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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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男性は無言のままにわたくしを先にケージから下ろすと、すたすたと廊下を歩いていかれます。
エレベーターホールを出て左に・・・まっすぐ進んで彼が立ち止まったのは1903と書かれた扉の前でした。
「どうぞ」 男性は何のためらいもなく手の中のカードキーをスリットに差し入れると、開いたドアを押えてわたくしを先に室内へ入れてくださったのです。
「きれいね。」 落とされたままの室内の照明の中で、窓を額縁にレースのカーテン越しに東京湾の夜景が一望できました。青海の観覧車、レインボウブリッジ、晴美埠頭・・・。
わたくしはバッグを手にしたまま窓際に歩み寄っていたのです。
「間に合ったね。」 落ち着いた声で言うと、ひと呼吸置いて男性はドア近くのルームライトのスイッチをONしたのです。
「たしか終電を過ぎると観覧車は照明を落とすらしいから、この景色を見てもらえてよかったです。」 年甲斐もなくはしゃいでしまったわたくしを諌めるでもなく、男性は手に持ったバッグを窓よりのベッドの上に置くとクローゼットの足許に用意されていたルームシューズに履き替えにいらしてました。
 
「お酒は何がいいですか? ルームサービスが来る間に良かったらシャワーを浴びてきてもいいですよ。」 バスルーム側のベッドにバッグを置いたわたくしに、ルームサービスのメニューを差し出します。
今夜は・・・酷く酔ってしまいたい気持ちと、悪酔いするわけにいかないと思う気持ちがせめぎあっておりました。
ただひとつだけ、お別れしたあの方と一緒にいただいたことのあるお酒だけは・・・見ることさえ辛かったのです。カクテルとバーボンの欄を無視して・・・。
「あれば、グラスかハーフボトルで白ワインをいただけますか。流石に、フルボトルいただく元気はなくて。それとチェイサーを。」
「わかりました。おつまみに好き嫌いはある?食事は?」
「いいえ、お任せします。お夕食は軽く済ませております。お気遣いありがとうございます。」
「それじゃ、オーダーしておくからシャワーでも浴びてらっしゃい。」
「いえ、シャワーまではまだ。ただ、顔を・・・。」 わたくしは藤色のニットジャケットをハンガーに掛けると、バッグの中から小さなポーチだけを取り出してバスルームに向かったのです。

 
男性がかけたのでしょう。いつのまにかシャンソンのBGMが流れておりました。バスルームにもスピーカーが仕掛けられているようです。エコーの効く広い空間に・・・心地よい音量で女性シンガーの柔らかなフランス語が聞こえます。
先ほどまで見ていた映画のヒロインが、息子に禁断の愛を語りかけるようなそんな幽かな淫らさを含んだハスキーボイスでした。

 
鏡の中のわたくしの眼は、赤く腫れたようになっておりました。
ポーチの中の髪ゴムでロングヘアを一つにまとめると、眼鏡を外しました。
洗面所に冷たい水を溜めて・・・涙の痕の残る頬も・・・強く噛み締めて血がにじみかけた唇も・・・全てを洗い流したのです。
わたくしは、全くメイクアップをいたしません。そのことを、今日ほどよかったと思ったことはありませんでした。
もしメイクをしていれば・・・涙を流した跡は流れ落ちたファンデーションや黒く溶けたマスカラでもっと見苦しくなっていたことでしょう。
わたくしはハンドタオルを冷たい水で絞ると、バスタブの縁に腰をかけて両目に強くそのタオルを押し当てたのです。
3度ほど、瞼の熱で温まったタオルを水で冷やすことを繰り返すうちに・・・腫れも収まってきたのです。
わたくしはポーチから、化粧水を取り出して薄く素肌の上に伸ばしたのです。
「これで少しはましになったわね。」 このあと、涙を止めたままでいることができるかどうかは自信がありませんでした。少なくとも、わたくしのためにこの場所と時間を用意してくださった男性に、他の方のために流した涙の痕をできるだけ拭ってからお酒をご一緒したかっただけでした。
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