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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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化粧室で用を足し、髪をサテンのリボンで首筋あたりに簡単にまとめるて出てきました。
目の前には、どなたかの飼い犬のゴールデンレトリバーと戯れている望月さんの姿があったのです。
「お待たせしてごめんなさい。」
「あっ、祥子様。いえ、私の方こそこんなところで・・・。」
飼い主の方が戻ってこられたのでしょう。ぶんぶんと尻尾を振っているレトリバーに、またな、と望月さんは陽気な声を掛けて手を振っていました。
「かわいいわね。」
「はい。子供の頃から動物を飼うのを許してもらえなかったのでつい留守番をしている犬を見ると構いたくなってしまうんです。」
「わかるわ、その気持ち。」
「子供みたいですよね。」 はははは・・・明るく望月さんが笑います。
あの一角の男性達に囲まれて、それでも望月さんは卑屈になることも萎縮することもなくいるようでした。ただ、こうして明るい光の下で二人きりでいると、無理に大人びてみせようと、少し背伸びしていることに気がつかされます。
「ずっと運転していたのでしょう。疲れてない?」
「はい。いつものことですから、大丈夫です。」
朗らかさのまま、そう答えてくれます。それなら・・・ほっといたしました。

コートを着ているわたくしと違って、望月さんはジャケット姿のままです。そろそろ寒くなってきたころでしょう。
「あの、祥子様。」
車へと戻りかけたわたくしの肩へ、望月さんは声を掛けたのです。
「なぁに。」
振り返って見上げた彼の顔には、いつもしっかりしていて、頼もしくて堂々とした望月さんの34歳という年齢のままの素直さを表していたのです。
「祥子様は、明日はもうお仕事ですか?」
「いいえ、あと一日お休みなの。わたくしのお仕事は5日からなの。」
「あの・・・それでしたら」
思い切る様に、望月さんはわたくしを見つめました。
「今日一日を私だけに下さいませんか?」
答えもせず、わたくしはじっと彼を見つめ返したのです。
「お疲れでしょうから、無理はさせませんし、いたしません。どうか、二人・・」
わたくしは優しい望月さんの唇にもういいのよ・・・という気持ちを込めて左手の人差し指をそっと押し当てたのです。
「わたくしのお願いも聞いてくださる?」
コクコクと望月さんは首を縦に振るのです。
「二人きりの時は<様>なんてつけないこと。車の助手席に乗せて下さること。優しいキスをしてくれること。その3つを聞いてくださるなら、明日の朝送ってくださるまでご一緒するわ。」
「ありがとうございます。祥子さ・っ・」 ちゅっ・・・ わたくしは少し背伸びをして、いつもの様にわたくしを呼ぼうとする望月さんの唇を奪ったのです。
「だめ、祥子って呼んでくださらなくちゃ。」
「呼び捨てなんて出来ないです。祥子さん、でもいいですか。」
「ふふふ、しかたがないわね。」
「よかった。それじゃ、車に戻りましょう。」
望月さんが差し出してくださる逞しい腕に手を絡めて、ふたりはセルシオへと戻ったのです。
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リアシートの中央は肘掛けの形に下ろされて、そこにはミネラルウォーターのペットボトルとエルメスのカシミアストールが用意されておりました。
深みのあるオペラピンクのストールを取り上げると、わたくしはすっぽりとワンピースの肩を覆ったのです。
窓越しの日差しは、かすかに流れてくる凍てつく空気とは反対に明るくあたたかでした。
そして肩を包む柔らかくて・暖かくて・軽い1枚の布は、車の振動と相まっていつのまにかわたくしを微睡みへと誘ったのです。

「祥子様、祥子様」 わたくしは、望月さんの声でリアシートの肘掛けに凭れてぐっすりと眠ってしまっていたことにはじめて気付きました。
「ぁっ、ごめんなさい。眠ってしまってたのね。」
「申し訳ありません。よく眠ってらしたのに起こしてしまって。」
「いいえ。ここはどこ?」
「高坂SAになります。少し休憩なさいませんか。」 言われてみれば、随分な時間を眠っていたようです。朝方、彼が煎れてくれた珈琲が、わたくしを生理的な欲求へと駆り立てていたのです。
「ありがとう。お言葉に甘えて、ちょっと化粧室に行ってまいります。」
「はい。」 すでにシートベルトは外していらしたのでしょう。すっと運転席から立たれると、リアをまわってわたくしの席のドアを開けてくださいます。
「わたくしは、美貴さんじゃないのだからいいのに。」 外は、軽井沢とはまた違った強く冷たい風が吹いていました。ヌートリアのコートを着て車外に降り立ちながら、その風に紛れてしまわないようにわたくしは側に立つ望月さんの耳元にそっと囁いたのです。
「いえ、叱られますから。」 眼を見ることも無く、望月さんは独り言の様に呟くとわたくしが降りたあとのドアを閉めたのです。

わたくしが少し歩いた背後で車のドアがロックされる音が聞こえました。
途中、車が停められていれば気がついたことでしょう。ずっと眠りこんだままだったということは、望月さんはずっと運転をしつづけていらしたのです。
雪道の・凍る・峠道を。
たのもしいゴールデンレトリバーのような彼の佇まい。今日はリアシートから見つめるしかなかった彼の肩が、昨晩からわたくしを抱き続けていたせいだけでなく、気の張る運転でも堅く強ばってしまったのではないかと心配でした。

美貴さん・山崎さん・石塚さん・・・望月さん。
その4人の男性に、目覚めてから眠りに落ちるまでの20時間あまりを交互に責め・嬲られた後、わたくしは鏡張りのキングサイズのベッドの部屋で世話係だと言われて望月さんと二人きりで寝すませてもらったのです。
わたくしの身体は、長時間の度重なる責めで想像以上に消耗しつくしておりました。
そのことをご存知だったせいもあるのでしょう。望月さんはわたくしの身体を彼の腕の中にすっぽりと抱きしめて、ベッドに横たわっても抱きしめる以上のことはなさらなかったのです。
入浴をご一緒することはなくても、濡れたわたくしの髪を結い上げ、銘仙の着物を着せ付けてくださったりはするのです。
二人きりの部屋でそれほどに近くに居ても、彼はとうとうキスすらもせずにこの帰路へ付いたのです。
あの2泊3日は(実際は3泊4日になってしまいましたが)わたくしがいままでに体験したことがないほどに、官能的な時間でした。
だから・・・もしかしたら、望月さんはわたくしに飽いてしまっていたのかもしれません。

まるで20代の男の子の様にわたくしの身体を求めてくださる望月さんが、小鳥のようなキスすらなさらないのですから。
「そろそろまいりましょうか。」 朝食のテーブルを片付け終えた望月さんが、暖炉の前のソファーでお三方と話していたわたくしの背後から声をかけてくださいました。
「多分軽井沢までは凍っていると思う。気を付けていってくれ。」
「はい」 別荘の主の石塚さんは幾度か冬にいらした経験からでしょう、そんなふうに望月さんに声を掛けてらっしゃいました。
「暖かくしていってくださいね。」
「ありがとうございます。」 柔らかな革がふくらはぎをぴったりと覆う黒のロングブーツのファスナーを引き上げたわたくしの肩に、ヌートリアのショートコートを掛けてくださったのは、山崎さんでした。
「よろしく頼む。」
「はい、畏まりました。」 滑らない様にと手をかしてくださった望月さんは、美貴さんの声に頼もしく答えると同時にわたくしの手をほんの少しですが力を入れて握りしめたのです。
安心してください、大丈夫ですから・・・とでも言う様に。

まだ結城さんとレンジローバーは別荘には来ておりませんでした。
最初に車を止めてくださったテラス側ではなくて、玄関の正面に黒のセルシオは暖気を済ませて停まっていたのです。
「寒いから、みなさんはお部屋にいらしてくださいな。」
コートも羽織らずにシャツとセーターといった出で立ちで、3人の男性はお見送りにいらしてくださいました。
「や、大丈夫だよ。今朝は日差しがあるからね。」 ご自身の微笑みが明るい太陽のような石塚さんが一足先にセルシオにたどりつくと、リアドアを開けてくださったのです。
「ありがとうございます。」 革のリアシートに腰を下ろしたわたくしから手を解くと、望月さんは運転席に向かいました。
せっかく暖かくしてくださっている車内でしたが、わたくしはパワーウインドウを下げたのです。
「また、東京でお逢いしましょう。」
「楽しみにしてますよ、いつでもあの店にいらしてください。」
「今度は東京で。」
口々に3人がおっしゃるしばしの別れの言葉と握手に、わたくしは思いがけなく過ごせた年末・年始のお休みのことをあらためて嬉しく思い出していたのです。
まいります。運転席から望月さんの声がいたしました。ルームミラーでわたくしにそろそろ・・・という視線を送ってらっしゃいます。
「それでは、失礼します。」
キッ・・ サイドブレーキを戻すと同時に柔らかく踏み込まれたアクセルを合図に、わたくしは開いた窓からひらひらと手を振って、雪の別荘と3人の男性にお別れをしたのでした。

「ごめんなさい、せっかく車の中を暖めておいてくださったのに。寒くなっちゃったわね。」 パワーウインドウを上げて、わたくしは羽織っていたコートを脱ぎました。寒いというほどではなかったのですが、ニット越しに肌に触れる空気はほんの少し冷たかったのです。
石塚さんがおっしゃったように道は凍結しておりました。セルシオの車重がかかるたびパシっ・・・と軽く氷が割れる音がいたします。
「いいえ、お気になさらないでください。コートが暑い様でしたらそちらにご用意したストールをお使いください。」 望月さんは慎重に・確実に運転をこなしながら、わたくしを気遣ってくれるのです。
「ありがとう。遠慮なく使わせていただきます。運転は大変でしょう。わたくしは大丈夫ですから。」
「恐れ入ります。」 ルームミラー越しの望月さんの眼が柔らかく笑った様でした。
低く掛かっていたフルートを中心としたクラシックのインスツル・メンタルのボリュームをほんの少しだけ上げると、彼は運転に集中しはじめたようでした。



年末に美貴さん・山崎さん・石塚さんの3人に招かれた雪の別荘での滞在は、予定よりも1日延びてしまったのです。それは31日の夜から2日の明け方まで続いた戯れのせいでした。
4人、いいえ5人の男性がかわるがわるに趣向を凝らして求められる行為は、わたくしの身体を想像以上に消耗させていたからです。
2日は午後のお茶の時間まで、わたくしは望月さんの腕の中で微睡んでおりました。夕刻までは暖炉の前で、望月さんのいれてくださった香り高い紅茶を頂戴しながら、みなさんとセクシャルな香りのない、互いを知るための会話を楽しみました。

翌日の朝。ご一緒に朝食をとった皆さんから、わたくし1人だけ望月さんの運転するセルシオで帰途につくことになったと知らされたのです。
「祥子さんと一緒に車の中なんていう密室で寄り添っていたら、我慢できなくなりそうだからね。ははは・・・」 そう言って笑われたのは、石塚さんでした。
「皆さんはどうされるうですか?」 1台の車を1人で占領してしまうことに、わたくしは気が咎めていたのです。
わたくしの表情に気付いてくださったのでしょう。山崎さんが、そっと教えてくださいました。
「結城くんが車を持ってきてくれます。あのレンジローバーで4人ならゆったりと帰れますからね。」 そう、レンジローバーの助手席とリアシートにお二人なら、窮屈な想いをすることなくお帰りになれるでしょう。
往路で・・・カーテンに閉ざされた空間でお二人に責め続けられた時よりもずっと。
「この二人が随分なことをあの車でしたと、望月から聞いています。同じ車で初対面の結城さんと二人きりで帰るのは気詰まりでしょう。」 美貴さんは、別荘についたばかりの時のわたくしをご覧になってなどいないはずなのに、わたくしの気持ちをそのまま代弁してくださったのです。
「本当は、僕は一緒に帰りたかったんです。でもね、この二人に阻止されてしまったんですよ。」
「あら、構いませんのに。」
「ゆうべのあみだくじで負けちゃいましてね。」
ははははは・・・果たしてどこまでが本当で、どこまでが冗談なのでしょうか。
でも、きっと美貴さんだって二人きりでいてずっと紳士でいてくださるとは限りません。だからこその、車の割り振りだったのでしょう。

今朝、目覚めた時。ベッドルームには太番手のシルクで柔らかく編まれた黒のニットワンピースと、裏地に鮮やかなオペラピンクのタフタが使われたヌートリアのショートコートが用意されておりました。
ランジェリーは黒のリバーレースにオペラピンクでスカラップがトリミングされた美しいセット。胸のラインがくっきりと浮かんでしまうワンピースのためのフルカップブラとTバックとスリップ・・・そしてシルクのストッキングとガーター。
たぶん美貴さんか山崎さんのご趣味なのでしょう。上質でシンプルで美しい、わたくしも好きな装いでした。
お部屋に付いている、温泉が引かれたお風呂にゆったりと浸かり身を清めてから身支度をしたのです。ランジェリーはやわらかく起伏に満ちた肌に沿い・・・身動きするたびにキシキシと甘縒りのシルク特有の糸音を響かせるワンピースは、さらっと滑らかな肌触りでわたくしを包んでくれたのです。
ゲストハウスを出て国道へ向かう駐車場に、そのセルシオはひっそりと停まっておりました。
その車と運転手を見た時、今夜石塚さんがわたくしのランジェリーを丁寧に扱ってくださったことや、最後の絶頂をわたくしの中で逝かれなかったことの理由がわかったのです。

「祥子様、お迎えに上がりました。」 そういって、微笑んだのはいつもよりもずっとカジュアルなジャケット姿の望月さんでした。
「ありがとうございます。」
あらっ・・いいわね・・・ 黒塗りのセダンへ向かうわたくしに、周囲の羨望の眼差しと囁き声が投げかけられたのはわかっておりました。その眼差しが高級車にではなく、後部座席のドアを開けた若くて素敵な男性の存在のせいなのも充分に理解しておりました。
こんな風に注目した方達の口から『でも、あの方パーティの間お見かけしなかったわね。』なんていう意地悪な言葉が出る前にと、わたくしはまるで当たり前のことのように、心地良く冷やされた空気が流れ出る革のシートに身を沈めたのです。
バァゥッ・・・ リアドアが閉められて、望月さんは車のフロントを通って右の運転席のドアへとまわられたのです。
「お久しぶりです。お送りいたします。」 シートベルトを閉めると、望月さんはルームミラーごしにわたくしに声をかけてくださいました。
「わたくしの方こそ、ご無沙汰してしまって。お元気でしたか?」
「はい、おかげさまで元気にしておりました。」 望月さんのアクセルワークはいつものとおり滑るように車を発進させてゆきます。ブレーキも的確に、乗っているわたくしが些細なGを感じることさえないように細心の注意を払ってくださるのです。
たとえ、リアシートにわたくし1人だけだったとしても。

「今日は美貴さんはどうなさったの?」
「いまはNYに行っております。」
「そうなの。サマーバケーションシーズンなのに、お忙しいのね。でも、ご一緒に行かれてないなら望月さんも夏休みの最中ではなかったんですか?」
「いえ、1週間ほど前に石塚様からご連絡があってお迎えに上がる様に指示されておりました。」
「ごめんなさいね。せっかくのお休みでしたのに。」
「祥子様は、主がいない車に私の運転で乗るのは、お嫌ですか?」
「ふふふ、何を言うの。」 わたくしは、花火帰りの群衆で渋滞を始めた通りを窓越しに見つめたのです。
「望月さんが迎えにきてくださって嬉しいわ。こうして二人きりでドライブなんて、お正月の時以来ね。」
「憶えていてくださいましたか、祥子様。」
「ええ、忘れる訳はないわ。だからあなたも思い出して。」
「何をでしょう。」 車はストップ&ゴーを繰り返しながら、ゆっくりと進んでゆきます。
こういった状況が、運転手として最も気を使わなくてはならない時だということは、わたくしにもわかっておりました。だから、焦らさないで答えを教えてあげることにしたのです。
「あのとき約束したでしょう。二人きりの時は<様>なんて使わないでって。」
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