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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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15 2006 / 07
「なかなかシェフのところにお伺い出来なくて申し訳ございません。」 またぜひお越し下さい、と言われながらもう半年以上が過ぎていたのです。
「ははは、ここでシェフでもないでしょう。田口です、祥子様はもうお忘れですか?」 明るい・お腹の底から出てくるような笑い声も、あの時と同じでした。
「ごめんなさい、田口さん。お名前を忘れていたわけではありませんわ。それに今日はあなたのお店のお客様でもないのですから、わたくしのことも様は抜きでお願いします。」
「そうでした。とはいえ、祥子、と呼び捨てにしたら美貴様達に怒られてしまいそうですから、今日は祥子さんと呼ばせていただきます。」
「ふふふ」 この方はそんなことまで憶えていてくださったようです。たった一度お逢いした方。でも忘れることなんてできない方との久方の自己紹介はこれで終わりです。
 
「わたくしは、先ほど知り合いの方の還暦のお祝いが終わったところですの。こちらのお庭の蛍は有名でしょう。せっかくなら見てゆきたいと思って。」 ロビーでひとり思案顔をしていた訳を、簡単にお話したのです。
「田口さんはどうしてこちらに?今日はホテルの方はお休みですの?」
「ええ、今日は月曜日なので休みなんです。このホテルのフレンチのシェフが後輩にあたるものですから、夏の繁忙期前にちょっと顔を見に来たんですよ。」 こちらのフレンチダイニングは安定したお味と繊細なメニューで定評のあるレストランです。この方の後輩さんだとうかがえば、なるほど・・・と頷けました。
「もう御用はお済みになられたの?」
「ええ、彼とは丁度ランチとディナーの間の休憩時間にゆっくり話してきました。そろそろ帰ろうか、たまには蛍でも見ようかと思っていたところで祥子さんのことをお見かけしたんです。」 ちょうど夕方の6時すぎ。夕暮れの気配がほんの少し忍び寄ったロビーは、真っすぐに帰宅することを躊躇わせるような空気が漂っていたのです。
「1人で蛍も味気ないと思いましたが、祥子さんがご一緒なら別です。いかがですか?ご一緒に夕食でもして、頃合いを見て蛍狩りなんて。」 わたくしも同じことを考えておりました。田口さんとご一緒に過ごすのも・・・悪くない、と。
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて、ご一緒させていただきます。」 軽く頭を下げるわたくしの白い首筋に、田口さんの視線が流れていたことに・・・全く気付いてはおりませんでした。
 
「食事はフレンチでいいですか?今日のパーティではなにを召し上がったのですか?」 レストランの並ぶ方へと田口さんはゆっくりと歩いてゆきます。
「和食でしたの。でも、ガーデン・パーティでしたからとても軽い・・・先付けをオードブルにした感じのお料理でしたの。」
「庭の中の料亭でだったのですね。じゃ、メニューはかぶらないほうがいいですね。後輩の仕事を祥子さんの舌で批評してやってください。」
「批評なんて、いやですわ。田口さんたら」 シェフにエスコートされて席に着いたのは、庭に面したフレンチレストランだったのです。
「メニューはおまかせしていただいてよろしいですか?」
「ええ」
「それでは、シーズンディナーを。それとおすすめの軽めの赤ワインをおねがいします。乾杯はシャンパンがいいな。最初に持ってきて下さい。」 てきぱきと、田口さんがオーダーをなさいました。きっとさきほど、後輩だというこのレストランのチーフシェフとお話をされていたのでしょう。どんなメニューか知らずに待つことも、お食事という場では楽しみが増すというものです。
 
「シャンパンでございます。」 わたくしたちの前に2つの細かい泡が立ち上るフルートグラスが用意されました。
「では、偶然の再会に乾杯。」「乾杯♪」 軽く目線に上げたグラス越しに視線を交わすと、はじける液体を喉へと流し込んだのです。
「おいしいわ。暑い時期にはこの爽快感がすてきね。」 口中にひろがる葡萄の香りはマムのように思えました。
「祥子さんは、黒が似合いますね。肌が白いせいかな。あの夜も黒でしたね。」 田口さんがまるでシャンパンの味をたたえるように・・・わたくしの今日の装いを口にされたのです。
贅沢に空間のとられたディナーテーブルの中でも、二人が通されたのは二方をガラス面に囲まれたお席でした。
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14 2006 / 07
はっきりしない梅雨の月曜日。
わたくしは、蛍で有名な都内のホテルに来ていました。
とはいっても、いまは午後4時。夏至を過ぎたばかりのこの時期、蛍火を楽しむことなんて出来ないほど明るい時間です。
 
今日は、先輩デザイナーの『還暦を祝う会』でした。
60歳になられたばかりの男性デザイナーは細身でお年を感じさせない矍鑠とした方でした。数年前に再婚したばかりのわたくしよりも若い奥様を連れて、幸せそうにお酒を召し上がってらっしゃいます。
緑の起伏のある庭園が美しいこのホテルを指定されたのは、当のデザイナーだそうです。ご自身もお庭が好きと仰ってましたので、ホテル内のレストランではなく庭園の中に設けられた料亭でのガーデンパーティになっていました。
 
緑が濃くなったお庭でのパーティとうかがって、この後の予定がなかったわたくしは少し華やかな装いでこの場に来ておりました。
黒の肘までの半袖のトップス、黒のレースのたっぷりとしたフレアスカート。アクセサリーはピンクパールのロングネックレスでした。
ランジェリーはほんの少しだけピンクがかった白のサテンとレースのセットを選んだのです。フルカップのブラとTバック。それに揃いのガーターベルトでナチュラルなストッキングを吊りました。サイドがカットされたハイヒールのパンプス。髪は背の中程までのストレートロングをパールのかんざしでアップにまとめていたのです。
 
同じ業界の友人関係とはいえ、今日の招待客の方達はみなさんわたくしよりもキャリアの長い先輩の方達でした。一通りご挨拶をし、主賓にお祝いを言いにうかがうころにはそろそろお開きの時間になっておりました。
久しぶりにお逢いしたデザイナーの方によると、今日の主賓はいま少しお風邪を召されているそうです。
「だから、二次会って言われる事はないと思うわ。」 その方の言葉どおり、会は予定時間通りに終わりました。
幹事の方の〆のご挨拶をうかがって・・・わたくしたちは主賓を見送りに、ホテルのロビーへと向かいました。
久しぶりのお酒で上機嫌の男性デザイナーは見送りにきたわたくしたちに手を振ると、奥様とタクシーでお帰りになりました。今日の参加者の方達も三々五々解散なさいます。

わたくしも・・・どうしようかと、暮れはじめたお庭を振り返った時でした。
「祥子様。美貴様とご一緒にいらした祥子様ですよね。」
大柄な髭を蓄えた男性に名前を呼ばれたのです。
そこにいらしたのは、美貴さんと山崎さん・石塚さんの3人で年末のラスト・ディナーを頂戴した、タワーホテルのメインダイニングのグランシェフでした。
とても見事なジビエの腕前と・・・それから・・ご自分の職場で・・メインダイニングの開かれた窓際で・・・わたくしを辱めることのできるS性をお持ちの方だったのです。
「お久しぶりですね。今日はこちらに御用だったのですか?」 わたくしはほんの少し頬を染めてしまったことに気付かれないかと、気が気ではありませんでした。
「ああ よかったです。憶えていてくださったんですね。」 夏らしいコットンのベージュのスーツが堂々とした体躯のシェフには良くお似合いでした。白いシャツの胸元は第二釦まですっきりと開けられています。あの時も・・・コックコート姿と同じくらいスーツ姿もダンディだったことを・・・思い出しました。
「全部飲み込んだよ。ねえさんの身体・・すごい。」
「あぁぁっ・・・」 確かめるように一旦身を引くと、また奥まで・・・全てを飲み込ませたのです。
「最高だよ、ねえさん。全部包み込んで、こんなにしめつけて。」 森本さんはゆっくりと大きな動きでわたくしの内部を抉りはじめたのです。
「すごいのぉぉ・・・・」
「僕のは大きすぎるって女の子に嫌われることもあったんだ。全部収められないコもなんにんもいた。」 パァン・・・ 森本さんの手のひらが立ったままで貫かれるわたくしの白いヒップに赤い痕を付けたのです。
「はぁうっ・・・」 突然の痛みに・・わたくしはきゅぅっと・・・締め付けを強めてしまいます。
「はは 痛みにこんなに反応するなんて、ねえさん良すぎるよ。」 わたくしの頬は日差しでわずかに温められた窓ガラスに押し付けられていました。
「あぁぁん・・・やぁ」
「ん・・いやらしい声だね、ねえさんの喘ぎ声。脳味噌が沸騰しそうになる。もっと聞かせて。」 彼の腰が突然抽送のスピードを上げたのです。
「ぁぁぁ・・・ぁあああん・・だめぇぇ・・・ゆるしぃ・・てぇぇぇぇ」
「奥がひくひくしてるよ。ねえさん。」
「やぁぁぁ・・・いぃぃぃ・・・いいのぉぉぉ・・・まぁくぅぅん・・・」
「ねえさん ああ ねえさん締め付けてるよ いい」 ねえさんと繰り返す森本さんの声は・・・わたくしに血のつながった弟と交わっているような・・・禁忌のエクスタシーを呼び起こさせたのです。
「そんなにしたら逝っちゃいそうだよ、ねえさん」 言葉ではそう言いながらも・・・わたくしへの責めの手を緩めてはくれないのです。
「あぁぁぁ・・・いってぇぇぇ・・まぁ・くん・・んん・・いっちゃぅぅぅ」 森本さんの声に蕩けていたわたくしは・・・堅く閉じた瞼の内に・・淫楽がたえまなく閃くさまに翻弄されておりました。
「ねえさん サーファーが僕たちをみてるよ」 忘れかけていた・・・窓外の視線を感じた時・・・わたくしは一気に絶頂を極めてしまったのです。
「あああああぁぁぁっ・・だめぇぇ・・・いくぅぅ・・・ぅぅ・・・」 白く霞む視界の中でたしかに物陰からこちらをみるいくつかの眼を確かめてしまったのです。
「うっ・・・いくっ」 淫らすぎる行為に収縮を止める事のないわたくしの身体に・・・森本さんは熱すぎる迸りを浴びせたのです。
 
「はぁぁぁっ・・・」 塊を抜き去られたわたくしは・・・窓ガラスに火照った乳房をおしつけるようにして・・・その場に崩れ落ちてしまったのです。
「大丈夫? ねえさん」 森本さんが、わたくしの手をとってくださいました。それから彼が落としたスリップの肩紐を・・直してくれたのです。
「シャワー浴びてくる?」 わたくしは、力なく・・・無言で頷きいたのです。
「ごめん。ねえさんのTバック台無しにしちゃったよ。」 ランジェリーを身に着けたままの行為は・・・わたくしの下着を彼の白液にまみれさせていたのです。
「あとで僕がねえさんに似合うパンティをプレゼントしてあげるね。」 やさしい声で囁くと、ソファーに残されたままのわたくしのバスローブを取り上げて、バルスームまでついてきてくださったのです。
「お昼寝はなにも身につけないねえさんを抱きしめたいから、そのスリップは脱いできてね。それにお買い物は夕食が終わってからだよ。ディナーは僕が一緒だから、パンティなしでいくんだよ。」
「だめよ・・・そんなこと・・・」
森本さんはわたくしの言葉を全て聞くことなしに浴室のドアを閉めたのです。
今夜は・・・淫らで禁忌を犯す姉弟として・・・森本さんと過ごさねばならないようです。

 

 

祥子からの手紙ー12

トモくんと鴬谷のラブホテルを出たのは、まだ夜も明けきらぬ午前5時でした。

1月の早朝の冷気は、ミンクのコートを通しても肌を粟立てるほどに凍てついておりました。
駅前のタクシー乗り場には数台のタクシーが、窓ガラスを白く曇らせて停まっていたのです。
「それじゃね。楽しかったわ。」 わたくしはトモくんの冷たい頬に最後のキスをしたのです。
「祥子さん、送って行くよ。」
「いいわ。ここで失礼します。トモくん・・・幸せになってね。」 彼の頬に触れると・・・わたくしは1人でタクシーに乗り込んだのです。
「おねがいします。」 走り出したタクシーに、トモくんはいつまでも手を振っていてくれました。



 

明日の朝。
森本さんが目覚める前に、トモくんのNo.とアドレスは着信拒否にして、携帯のメモリーから削除しようと思います。
トモくんの幸せを願って。
「欲しいの?」 いまだけ・・・このひと時だけ・・・姉弟で身体の関係を結ぶ・・・禁断の近親相姦のような関係。森本さんとならそうなってもいいと・・わたくしは心に決めたのです。
「欲しい。この真っ白で柔らかな胸も・・むっちりした太ももも・・おおきなヒップも全部。」 わたくしのスリップの右肩を落とすと・・・右側のGカップの乳房だけをむき出しにしたのです。
「ああ、ねえさんの胸。ブラウスの胸元から覗く白い肌がいつも気になってたんだ。それにこんなにくっきり乳首を堅くして。」 森本さんは1人掛けのソファーの前に立ちふさがって・・・わたくしの乳房と乳首を嬲りはじめたのです。
「はぁぁ・・ん」 感じやすい乳房は・・・朝からずっと増えてゆくトモくんとの最後の夜の記憶にあわせて・・・森本さんの手に・・・陥落していったのです。
「その声。何度、あの店の隣の席で聞きたいと思った事か。ねえさんの声・・・悩ましすぎるよ。」 窓辺のソファー・・・カーテンを引いたままの窓は・・海を見せるのと同じだけわたくしたちの姿を・・・海岸をゆくサーファーたちに露にみえていたにちがいないのです。
「おねがい・・カーテンを閉じて。ベッドに行きましょう。」 ソファーに座ったままのわたくしのスリップの左の肩紐を落とそうとする森本さんの手を押さえました。
「恥ずかしいわ。こんなに明るいところで、おねがい。」
「だめだよ。白い肌が見えなくなっちゃうからね。サーファー達に見せつけてやる。」 脚元から天井までの1枚ガラスの前に・・・右胸を露にしたままのわたくしを立たせたのです。
「やぁ・・っ・・・」 あまりに恥ずかしい姿に・・・わたくしは森本さんの方へと向き直ったのです。
「その顔。写真にとっておきたいくらいだよ、ねえさん。」 左の肩先に伏せられた森本さんの舌はあきらかに愛撫をはじめていたのです。
「あぁっ・・ゃぁぁん・・・」 左手はわたくしの乳房を・・・右手はスリップの裾をたくし上げ・・・わたくしのヒップを露にしたのです。
「だめぇぇっ・・・」 明るく差し込む午後の日差しが・・・アイリスブルーに縁取られたわたくしの真っ白な腰のふくらみを際立たせているに違いないのです。
「Tバックなんて履くんだね、ねえさん。」
「や・・ん・・・」
「その声・・ずきずきするよ。ほら、僕に見せて、ねえさんのいやらしいお尻。」 ぐるり・・と身体を回されてしまったのです。
「もっと腰を突き出して。そう。」 先ほどまでの夢想の中のトモくんと同じ言葉を、森本さんの口が紡ぎ出すのです。
「だめ。ねえさん、直しちゃだめだよ。そのままガラスに手を突いて。」 まろびでたままの乳房が・・・羞恥に立ち上がったままの乳首が恥ずかしくて、わたくしはそっとスリップの肩紐を直そうとしたのです。
「あん・・・ゆるして・・・・」 倒された身体からは・・・露にされた右の乳房だけが・・はしたなく垂れ下がっていたのです。
「ははは サーファー達が海から上がれなくなりそうだね、ねえさん。」 ぎゅっ・・と掴まれた乳房からは・・・わたくしの腰を淫楽で震わせたのです。
「みない・・で・・・」 後に廻った森本さんに弱々しく声をかけたのです。
フロントを釦で止める前明きのワンピースは、裾から膝上まで開いていたのです。ワンピースから見えない様に・・少し丈の短めなアイリスブルーのスリップを選んでいたのです。こんなことになるのなら、ロングスリップを選んだのですのに・・・。
まくり上げたスリップの下の・・・白い丸みを・・・陶器を愛でるように森本さんは撫でまわしてゆきました。
「今日はガーター?」
「えっ・・・」
「ねえさんのヒップ、ガーターストッキングがとっても似合いそうだから。違うの?」
「今日は・・ちが・う・・わ・・・」 Tバックの縁を辿るような森本さんの指遣いにわたくしの声は上ずってしまいます。
「今日はってことは、ガーターのこともあるんだね。いつも上品なねえさんの洋服の下がTバックにガーターだなんて、珈琲を飲みながら想像しちゃいそうだよ。」
「ゃぁ・・・」 いつもの珈琲専門店で必ず隣に座る彼の視線が・・・わたくしのウエストからヒップを探ることを意識しなくてはならないのでしょうか。
「はぁぁ・・ん・・・」 くちゅ・・・ 森本さんの指が・・太ももの狭間へと・・差し入れられたのです。
「もうこんなに濡れてるよ、ねえさん。ああ、我慢できないよ。」 
「ああぁっ・・・」 Tバックをずらして、唐突に森本さんの塊がわたくしの中に突き入れられたのです。
ぬちゅぅぅ・・・ あっあぁぁ・・いっぱぁぁいぃぃ・・・・。
「あっ・・あぅぅ・・ゆる・し・てぇぇぇ・・」 まだ見た事もない森本さんの塊は・・・太く・・大きかったのです。トモくんの記憶と森本さんの愛撫ですっかり潤っていたわたくしの中を・・それでも・・みしぃ・・みしぃぃと広げてゆくのです。



かたっ・・・ 浴室のドアの開く音が背後でいたしました。
森本さんがシャワーを出られたのでしょう。BGMはホルストのジュピターになっていました。
 
1人でいた間、わたくしは海の景色を瞳に映したままで脳裏はトモくんとの最後の時間を思い返していました。
17歳年下。あんなに若い男性と親しいお付き合いをすることは、もうないかもしれません。素直で優しいコ。幸せに・・・ほんとうに幸せになってほしいと、彼の面影に最後の言葉をかけたのです。
膝の上の文庫本はほんの数ページを繰っただけでした。その数ページの内容など、はずかしいのですが・・・わたくしの頭の中にはほんの少しも入ってなかったのです。
 
「ねえさん。」 森本さんの声がすぐそばで聞こえました。
「さっぱりした? ん・・ぁっ」 振り返ったわたくしの唇を・・・塞がれてしまったのです。
「・・んん・・っく」 先ほどの戯れのキスでは・・・もうありませんでした。わたくしの舌も・・唾液も・・・喘ぐ声さえも全て奪い尽くすような・・淫らな口づけだったのです。
ねえさんと呼ばれ、ほんとうの姉弟のように接していても、ふたりは・・・血のつながりなどない男と女なのだと・・森本さんの唇が告げていました。
「・・っ・・ぇぇ・・」 右手でわたくしの肩を抱き・・・左手はバスローブの紐を・・解こうとしていました。
「あん・・だめよ・・もりもと・・さ・ん・・ぁぁ・・」 彼の暖かな唇は顎のラインを通って反らせた喉を・・・バスローブを開かれた胸元へ向かって這ってゆくのです。
「まだこんなものを着てたんですね。」 彼の視線は喉からGカップの乳房に続く白い肌がゆるやかな隆起の途中で途切れている部分で止まっていたのです。
シャワーのあと、ネグリジェのかわりにと・・・アイリスブルーのスリップとTバックだけは身に着けていました。カーテンを閉じて明かりを決してお昼寝するのに・・・この姿なら森本さんを刺激しないかと思ったからです。
わたくしの前に立つ森本さんは・・・黒のバクサーパンツだけの姿でした。いつ・・・心変わりをしたのでしょうか・・・優しくてジェントルな弟だったのに。

 
「あぁっ・・・だめっ・・・」 彼の手はわたくしの肩からバスローブを引き下ろそうとしたのです。
「ねえさん、今日はずっと欲情してたでしょう。」 無理強いはせず・・・椅子に腰をかけたままのわたくしの首筋から肩先に向けて・・・バスローブを引きはがしただけ唇を這わせるのです。
「ちがう・・わ・・」 森本さんといて・・・欲情するなんて。こんな可愛い・・・弟なのに・・・
「違わないさ。鶴岡八幡宮の源氏池のほとりで僕の腕に当たったねえさんの乳首は、くっきり堅くなっていたよ。」 あの一瞬のわたくしの喘ぎの混じった声を・・・森本さんのプロの耳は聞き分けていたのです。
「ずっと・・・何か考えていたよね、ねえさんは。」 右の肩先まで露にした彼の手は今度は左の肩先までも・・・。
「ミルクを溶かしたようなあの瞳が僕のせいだって、そこまでは自惚れちゃいないよ。でも、欲情しているねえさんから漂ってくるフェロモンを我慢するのは、もう限界だ。」 あぁ・・・何もかも、知られていたのです。映像監督としての森本さんのプロの目を欺くことなんてできなかったようです。
「フェロモンなんて、ばかなこと言わないで。」 わたくしは、まだ森本さんとの関係を決めかねていました。わたくしをねえさんと呼ぶ彼との、友人以上恋人未満の関係が最も心地よかったからです。
「ねえさんは、僕が嫌い?」 わたくしの両手から・・・バスローブを抜き取ったのです。
「嫌いじゃないわ。あなたは・・・弟でしょ。」 ただの・・同じ店の常連同士から少しだけプライベートな場所へ近づくことを許した・・・たった1人の男性。
「いまだけでいいから。ねえさんのフェロモンで昂った身体を癒して。」 くちゅ・・・三度、森本さんの唇が重ねられたのです。今度は少し優しく・・普通の恋人同士のような甘さが含まれていました。
「いまだけ? これからも、いままでと同じ様にしていられる?」
「ん。約束するよ、ねえさん。いまだけ。ちゃんと昼寝ができるように、僕をなだめてほしい。」 ボクサーパンツに覆われた森本さんの熱い昂りが・・・アイリスブルーのスリップの胸に触れました。
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