ごめんなさい 声を出さずに唇だけでそう答えて、スクリーンへ向けた視線の先に・・・わたくしはあり得ない方の姿を見つけてしまったのです。
その方は<G-7>の席に座ってらっしゃいました。そして隣には親しげな女性が、寄り添っていたのです。
いつの間に、いらしたのでしょうか。
昨年の春にお別れした・・・男性。わたくしが愛して、でも他の女性との結婚を選ばれた方でした。人ごみは苦手だと、よく口にされていたこの方を映画に誘うなら、こちらはきっと最適でしたでしょう。
以前お付き合いしていたときと同じに、ポップコーンとコーラを手にしたその横顔から、わたくしは目が離せなくなってしまったのです。
会場は暗くなり、スクリーンでは短い広告につづいて本編が始まりました。
濃やかな音の連なりが美しいフランス語に、陰影と接写を効果的に配した映像がテンポ良く続いてゆきます。
17歳の少年の久しぶりの両親との再会、父親の死、父親の遺した男としての性癖に向き合う少年の衝動・・・・そして少年がもっとも敬愛した母の衝撃的な告白「わたしを愛するなら、わたしのふしだらさまで愛しなさい」。
わたくしは、一生懸命物語を追わなくては・・・と念じておりました。
少年が宗教に守られた倫理観と、神聖で敬愛するべき対象だった母親が身を浸すアブノーマルで淫媚な世界との狭間で苦しみながらも、誰でもない母の存在に自らの性を刺激され、男として目覚めてしまう哀しさに心を殺してゆく・・・。
映像がエロティックに・・・セクシャルに・・・エスカレートするにしたがって、<G-8>の女性は、あからさまに<G-7>のその方にしなだれかかり・・・彼の手を取り・・・そして・・・。
わたくしは、いつのまにか映像が歪んでいることに気付いたのです。
声も出さず・・・ただ、涙だけがわたくしの頬を伝い落ちていたのです。
あの方とお別れをした後も、何人もの素晴らしい男性と出会い・・・いまわたくしは幸せです。
でも、あの方を失ったという喪失感だけは未だに消えてはいなかったのです。
わたくしなら決してしはしない・・・映画館の中での痴戯。あの方は、アブノーマルな性癖はお持ちでしたが、こういうことはお嫌いだったからです。
いまも、となりの・・・奥様の自由にさせながら強ばった表情を崩しもしない・・・スクリーンの明かりに浮かぶあの方の横顔に、わたくしは一気にお別れをしたあの時に引き戻されておりました。
会釈をしてわたくしの前を歩いてゆかれたその方は、一つ空けた奥の席に腰を下ろされました。
最初に目に入ったのは、男性が軽く組まれた足先のブラウンのローファーと靴下でした。
明るいウォルナット・ブラウンの靴にこっくりとしたマロン・ブラウンの靴下。その上に続くボトムは、一見グレーかと思うほどに彩度を抑えたサンド・ブラウンだったのです。
買われたばかりのプログラムを夢中でご覧になっていた男性のシャツは、ライトブルーにウォルナット・ブラウンと白のストライプが配されたものでした。
お好みになる方は多いけれど、なかなか上品に着こなす事が難しい<ブラウン・コーディネイト>を半白の髪の男性は理知的に爽やかにこなしてらしたのです。
つい、見とれてしまったわたくしに、何か?という表情で視線を向けられた男性のブラックメタリックの眼鏡さえこの方にはぴったりだったのです。
いいえ ごめんなさい 声を出さずに唇だけでそう答えて、スクリーンへ向けた視線の先に・・・わたくしはあり得ない方の姿を見つけてしまったのです。
その方は<G-7>の席に座ってらっしゃいました。そして隣には親しげな女性が、寄り添っていたのです。
いつの間に、いらしたのでしょうか。
昨年の春にお別れした・・・男性。わたくしが愛して、でも他の女性との結婚を選ばれた方でした。人ごみは苦手だと、よく口にされていたこの方を映画に誘うなら、こちらはきっと最適でしたでしょう。
以前お付き合いしていたときと同じに、ポップコーンとコーラを手にしたその横顔から、わたくしは目が離せなくなってしまったのです。
会場は暗くなり、スクリーンでは短い広告につづいて本編が始まりました。
濃やかな音の連なりが美しいフランス語に、陰影と接写を効果的に配した映像がテンポ良く続いてゆきます。
17歳の少年の久しぶりの両親との再会、父親の死、父親の遺した男としての性癖に向き合う少年の衝動・・・・そして少年がもっとも敬愛した母の衝撃的な告白「わたしを愛するなら、わたしのふしだらさまで愛しなさい」。
わたくしは、一生懸命物語を追わなくては・・・と念じておりました。
少年が宗教に守られた倫理観と、神聖で敬愛するべき対象だった母親が身を浸すアブノーマルで淫媚な世界との狭間で苦しみながらも、誰でもない母の存在に自らの性を刺激され、男として目覚めてしまう哀しさに心を殺してゆく・・・。
映像がエロティックに・・・セクシャルに・・・エスカレートするにしたがって、<G-8>の女性は、あからさまに<G-7>のその方にしなだれかかり・・・彼の手を取り・・・そして・・・。
わたくしは、いつのまにか映像が歪んでいることに気付いたのです。
声も出さず・・・ただ、涙だけがわたくしの頬を伝い落ちていたのです。
あの方とお別れをした後も、何人もの素晴らしい男性と出会い・・・いまわたくしは幸せです。
でも、あの方を失ったという喪失感だけは未だに消えてはいなかったのです。
わたくしなら決してしはしない・・・映画館の中での痴戯。あの方は、アブノーマルな性癖はお持ちでしたが、こういうことはお嫌いだったからです。
いまも、となりの・・・奥様の自由にさせながら強ばった表情を崩しもしない・・・スクリーンの明かりに浮かぶあの方の横顔に、わたくしは一気にお別れをしたあの時に引き戻されておりました。
28 2006 / 07
梅雨も明けて、湿度の高い暑い毎日が始まったころ。
わたくしは仕事途中にあるポスターを見かけたのです。
<ジョルジュ・バタイユ>
第一次世界大戦のころのフランスの思想家の名前が眼にとまったのです。難解で、エロティックなのに溺れきれない・・・。わたくしにとってそんな印象の作品を書かれる作家の名前でした。
彼の作品が映画化されたのなら、ぜひ観てみたいと思いました。
レイトショー上映のみ。21:20からの上映なら、仕事の時間を気にすることなく観にゆくこともできるでしょう。
この素敵な思いつきに、わたくしは強い日差しから逃れる様に、1階のエントランスのエレベーターへと向かったのです。
お仕事はさほど時間が掛からずにおわっておりました。いきつけのイタリアンで軽いお食事と、フルーティな白ワインをいただいてから、陽も落ちて涼しくなってきた通りをウインドショッピングを楽しみながら、映画館へと歩きました。
熱帯夜・・・になりそうな空気が、胸元の深く開いたフリルのブラウスにまでまとわりつくようでした。デシンとレースでつくられた黒のブラウスとスカートに、藤色のニットジャケットがこの日の装いでした。
インナーは藤色のサテンに黒のレースでトリミングをした・・・そう、少し娼婦のようなデザインのセットだったのです。
ハーフカップのブラは、Gカップのわたくしの乳房を押し上げ、フェミニンなフリルの襟元に深い谷間を作っておりました。ガーターベルトも、キャミソールも・・・柔らかいスカートの素材にラインが響くのがいやで選んだTバックも・・・揃いのデザインです。
藤色のガーターベルトの留め具の先には極薄の黒のストッキングが留めつけられていたのです。足元は、バックストラップのパンプスでした。
フェミニンなのにセクシーなファッションは、その日のプレゼンテーションのコンセプト<Cool Black>をイメージしたものだったのです。
映画館は5階にありました。
わたくしが数時間前に手にした1枚のチケットは、昔風の切符を半分に切る形のものでした。
いまでは全席指定で大振りなチケットを発行する映画館が多い中で、その少しレトロなしかけさえ好感がもてたのです。
開場時間21:10と整理番号003が、刻印されておりました。
到着したのは21:00。
まだ、前の回の映画が上映中でしたがすでにロビーへの入場は許されておりました。係員の女性の言葉に従って、入って左手の扉の前で入場までのわずかな時間をリーフレットを手に過ごしたのです。
R−18指定、そしてレイトショー上映。
なのに、小さなロビーには想像していた以上のお客様が集まっておりました。お二人連れでいらしている方もありましたが、1人で作品を楽しみにやってきたという風情の40代を超えた大人の男女の姿も目についたのです。
「開場させていただきます。お手元のチケットの整理番号001番から順に5名様づつご案内いたします。お1人様1枚ずつチケットをお持ちになりお待ちください。」 小柄な女性のスタッフの声に、わたくしはバッグと小さなチケットを手に立ち上がったのです。
一番最初に入場した5名は、わたくしも含め会場の奥の方・・・上段に当たる席へと向かいました。
単館の洗練された作品を上演するミニシアターとして定着しているこの映画館は、客席は140席ほどでしょうか。わたくしは1階の最上段、中央ブロックの左から2席目<I-5>席を選んだのです。
上映まであと8分。次々とお客様は入場してまいります。
それでもこのレイトショーのお客様は、140席では広すぎるほどしかいらっしゃいませんでした。
「奥の席、よろしいですか?」 最後の入場者の整理番号のアナウンスが聞こえた時、中背の男性がわたくしに声をかけられたのです。細身の身体からは想像できないほどに柔らかく丸い・・・良く通る声の方だったのです。
わたくしは仕事途中にあるポスターを見かけたのです。
<ジョルジュ・バタイユ>
第一次世界大戦のころのフランスの思想家の名前が眼にとまったのです。難解で、エロティックなのに溺れきれない・・・。わたくしにとってそんな印象の作品を書かれる作家の名前でした。
彼の作品が映画化されたのなら、ぜひ観てみたいと思いました。
レイトショー上映のみ。21:20からの上映なら、仕事の時間を気にすることなく観にゆくこともできるでしょう。
この素敵な思いつきに、わたくしは強い日差しから逃れる様に、1階のエントランスのエレベーターへと向かったのです。
お仕事はさほど時間が掛からずにおわっておりました。いきつけのイタリアンで軽いお食事と、フルーティな白ワインをいただいてから、陽も落ちて涼しくなってきた通りをウインドショッピングを楽しみながら、映画館へと歩きました。
熱帯夜・・・になりそうな空気が、胸元の深く開いたフリルのブラウスにまでまとわりつくようでした。デシンとレースでつくられた黒のブラウスとスカートに、藤色のニットジャケットがこの日の装いでした。
インナーは藤色のサテンに黒のレースでトリミングをした・・・そう、少し娼婦のようなデザインのセットだったのです。
ハーフカップのブラは、Gカップのわたくしの乳房を押し上げ、フェミニンなフリルの襟元に深い谷間を作っておりました。ガーターベルトも、キャミソールも・・・柔らかいスカートの素材にラインが響くのがいやで選んだTバックも・・・揃いのデザインです。
藤色のガーターベルトの留め具の先には極薄の黒のストッキングが留めつけられていたのです。足元は、バックストラップのパンプスでした。
フェミニンなのにセクシーなファッションは、その日のプレゼンテーションのコンセプト<Cool Black>をイメージしたものだったのです。
映画館は5階にありました。
わたくしが数時間前に手にした1枚のチケットは、昔風の切符を半分に切る形のものでした。
いまでは全席指定で大振りなチケットを発行する映画館が多い中で、その少しレトロなしかけさえ好感がもてたのです。
開場時間21:10と整理番号003が、刻印されておりました。
到着したのは21:00。
まだ、前の回の映画が上映中でしたがすでにロビーへの入場は許されておりました。係員の女性の言葉に従って、入って左手の扉の前で入場までのわずかな時間をリーフレットを手に過ごしたのです。
R−18指定、そしてレイトショー上映。
なのに、小さなロビーには想像していた以上のお客様が集まっておりました。お二人連れでいらしている方もありましたが、1人で作品を楽しみにやってきたという風情の40代を超えた大人の男女の姿も目についたのです。
「開場させていただきます。お手元のチケットの整理番号001番から順に5名様づつご案内いたします。お1人様1枚ずつチケットをお持ちになりお待ちください。」 小柄な女性のスタッフの声に、わたくしはバッグと小さなチケットを手に立ち上がったのです。
一番最初に入場した5名は、わたくしも含め会場の奥の方・・・上段に当たる席へと向かいました。
単館の洗練された作品を上演するミニシアターとして定着しているこの映画館は、客席は140席ほどでしょうか。わたくしは1階の最上段、中央ブロックの左から2席目<I-5>席を選んだのです。
上映まであと8分。次々とお客様は入場してまいります。
それでもこのレイトショーのお客様は、140席では広すぎるほどしかいらっしゃいませんでした。
「奥の席、よろしいですか?」 最後の入場者の整理番号のアナウンスが聞こえた時、中背の男性がわたくしに声をかけられたのです。細身の身体からは想像できないほどに柔らかく丸い・・・良く通る声の方だったのです。
27 2006 / 07
「さぁ、私が着せてあげましょう。」 田口さんの手にはわたくしのTバックが握られていたのです。
「だめ・・・自分でいたしますわ。」
「私が脱がせたものは、私が穿かせてあげますよ。」 恥ずかしい・・・形に広げられたランジェリーの内側を見られたくなくて、わたくしはスリップで腰元を被うと・・・立ち上がって田口さんの前に脚を運んだのです。
「あぅっ・・・」 後ろ向きに立つわたくしに・・・ウエストを引き上げると、Tバックを食い込ませる様にして穿かせてくださいます。そしてまくり上がったヒップの丘にきつく口づけをなさったのです。
「見てると何度でも挑みたくなる身体ですね。流石に今夜は身体がもちませんが、一晩中でも可愛がりたいですよ、祥子さん。」
「・・・あん・・だめ」 わたくしは彼の手を逃れると、足元にあるスカートを取り上げて田口さんに背を向けると、素早く身につけてしまったのです。
「よかったです。祥子さんは記憶にあった以上に最上の味でした。満足したはずなのに、もう・・・口にしたくなるほどね。」
「やぁん・・・」 田口さんの触れるだけの軽い口づけにさえ、わたくしの身体はまだ反応していたのです。
「それ以上おっしゃったら、わたくし田口さんのお店に伺えなくなってしまいますわ。」 髪の乱れを撫で付けると、ほんの少し前のご一緒にお食事をした姿に戻っておりました。
「そんなつれないことを言わないでください。お許しが無い限りは、今度こそ紳士的に振る舞いますから。」 足許に置かれたままの田口さんのコットンジャケットは雨を吸い込んで・・・重くシワになっていました。
「ごめんなさい。ジャケット貸していただいてしまって。」 衿を掴んで一振りすると、袖たたみにして腕に掛けてしまわれたのです。今夜はもうシャツスタイルでお帰りになるしかないかもしれません。
「いえ、祥子さんの香りの染み込んだジャケットですからね。しばらくこれであなたのことを思い出させてください。」 わざと鼻先で香りを確かめる田口さんは思わせぶりな上目遣いで・・・身動きできなくなっていた先ほどのわたくしを思い出させるのです。
「そんな意地悪をおっしゃるなら、やはり美貴さん達とご一緒の時だけしか伺わない事にいたします。」 踏み石に揃えられたパンプスに足を通して、お待ちになっている田口さんに寄り添いました。
「できれば、ぜひお一人でお越しください。」 おどけた風に礼をする田口さんの頭にはグランシェフのコック帽が見えたような気がいたしました。
「さぁホテルに戻りましょう。さすがに、気が利くな。置いて行った傘は1本だけです。祥子さん、どうぞ。」
わたくしは小雨の降る庭園の道を、田口さんと腕を組みながら一つの傘でホテルまで戻ったのでした。
祥子からの手紙ー13
こんにちわ。祥子です。
この夏は梅雨が長引いておりますね。
日本の梅雨らしいひっそりとした雨ではありますが
反面、スコールの様な雨も増えて・・・
なんだか、風情が欠けてきているように思えてなりません。
蛍の舞う夜は、思わぬ方とご一緒の時間を過ごすことになってしまいました。
あのあと、田口さんはわたくしを自宅までタクシーで送ってから
ご自分もそのタクシーでお帰りになりました。
「このスーツで電車っていうわけにはいかないからね」 そう仰って。
そして
「今度はぜひ私の店でお逢いしましょう」 そうも言い残していかれました。
嵐のような激しさと深い感性をお持ちの方。
またいつかシェフと顧客としてではなく
一人の男と女として、ご一緒することが・・・あるのでしょうか。
穏やかな休日の午後。もう蛍のいないあの庭に行ってみようと思います。
夏の緑滴る・・・あのお庭に。
「だめ・・・自分でいたしますわ。」
「私が脱がせたものは、私が穿かせてあげますよ。」 恥ずかしい・・・形に広げられたランジェリーの内側を見られたくなくて、わたくしはスリップで腰元を被うと・・・立ち上がって田口さんの前に脚を運んだのです。
「あぅっ・・・」 後ろ向きに立つわたくしに・・・ウエストを引き上げると、Tバックを食い込ませる様にして穿かせてくださいます。そしてまくり上がったヒップの丘にきつく口づけをなさったのです。
「見てると何度でも挑みたくなる身体ですね。流石に今夜は身体がもちませんが、一晩中でも可愛がりたいですよ、祥子さん。」
「・・・あん・・だめ」 わたくしは彼の手を逃れると、足元にあるスカートを取り上げて田口さんに背を向けると、素早く身につけてしまったのです。
「よかったです。祥子さんは記憶にあった以上に最上の味でした。満足したはずなのに、もう・・・口にしたくなるほどね。」
「やぁん・・・」 田口さんの触れるだけの軽い口づけにさえ、わたくしの身体はまだ反応していたのです。
「それ以上おっしゃったら、わたくし田口さんのお店に伺えなくなってしまいますわ。」 髪の乱れを撫で付けると、ほんの少し前のご一緒にお食事をした姿に戻っておりました。
「そんなつれないことを言わないでください。お許しが無い限りは、今度こそ紳士的に振る舞いますから。」 足許に置かれたままの田口さんのコットンジャケットは雨を吸い込んで・・・重くシワになっていました。
「ごめんなさい。ジャケット貸していただいてしまって。」 衿を掴んで一振りすると、袖たたみにして腕に掛けてしまわれたのです。今夜はもうシャツスタイルでお帰りになるしかないかもしれません。
「いえ、祥子さんの香りの染み込んだジャケットですからね。しばらくこれであなたのことを思い出させてください。」 わざと鼻先で香りを確かめる田口さんは思わせぶりな上目遣いで・・・身動きできなくなっていた先ほどのわたくしを思い出させるのです。
「そんな意地悪をおっしゃるなら、やはり美貴さん達とご一緒の時だけしか伺わない事にいたします。」 踏み石に揃えられたパンプスに足を通して、お待ちになっている田口さんに寄り添いました。
「できれば、ぜひお一人でお越しください。」 おどけた風に礼をする田口さんの頭にはグランシェフのコック帽が見えたような気がいたしました。
「さぁホテルに戻りましょう。さすがに、気が利くな。置いて行った傘は1本だけです。祥子さん、どうぞ。」
わたくしは小雨の降る庭園の道を、田口さんと腕を組みながら一つの傘でホテルまで戻ったのでした。
祥子からの手紙ー13
こんにちわ。祥子です。
この夏は梅雨が長引いておりますね。
日本の梅雨らしいひっそりとした雨ではありますが
反面、スコールの様な雨も増えて・・・
なんだか、風情が欠けてきているように思えてなりません。
蛍の舞う夜は、思わぬ方とご一緒の時間を過ごすことになってしまいました。
あのあと、田口さんはわたくしを自宅までタクシーで送ってから
ご自分もそのタクシーでお帰りになりました。
「このスーツで電車っていうわけにはいかないからね」 そう仰って。
そして
「今度はぜひ私の店でお逢いしましょう」 そうも言い残していかれました。
嵐のような激しさと深い感性をお持ちの方。
またいつかシェフと顧客としてではなく
一人の男と女として、ご一緒することが・・・あるのでしょうか。
穏やかな休日の午後。もう蛍のいないあの庭に行ってみようと思います。
夏の緑滴る・・・あのお庭に。
26 2006 / 07
「ああ、雨宿りさせてもらっていたんだ。」 わたくしの身体に田口さんはご自身の大きなジャケットを被せると、わたくしから抜いたばかりの塊をご自身のスラックスに納めて戸を開けたのです。
戸の外には数本の傘を手にしたホテルの男性スタッフがおりました。
「勝手に上がって悪かったね。明かりが消えてたから動きようもなくてね。」 わたくしは咄嗟に上半身の身繕いをすると、露な下半身に田口さんのジャケットを掛けて、身動きも出来ずに身を縮めていたのです。吐出されたばかりの大量の精液が・・・わたくしの太ももの狭間に滴りはじめていたのです。
「申し訳ございませんでした。落雷で電源がショートしてしまいまして。」 上がりがまちに座り込むわたくしを見て会釈をなさいます。
「いや、天災だから仕方ないよ。私も連れも随分濡れてしまったのでね、タオルを借りたいんだが。身体を拭ったら、ここを出るよ。」
「申し訳ございません。気がつきませんでした。傘はお持ちしたのですが・・・、すぐにご用意させます。失礼いたします。」 一礼すると手元の携帯で何か指示をなさったようです。
「すぐに別のスタッフがまいります。ご利用いただきましたら、タオルもここにそのまま置いておいてください。ご無事でよろしかったです。これに懲りずにまたお越しくださいませ。失礼いたします。」 随分と小雨になりましたが・・・と言いながら田口さんの手に傘を渡すと、戸を閉めてスタッフは立ち去ってゆきました。
「大丈夫でしたか?」「ん・・んく・・」 田口さんはわたくしの隣に腰を下ろすと、答えを待たずに唇を重ねたのです。唇と舌でわたくしを確かめるような・・・でも欲情ではない幸せな優しさをたたえたキスだったのです。
「だい・・じょうぶ・です。たぐちさんは?」 シェフのがっしりとした肩に頭をもたせかけて・・・わたくしは答えたのです。
「無茶をして申し訳ありませんでした。祥子さんの蜜でスラックスが濡れたようですが、今夜の記念だと思えば幸せな痕跡ですよ。」
「あん、ごめんなさい。」
「ちょっと待っていてくださいね。」 田口さんは明かりをたよりにどこかへゆくと、すぐに戻ってらっしゃいました。
「これで、始末をなさってください。」 差し出されたのは田口さんのハンカチでした。
「そんな・・・使えませんわ。」 身体を交わした後の体液の後始末を男性のハンカチでなんて。
「急がないと、またホテルの人間が来てしまいます。祥子さんができないなら私がして上げましょう。」 田口さんはそう言うとわたくしの下半身を被っていたジャケットを奪い取り、脚を広げさせてしまうのです。
「みないで・・・」
「ああこれじゃ動けませんね。祥子さんの蜜と僕の精液で真っ白だ。」
「あぁっ・・・」 太もも内側から狭間へ向かって、冷たく濡れたハンカチで拭ってゆくのです。
「祥子さんが良過ぎて、沢山出してしまいましたから、まだ垂れ落ちてきてしまうかもしれませんね。」
「いゃっ・・」 わたくしの身体がそのことを一番良く知っていたのです。このままだと、自宅へ帰り着くまでに・・・はしたないことになってしまいそうです。ホテルに戻ったら化粧室へいかなくては。
戸の外には数本の傘を手にしたホテルの男性スタッフがおりました。
「勝手に上がって悪かったね。明かりが消えてたから動きようもなくてね。」 わたくしは咄嗟に上半身の身繕いをすると、露な下半身に田口さんのジャケットを掛けて、身動きも出来ずに身を縮めていたのです。吐出されたばかりの大量の精液が・・・わたくしの太ももの狭間に滴りはじめていたのです。
「申し訳ございませんでした。落雷で電源がショートしてしまいまして。」 上がりがまちに座り込むわたくしを見て会釈をなさいます。
「いや、天災だから仕方ないよ。私も連れも随分濡れてしまったのでね、タオルを借りたいんだが。身体を拭ったら、ここを出るよ。」
「申し訳ございません。気がつきませんでした。傘はお持ちしたのですが・・・、すぐにご用意させます。失礼いたします。」 一礼すると手元の携帯で何か指示をなさったようです。
「すぐに別のスタッフがまいります。ご利用いただきましたら、タオルもここにそのまま置いておいてください。ご無事でよろしかったです。これに懲りずにまたお越しくださいませ。失礼いたします。」 随分と小雨になりましたが・・・と言いながら田口さんの手に傘を渡すと、戸を閉めてスタッフは立ち去ってゆきました。
「大丈夫でしたか?」「ん・・んく・・」 田口さんはわたくしの隣に腰を下ろすと、答えを待たずに唇を重ねたのです。唇と舌でわたくしを確かめるような・・・でも欲情ではない幸せな優しさをたたえたキスだったのです。
「だい・・じょうぶ・です。たぐちさんは?」 シェフのがっしりとした肩に頭をもたせかけて・・・わたくしは答えたのです。
「無茶をして申し訳ありませんでした。祥子さんの蜜でスラックスが濡れたようですが、今夜の記念だと思えば幸せな痕跡ですよ。」
「あん、ごめんなさい。」
「ちょっと待っていてくださいね。」 田口さんは明かりをたよりにどこかへゆくと、すぐに戻ってらっしゃいました。
「これで、始末をなさってください。」 差し出されたのは田口さんのハンカチでした。
「そんな・・・使えませんわ。」 身体を交わした後の体液の後始末を男性のハンカチでなんて。
「急がないと、またホテルの人間が来てしまいます。祥子さんができないなら私がして上げましょう。」 田口さんはそう言うとわたくしの下半身を被っていたジャケットを奪い取り、脚を広げさせてしまうのです。
「みないで・・・」
「ああこれじゃ動けませんね。祥子さんの蜜と僕の精液で真っ白だ。」
「あぁっ・・・」 太もも内側から狭間へ向かって、冷たく濡れたハンカチで拭ってゆくのです。
「祥子さんが良過ぎて、沢山出してしまいましたから、まだ垂れ落ちてきてしまうかもしれませんね。」
「いゃっ・・」 わたくしの身体がそのことを一番良く知っていたのです。このままだと、自宅へ帰り着くまでに・・・はしたないことになってしまいそうです。ホテルに戻ったら化粧室へいかなくては。