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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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「どうぞ。」 わたくしは、立ち上がりその方に通路をお開けいたしました。
会釈をしてわたくしの前を歩いてゆかれたその方は、一つ空けた奥の席に腰を下ろされました。
最初に目に入ったのは、男性が軽く組まれた足先のブラウンのローファーと靴下でした。
明るいウォルナット・ブラウンの靴にこっくりとしたマロン・ブラウンの靴下。その上に続くボトムは、一見グレーかと思うほどに彩度を抑えたサンド・ブラウンだったのです。
買われたばかりのプログラムを夢中でご覧になっていた男性のシャツは、ライトブルーにウォルナット・ブラウンと白のストライプが配されたものでした。
お好みになる方は多いけれど、なかなか上品に着こなす事が難しい<ブラウン・コーディネイト>を半白の髪の男性は理知的に爽やかにこなしてらしたのです。
つい、見とれてしまったわたくしに、何か?という表情で視線を向けられた男性のブラックメタリックの眼鏡さえこの方にはぴったりだったのです。
いいえ ごめんなさい 声を出さずに唇だけでそう答えて、スクリーンへ向けた視線の先に・・・わたくしはあり得ない方の姿を見つけてしまったのです。
 
その方は<G-7>の席に座ってらっしゃいました。そして隣には親しげな女性が、寄り添っていたのです。
いつの間に、いらしたのでしょうか。
昨年の春にお別れした・・・男性。わたくしが愛して、でも他の女性との結婚を選ばれた方でした。人ごみは苦手だと、よく口にされていたこの方を映画に誘うなら、こちらはきっと最適でしたでしょう。
以前お付き合いしていたときと同じに、ポップコーンとコーラを手にしたその横顔から、わたくしは目が離せなくなってしまったのです。
 

会場は暗くなり、スクリーンでは短い広告につづいて本編が始まりました。
濃やかな音の連なりが美しいフランス語に、陰影と接写を効果的に配した映像がテンポ良く続いてゆきます。
17歳の少年の久しぶりの両親との再会、父親の死、父親の遺した男としての性癖に向き合う少年の衝動・・・・そして少年がもっとも敬愛した母の衝撃的な告白「わたしを愛するなら、わたしのふしだらさまで愛しなさい」。
わたくしは、一生懸命物語を追わなくては・・・と念じておりました。
少年が宗教に守られた倫理観と、神聖で敬愛するべき対象だった母親が身を浸すアブノーマルで淫媚な世界との狭間で苦しみながらも、誰でもない母の存在に自らの性を刺激され、男として目覚めてしまう哀しさに心を殺してゆく・・・。
映像がエロティックに・・・セクシャルに・・・エスカレートするにしたがって、<G-8>の女性は、あからさまに<G-7>のその方にしなだれかかり・・・彼の手を取り・・・そして・・・。

 
わたくしは、いつのまにか映像が歪んでいることに気付いたのです。
声も出さず・・・ただ、涙だけがわたくしの頬を伝い落ちていたのです。
あの方とお別れをした後も、何人もの素晴らしい男性と出会い・・・いまわたくしは幸せです。
でも、あの方を失ったという喪失感だけは未だに消えてはいなかったのです。
わたくしなら決してしはしない・・・映画館の中での痴戯。あの方は、アブノーマルな性癖はお持ちでしたが、こういうことはお嫌いだったからです。
いまも、となりの・・・奥様の自由にさせながら強ばった表情を崩しもしない・・・スクリーンの明かりに浮かぶあの方の横顔に、わたくしは一気にお別れをしたあの時に引き戻されておりました。
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