祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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31 2006 / 07
「芝浦へ」 男性は運転手にそう告げると、携帯を取り出しました。
「ナカハタだが、これから伺いたいのだけれどツインは用意できるかな。」 ホテルのフロントへ・・・でしょうか。
「ナカハタミチアキだ。そう。」 すれ違うヘッドライトに浮かぶまなざしはやさしくわたくしを見つめたままでした。
「海側でたのむ。そうあと5分ほどで着くから。よろしく。」 ナカハタさんと電話で名乗られた男性はタクシーの運転手にホテルの名前を言うと、わたくしに向き合ったのです。
「あの・・・」
「君のことだ、そのままで人目のあるバーなんかに行きたくはないでしょう。部屋でルームサービスでもとって、ゆっくりとしましょう。大丈夫、君のいやがることはしませんから。」 男性はわたくしの手に触れることも・・・わたくしの名を尋ねることすらしませんでした。
わたくしが、小さく頷き返したころ・・・タクシーはホテルの車寄せに到着したのです。
「ここで待っていてください。」 程よく照明の落とされたロビーのソファーにわたくしを座らせると、男性はお一人でフロントに向かわれました。
もう・・・0時まで何分もなかったことでしょう。
わたくしもようやく涙を抑えることができるようになっていました。
ナイトシフトのスタッフが行き交う都内の一流ホテルのロビーは、昼やディナー時の活気とは無縁なひっそりとした空間でした。隣接するラウンジでは、ジャズピアノの生演奏をしているのでしょうか。人の声特有のざわめきを越えてメロディアスな音の連なりがわたくしの耳元まで流れてきたのです。
「部屋ではなく、ラウンジで飲みますか?」 ベルボーイの案内を断って、男性はわたくしの前にいらっしゃいました。ピアノの音に気を取られていたところをご覧になられていたのでしょうか。
「いいえ。酷い顔をしていますでしょう。あなたに恥をかかせてしまうわ。お言葉に甘えて、お部屋で頂戴します。」 まだ・・・・口元だけに笑みの形をつくるのが精一杯でした。わたくしの言葉に頷いた男性に促されて、正面に見えるエレベーターホールへと向かったのです。
先ほど男性に声を掛けてらしたベルボーイが、エレベーターを呼んでいてくださったようです。
二人とも明らかに仕事帰りの・・・どう考えても宿泊の準備などなにもしていない様子だったはずです。なのに、このホテルのお行儀のよいスタッフはほんの少しの怪訝さも見せず遠来のお客様と同じ応対をしてくださいます。一流ホテルならではの、心地よい慇懃さにわたくしは改めて感心しておりました。
「ありがとう。」 ごゆっくりお過ごしください、そういって礼を取るベルボーイの姿がエレベーターのドアの向こうに消えてゆきました。
「君は綺麗ですよ。」 コンソールパネルに向かい19階の釦を押しながら男性はぽつりとそう仰ったのです。
「ん?」 わたくしはとっさになにを仰っているのかがわからなくて、隣の男性の横顔を見やったのです。
誰も乗り込んでくることなどほとんどない深夜のエレベーターの中。いままでご一緒したことのある他の方達は、まるで部屋にゆくまでの短い時間も我慢出来ないと言う様に、わたくしに手を伸ばしてらっしゃいました。
でも、この方は違ったのです。
わたくしの横に並んだまま、エレベーターのドアにまっすぐ向き合ったまま、わたくしの手を取る事すらなくすっと立っていらっしゃるのです。
短い問いかけは彼の耳には届かなかったのでしょうか。何のお答えもいただけないままに、エレベーターは19階へ到着したのです。
「ナカハタだが、これから伺いたいのだけれどツインは用意できるかな。」 ホテルのフロントへ・・・でしょうか。
「ナカハタミチアキだ。そう。」 すれ違うヘッドライトに浮かぶまなざしはやさしくわたくしを見つめたままでした。
「海側でたのむ。そうあと5分ほどで着くから。よろしく。」 ナカハタさんと電話で名乗られた男性はタクシーの運転手にホテルの名前を言うと、わたくしに向き合ったのです。
「あの・・・」
「君のことだ、そのままで人目のあるバーなんかに行きたくはないでしょう。部屋でルームサービスでもとって、ゆっくりとしましょう。大丈夫、君のいやがることはしませんから。」 男性はわたくしの手に触れることも・・・わたくしの名を尋ねることすらしませんでした。
わたくしが、小さく頷き返したころ・・・タクシーはホテルの車寄せに到着したのです。
「ここで待っていてください。」 程よく照明の落とされたロビーのソファーにわたくしを座らせると、男性はお一人でフロントに向かわれました。
もう・・・0時まで何分もなかったことでしょう。
わたくしもようやく涙を抑えることができるようになっていました。
ナイトシフトのスタッフが行き交う都内の一流ホテルのロビーは、昼やディナー時の活気とは無縁なひっそりとした空間でした。隣接するラウンジでは、ジャズピアノの生演奏をしているのでしょうか。人の声特有のざわめきを越えてメロディアスな音の連なりがわたくしの耳元まで流れてきたのです。
「部屋ではなく、ラウンジで飲みますか?」 ベルボーイの案内を断って、男性はわたくしの前にいらっしゃいました。ピアノの音に気を取られていたところをご覧になられていたのでしょうか。
「いいえ。酷い顔をしていますでしょう。あなたに恥をかかせてしまうわ。お言葉に甘えて、お部屋で頂戴します。」 まだ・・・・口元だけに笑みの形をつくるのが精一杯でした。わたくしの言葉に頷いた男性に促されて、正面に見えるエレベーターホールへと向かったのです。
先ほど男性に声を掛けてらしたベルボーイが、エレベーターを呼んでいてくださったようです。
二人とも明らかに仕事帰りの・・・どう考えても宿泊の準備などなにもしていない様子だったはずです。なのに、このホテルのお行儀のよいスタッフはほんの少しの怪訝さも見せず遠来のお客様と同じ応対をしてくださいます。一流ホテルならではの、心地よい慇懃さにわたくしは改めて感心しておりました。
「ありがとう。」 ごゆっくりお過ごしください、そういって礼を取るベルボーイの姿がエレベーターのドアの向こうに消えてゆきました。
「君は綺麗ですよ。」 コンソールパネルに向かい19階の釦を押しながら男性はぽつりとそう仰ったのです。
「ん?」 わたくしはとっさになにを仰っているのかがわからなくて、隣の男性の横顔を見やったのです。
誰も乗り込んでくることなどほとんどない深夜のエレベーターの中。いままでご一緒したことのある他の方達は、まるで部屋にゆくまでの短い時間も我慢出来ないと言う様に、わたくしに手を伸ばしてらっしゃいました。
でも、この方は違ったのです。
わたくしの横に並んだまま、エレベーターのドアにまっすぐ向き合ったまま、わたくしの手を取る事すらなくすっと立っていらっしゃるのです。
短い問いかけは彼の耳には届かなかったのでしょうか。何のお答えもいただけないままに、エレベーターは19階へ到着したのです。
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