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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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25 2024 / 11
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25 2006 / 07
「ああぁぁん・・やぁぁ・・ちが・・ぅぅ・・のぉぉぉ」 ずん・・容赦なく突き入れられ子宮に当たってもなお奥へとねじ込まれようとする塊にわたくしは気をとられていたのです。
いつのまにか・・・田口さんの目の前にあったスカートのウエストがはずされ・・ファスナーも引き下ろされていたのです。
「祥子さんを正常位で犯したくなりました。今夜はあなたの逝き顔を見せていただきますよ。」 そう言うなり身体を離し、わたくしのウエストからスカートを引きずりおろしたのです。
「こちらです。」わたくしの上半身を立たせて・・・膝までスカートを落とすと・・わたくしを仰向けに押し倒し足先からパンティとスカートを抜き取ってしまわれたのです。
「脚を開くんです!」 引き寄せた両膝に手を掛けると、とても強い力でわたくしの脚を左右に割るのです。
「やぁぁぁ・・・・」 わたくしの抗いの声と同時に、窓の外に稲光が閃きました。
「相変わらず綺麗な花びらをしていますね。」 一瞬の閃光はわたくしの蜜にまみれた真珠と花びらを田口さんの脳裏に焼き付けるには充分過ぎたようです。
「綺麗な花ほど散らしたくなる。」 ゴロゴロ・・・数秒遅れた雷鳴が合図だったように・・蜜にまみれた塊を一気に押し込んだのです。
「あうっ・・ぁぁぁぁ・・・」 節くれ立った塊はわたくしの中程で一度止まり・・・締め付けたその場所をねじ開く様にして・・・入り込んでゆくのです。
「明かりのないのが残念ですね、祥子さんの顔がよく見えない。」 田口さんはさきほど一度止まった場所を・・・何度も繰り返しこすりたてるのです。
「はぁうぅぅっくぅ・・だめぇ・・そこぉぉぉ」
「ここですね。バックからだとよくわからなかったですが、祥子さんは数の子天井なんですね。ここ、ほら、締め付けるから余計に擦れるんですよ。」
「やぁぁぁ・・・」
「視界が閉ざされていると触覚が敏感になる。ああ、いいですよ、祥子さん。うっ・・・また締めて。」 大きく張った田口さんの塊の先端が快感にひくつくわたくしの蜜壷を・・・全ての場所の感触を確かめるかのように抉ってゆくのです。
「ぁぁぁああ・・だめぇぇぇ・・・」 深く・浅く・・・抜き差しの速度が上がってゆきます。わたくしも田口さんと同じなのです。視界を塞がれて・・・雨の籠ったような湿度に肌を囲まれて・・・田口さんの大きな身体に・・大きな手に・・大きな塊に身体を開かれ・押し込まれて・・・どんどん追い込まれていったのです。
「ゆるして・・ぇぇ・・・はぁぁぁ・・いい・・・」 微かに開いた眼に雷光と違う明るさが窓から差し込んでいることに気付いたのです。
「ああ、電源が回復したみたいですね。まもなくホテルの人間がくるでしょう。そろそろ、逝かせてさしあげます。」 わたくしのカットソーを引き上げると・・・サテンのブラを引き下ろして・・・Gカップの白い乳房をまろびださせるのです。
「いやぁぁぁ・・・みちゃ・・だめぇぇ・・・」
わたくしの快感に乱れた表情を確かめると、無言のままで激しく奥までの抽送をはじめたのです。
「あぁぁぁ・・・いっ・・いっちゃうぅぅぅ・・・」 衣服とランジェリーに挟まれても白い乳房は、田口さんの律動にはしたなく震えるのです。
「そう、逝くんです!祥子さん。 逝きなさい!逝け!!」 子宮をずんずんと突き上げてくる塊が・・・わたくしの一番敏感な奥を・・・蜜音を響かせながらかき回すのです。
「ああああ・・・いくぅぅぅ・・・」「逝く!」 突き上げた先端からしたたかに放たれた真っ白な精がわたくしの胎内をゆっくりと染めていったのです。  

 
「どなたか、おいでになりますか?」 建物の戸を軽くノックする音が聞こえました。
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24 2006 / 07
「おねがい・・みないで・・・」
「祥子さん、蛍がなんであんなに綺麗に光りながら飛ぶのか知っていますか?」 
「はぁっ・・・」 パァン・・・田口さんの手がむき出しのヒップにスパンキングを加えたのです。
「あれは求婚と発情の印なのですよ。点滅する明かりで、異性を虜にする。」
「やぁっ・・・」 パァン・・・同じところにもう一度。愛撫の為のスパンキングとはいえ・・・その音は激しい雨音ごしにさえ外に漏れてしまいそうなほどの大きさでした。
「短い命を繋ぐための蛍さえ、腰の明かりは点滅させているのに、祥子さんのここは白く光ったままで私を誘惑し続ける。」
「ゅるしてぇ・・・」 パァン・・・スパンキングに揺らいだ身体の反対側の太ももに今度の手のひらが飛んだのです。
「その上フェロモンまで燻らして、発情したままなんですか、祥子さん。なんて淫乱なんだ。」
「あぁっ・・ぁぁぁ・・」 田口さんの指がぎりぎりの面積で秘めた部分を被うサテンの上をつぅぅぅっと・・・滑ったのです。
「もうたっぷりとソースを溢れさせているようですね。」 
「いやぁぁ・・・」
「その声を聞くだけで逝ってしまいそうですよ。ほんとうに極上の料理だ。ソースの味見を直に私の口でして欲しいですか?祥子さん。」
「やめてっ・・・」 この姿のままで・・・田口さんの口唇で愛される、そんな恥ずかしいことできません。
「それじゃ、味見は抜きですね。早速ディナーにしましょう。」
 
「ゃあぁぁっ・・・」 田口さんの手がわたくしのTバックを一気に膝まで引き下ろしたのです。次の瞬間には、熱い塊が・・・花びらに押し付けられていました。
「今夜も美味しそうだ。」
「はああぁぁぅ・・・あぁ・・ん・・」 あの夜・・・美貴さんに犯される表情を見つめられていた時と同じ様に・・・後からシェフの塊が押し込まれていったのです。
ぬちゅ・・くちゅ・・・確かめるように・・・いえこの方の言葉を借りれば・・・じっくりと味わう様に・・・田口さんは大きな塊をゆっくりと出し入れするのです。
「ああ この味。あの時よりもまた美味しくなっているみたいですね。」 ぐるり・・とわたくしに押し付けたままの腰を捏ねて田口さんの責めに締め付けを強める奥を満遍なく味わおうとするのです。
「あぁっ・・・ぁぁあん・・・だめ・・」 抑えたわたくしの声は、雨の音で外にまでは聞こえなかったでしょう。でも田口さんの耳にはしっかりと響いてしまっていたようでした。
「私の味をまだ憶えていましたか? それともあの翌日から、憶えていられないほどあの方達に犯されたんですか?」
「はぁぁ・・・やあぁぁぁ・・・」 答えられはしません・・・あのあと・・わたくしの身体を愛でた男の方達のことなど。
「ああ こんなに中が蠢く。なんて身体なんですか」 田口さんはただ抽送を繰り返すようなことはしないのです。わたくしの四方の壁の細部まで・・・押し広げては再奥の一番感じる部分を押し広げるのです。
「ゆる・・し・・てぇぇ・・・だめ・・っ・・・」 お食事のワインで火照った身体は・・・一層敏感に反応してしまうのです。上半身を支えていた腕は、力をなくして崩れ落ちてしまったのです。
「ふふ 腰だけを突き出しておねだりですか、祥子さん」 突き下ろすような角度で大きく抜き差しを繰り返すのです。わたくしの奥は逞しい塊を求めて収縮を繰り返し・・・花びらは激しい波にもみくちゃにされるように蜜にまみれ・・・田口さんの塊に翻弄されているようでした。
23 2006 / 07
引き戸一枚ですが、閉じれば雨の音はいくらか静かになりました。
その分わたくしの鼓動が・・・荒い息が・・・必要以上に聞こえてきたのです。
「ふたりともずぶ濡れですね。そこに腰掛けてください。」 稲光に見えたそこは、上がり框から続いた3畳ほどの板の間でした。わたくしは濡れてしまったバッグを隅に置くと、素直に腰を下ろしました。
田口さんも、すっかり濡れてしまったようなジャケットを脱いでいました。白いノーネクタイのシャツが・・・コックコート姿の彼をデジャビュのように思い起こさせたのです。その大きな白い肩がわたくしの前に腰を下ろしたのです。
「土足で上がる訳にはいきませんからね。」 ほとんど明かりなどないのです。ときどき空をよぎる雷の光だけが、コマ送りのフラッシュのように二人の姿を浮び上がらせます。
「足を・・・」 わたくしの足首を掴むと、パンプスのバックストラップを下ろし、つま先を抜き取ってゆきます。そして右足も。すっかり濡れた靴を踵を下にして踏み石に立てかけてくださいます。
「ありがとうございます。ごめんなさい、足元のことまで・・・あぁっ自分でいたしますわ。」 わたくしの足首を掴んだままだった田口さんは、腰ポケットから取り出したご自分のハンカチで濡れた足先を拭いてくださるのです。
「いえ、やらせてください。祥子さんの身体を拭うなんて、美貴様でもおやりになったことがないでしょう。」 ふくらはぎの中程まで・・しっかりと拭うと両脚を揃えて板の間に上げてくださったのです。
 
「寒くないですか?」 今度は田口さんが靴を脱いでわたくしの隣に上がっていらっしゃいました。
「ええ。」 わたくしは、実はほとんど足元とスカートの裾以外濡れてはいませんでした。雨が降り出してから、田口さんの大きな身体がすっぽりと被ってかばってくれていたからです。
「田口さんこそ、濡れたのじゃなくて?」
「大したことはありませんよ。」 いつのまにか後に廻って・・・大きな手で肩越しに・・・両の乳房を抱きしめられたのです。
「お陰でこうしてまた祥子さんを味わうことができる。」
「はぁぁ・・ん・・だ・め・・」 わたくしの首筋に押し当てられた田口さんの唇は火の様に熱かったのです。
「味見ばかりさせて、ディナーはお預けなんてひどいですよ、祥子さん」 アップにまとめた髪はわたくしの敏感で感じやすい耳元も普段は陽に晒す事のない首筋も無防備に田口さんに曝け出していたのです。
「このままだとスカートが皺になってしまうでしょう。ご自分で脱いでください。」
「ぁあぅっ・・・」 前に回した両手の指を乳房にめりこむようにさせて・・・わたくしを立ち上がらせるのです。押し付けられた田口さんの腰のものはスラックス越しにでもわかるほどに大きく・・・既にひくついていたのです。
「祥子さん」 わたくしの左の耳朶を田口さんが甘噛みします。
「雨が止んだら間違いなく人が来るでしょう。のんびりしている暇はないんです。」 たしかに仰るとおりなのです。でも・・・自分の手で服を脱ぐなんて・・・
「やぁ・・・」 唇と両手と昂った塊が・・・静かにわたくしを責め立てるのです。それでも、この場で・・いつ人がくるかわからないここでスカートを脱ぐなんてできません。
 
「仕方がない。どうやら後から犯されたいようですね。」 身を堅くしたわたくしの膝を田口さんの脚がとん・・と後から突くのです。
思わず膝を崩したわたくしの身体を抱きしめたままで・・・田口さんはわたくしを獣の姿に変えてしまわれたのです。
「こうすれば皺にもならないでしょう。」 わたくしの腰を高く上げさせると・・・フレアーになったスカートの裾を背中のほうへと全てまくり上げてしまったのです。
「あぁぁっ・・・ゆるして・・・」
「ふふ 思ったとおりですね。」 わたくしの白くまぁるい双丘はピンクパール色のサテンに縁取られて闇のなかにそこだけが存在するかの様に浮かんでいたのです。
22 2006 / 07
「でも、タオルもありませんし、こんなに濡れていたら畳をだめにしてしまいます。このまましばらく雨宿りしまし・・・」 この敷地にある以上、ホテルの施設なのです、なんの許可もなく建物を利用することにわたくしは抵抗を憶えたのです。
 
ガラガラガッシャ・・・ン・・ガラッシャン・・・・ 
「きゃっ・・・」 強い光と耳を聾するような音が同時に・・そして立て続けに襲ったのです。隣に戻られた田口さんに、わたくしは思わず縋り付いてしまいました。
「大丈夫ですよ、祥子さん」 わたくしを強く抱きしめた田口さんは耳元で・・・やさしく・・声を掛けてくださったのです。左手は、レースのフレアスカートに包まれた腰に這わせながら。
「ごめんなさい、わたくしったら・・・」
ガラガラガッシャ・・・ン・・ 
「きゃ・・」 不用意に田口さんに預けてしまった身体を引き離そうとしたときです。先ほどよりひと際大きな雷が・・・三重塔の近くに落ちたのです。
二人の周囲に控えめとはいえあった照明が、ふっと・・・一斉に消えました。
「やっ・・・」 都心の安全なホテル内の庭園にいるのです。なにも怖がる必要などないのに、それでもわたくしは闇に包まれることに恐怖心を憶えてしまったのです。
我が身を引きはがそうとしていた田口さんの胸に、ふたたび縋り付いてしまったのです。

「大丈夫です。ホテルの本館は停電していませんから。庭の電気系統だけがショートしただけでしょう。雨が小降りになれば直に修復されます。それに、ほら・・・」
田口さんが指差された先の地面に、それこそほんとうにとびとびですが非常用の明かりが・・・まるで蛍火のようにうすくぽっとついたのです。
「ごめんなさい、あんなに酷い雷。びっくりしてしまって・・・」 まだ雷の音は去っていませんでした。時折思い出した様に漆黒の空に稲光が走り、数秒後には大きな雷鳴がいたします。その間隔は少し開きはしたものの、まだ充分に大きなものでした。
雨は、一層強く降り続いています。
ホテルを出た時のあのまとわりつくような湿度は、この雨の予兆だったのでしょう。
「ほんとうに、ごめんなさい。」 
「祥子さん、そちらに行ったら濡れますよ。」 身体を離そうとしたわたくしの腰を、田口さんの腕は許してはくださいませんでした。がっしりと抱かれた身体は身動きもままならないほど彼の身体に密着していたのです。
「おねがい・・・」
「さ、中に入りましょう。食事をしている時から我慢してたんです。さっき腕を組んで歩いた時に触れた祥子さんのバストの感触で年甲斐もなく発情してしまいました。」
「やぁぁっ・・・・」 田口さんの左手は一旦は離したわたくしのフレアスカートを再びたくし上げはじめていたのです。

 
「どうせ誰も来ませんから、ここででもいいですよ。雨に閉じ込められた野外でこんな風に身体を密着したまま祥子さんを嬲るのも一興です。」 右手はわたくしの肩に・・・傾げた首はわたくしの右耳を舐るかのような至近距離で・・・淫らな提案を口にするのです。
「だめっ・・・」 バタバタと叩き付けるような雨の音が、わたくしの抗いの言葉を打ち消してゆくようです。
「ふふ、今夜もガーターなんですね。それなら余計ここででも充分ですよ。あぁ、あの夜と同じTバックで、こんな仕事関係の集まりの時でさえこんな扇情的なランジェリーを身につけるのですか祥子さんは。」
「ちがう・・の・・・あぁぁっ・・・」 清純なほんのりとピンクがかったパールのランジェリーセットは、今日の慎ましやかな装いのために選んだものです。パンティのカットは大胆だったけれど・・・決して淫らな目的で選んだわけではありません。
すっぽりとスカートの中に入り込んだ田口さんの手はわたくしの露になったヒップを上質な食材の鮮度をたしかめるかのように・・・撫で回すのです。
落ちてくる雨同士がぶつかるあまりの激しさに・・・霧状になった水滴がわたくしの太ももにも・・・スカートをたくし上げられたむき出しの腰にも・・・まるで好色な男性の視線のようにまとわりつきます。

 
「あの時も、窓外に淫らな姿を晒されただけで蜜を滴らせていましたね。祥子さんは露出好きなのかな。誰も来ないとはいっても、こんなとこで下半身を晒して感じてるんですか?」
「いやぁ・・・ちがうわ・・・」 あの時は・・・ホテルの26階でした。周囲にほとんど同じ高さの建物のない・・・メインダイニングの窓にわたくしを括ったのはこの方なのです。
「私はね、結構好きなんですよ。このままここで祥子さんにこれを入れたくってうずうずしてるんです。」 そう仰りながらわたくしの腹部に押し付けられた塊は・・・もうすっかり猛々しく昂っておりました。
「夜目にも祥子さんの肌ならまるで蛍の光みたいに白く光ってみえるでしょうね。その腰を露にここで照明が回復するまで嬲らせてくれるんですか?」 あぁ・・・わたくしったら・・・なんて不用意に・・・この方とご一緒してしまったのだろう。つい先ほどまであんなに紳士的だったのに。
「だめ・・・っ・・」 ふるふると首を振るわたくしの後頭部を押さえて、今度は最初から淫らな口づけをなさったのです。
「挑発したのは、祥子さんです。その声で、その慎ましやかな姿で、Gカップのバストの感触で、淫らなあなたの体臭で。このまま何もなしでは帰しません。ここで立ったまま犯しますか?それとも中に入りますか?」
「おねがい・・・中で・・・」 
ガラガラ・・ガシャ・・ン・・ わたくしを抱きしめたまま建物の中に連れてゆく田口さんの向こう・・・庭園の中へ・・またひどく近くに雷が落ちたのです。
21 2006 / 07
右手に池が左手に水路のある歩道は、進むほどに舞う蛍の数が増えてゆきます。夢幻・・・という言葉さえ思い浮かぶほどでした。
「飼育しているそうだが、これほどとはね。」 乱舞する光が田口さんとわたくしの周囲をとりまくのです。
「ご一緒していただいてよかったわ。1人だと、せっかくの感動を思う存分味わえないでしょう。ありがとうございます。」
「こんなに喜んでいただけてよかったです。」 田口さんのお髭の中の唇から、白い歯がにこやかに覗いていました。
「ずっと以前に穂高で見た時よりたくさん飛んでるみたいだわ。」
「穂高ですか。どなたとご一緒だったのかな。」
「ふふふ、そんなんじゃありません。学生時代の夏合宿でしたの。こんな庭園ではなくて、普通の田んぼのあぜ道でした。都会育ちだったものですから、あれほど沢山の蛍を見た事がなくて、とても嬉しかったことを覚えてます。」
蛍の時期は庭園をそぞろ歩くお客様も多い、と聞いていましたが今夜はこのひどい蒸し暑さのせいでしょうか・・・お客様の数もちらほらとしか見かけませんでした。
「夏合宿ですか。お若いころの祥子さんにもお逢いしてみたかったですね。」
「ふふふ、あのころはきっと可愛かったと思いますわ。」
「いまのほうが間違いなく魅力的でしょう。」
「お上手ね、田口さんは。」

 
大きな池を抜けても、左側を流れるせせらぎのせいでしょうか、蛍はまだ飛び交っておりました。わたくしが、田口さんを見つめて微笑んだところでひっつめてアップにした髪にカサッとなにかが触れたのです。
「祥子さん、動かないで。あなたの髪に蛍が止まってる。」 それが、蛍だったなんて。
「ほら、力強く光ってますよ。蛍も私の意見に賛成のようだ。
「もう、田口さんた・・っ」 蛍を驚かさないようにと田口さんを見つめたままだったわたくしの唇を・・田口さんが塞いだのです。
「ん・ん・・・っ」 エスプレッソの香りのキスは、強く・・わたくしを貪ったのです。
「・・ん・・もう・・だめですっ」 まだ周囲にいるかもしれない人をはばかって、左手で大きな彼の胸を押し返しながら、わたくしは小声で抗議したのです。
「あっ、蛍が飛んでいってしまったみたいですね」 もう、恍けて・・・田口さんたら。
「こんな悪戯をなさるからですわ。」 彼と唇を交わすのは、はじめてではありませんでした。でもこんな不意打ちを受けるとは思っていなかったのです。
「祥子さんがあんまり魅力的だからですよ。やっぱり十代のころの祥子さんよりも、いまの祥子さんの方が私は好き・・・」
バ・タ・バ・タタタタタタ・・・・ 田口さんの言葉を打ち消すほどに強い大粒の雨が突然落ちてきたのです。

 
「祥子さん、こっちです。」 傘も持ってはいなかったのです。ホテルの本館からはもう随分と離れておりました。わたくしは田口さんのおっしゃる方へと小走りに着いて行ったのです。
夕立でした。あっという間に雨は酷い降りになってきました。
それでも、二人は酷く濡れる前に茅葺きの建物の前にたどり着けたのです。大きく張り出した軒下にわたくしたちは避難したのです。
「ここで雨宿りしていましょう。中に入れればいいんですけどね。」
「何ですの?ここは」 激しい雨の音に、声を少し大きくしなければ田口さんに届かないほどでした。
「たしかお茶室だったと思うんだが。」 いくつかの戸をカタカタと動かしていた田口さんは、やがて一つ・・・開く戸を見つけたようでした。
「ここから入れそうです。濡れますから中へ入りましょう」 たしかに仰る通りなのです。足元の玉砂利から跳ねる雨粒は、わたくしのストッキングを酷く濡らしておりました。
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