祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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こちらのブログは、2005年8月24日にスタートした、<msn淑やかな彩>の継続ブログとなります。
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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10 2006 / 05
わたくしが桜の庭園に着いたのはメールでお約束していたお時間の10分前でした。瀟酒なしだれ桜が見事なそのお庭は、そこに至るまでも幾本もの桜がわたくしを迎えてくれていました。
繰り返し目に入る薄紅色の花に、わたくしははや桜酔いをしたかのようでした。噎せるような桜の香りに取り込まれてもう逃げ場がないような・・・不思議な心地でした。
桜には、実は薫りなどほとんどありません。
ごく一部に駿河台匂や有明のように香りを持つ品種もあるようですが、この庭園には見当たらないようでした。
なのに爛漫と咲き誇るその艶やかな姿はまるで圧倒的な香りを放っているかのような錯覚さえ覚えさせたのです。
わたくしが高梨さんの姿を、庭園を見やることの出来るカフェのオープンテラスに見つけた時には・・・既にわたくしはぼうっと花に酔いはじめていたのです。
「お待たせしましたか?」
「おっ・・・ああ 祥子さん 久しぶり。」 テーブルにはブラックコーヒーを置いて、小説でしょうか、少し厚めの文庫本を膝に読みふけっていらしたようでした。わたくしに気づくと本を閉じて・・・目が優しく微笑まれるのです。
「お変わりないようですね」 最後にお逢いした時と変わらないお髭を蓄えた穏やかな風貌に、ほっといたしました。
「ま、座ってください。」 わたくしが椅子を引くと、サービスの男性が膝掛けを手にオーダーにいらっしゃいました。
「ありがとう。この方と同じものをお願いします。」 日差しは暖かくても、空気の芯にはまだピンと張りつめた冷たいものが漂っておりました。
場の雰囲気を壊さないシックなタータンチェックの膝掛けを広げ、海外でお仕事をしていらした高梨さんと日本の桜の見事さを話すうちにコーヒーがサーブされたのです。
「祥子さんは時間には正確なんだね。ほら。」 高梨さんの腕になんの飾り気も無く巻かれているGショックは<14:02>と数字の羅列を刻んでいました。
「ここに着いたのは2時前だったろう。」
「かもしれませんね。」
お約束が出来ている限り、わたくしはお相手が遅れていらしても時間の都合がつく限りはお待ちすることにしてます。だからといって、待たされるのが好きなわけではないのです。自らが不快に思うことは、他の方にはしない・・・その為に、どれほどアバウトなお約束であっても、約束したお時間にはその場に居る様に心がけていました。
「女性の5分の遅刻は当たり前だとずっと思っていたからね。ちょっとびっくりしたよ。」
「ふふふ 高梨さんは、女性が遅刻しても優しく待って差し上げるのね。」
「ああ そうだな。10分まではご愛嬌だと思っているしね。ヨーロッパのご夫人方もたいがいそんなものさ。」 わたくしがこの庭園に足を踏み入れたころからこちらにいらしたのなら、もう冷たくなりかけているに違いないコーヒーに手を伸ばします。
繰り返し目に入る薄紅色の花に、わたくしははや桜酔いをしたかのようでした。噎せるような桜の香りに取り込まれてもう逃げ場がないような・・・不思議な心地でした。
桜には、実は薫りなどほとんどありません。
ごく一部に駿河台匂や有明のように香りを持つ品種もあるようですが、この庭園には見当たらないようでした。
なのに爛漫と咲き誇るその艶やかな姿はまるで圧倒的な香りを放っているかのような錯覚さえ覚えさせたのです。
わたくしが高梨さんの姿を、庭園を見やることの出来るカフェのオープンテラスに見つけた時には・・・既にわたくしはぼうっと花に酔いはじめていたのです。
「お待たせしましたか?」
「おっ・・・ああ 祥子さん 久しぶり。」 テーブルにはブラックコーヒーを置いて、小説でしょうか、少し厚めの文庫本を膝に読みふけっていらしたようでした。わたくしに気づくと本を閉じて・・・目が優しく微笑まれるのです。
「お変わりないようですね」 最後にお逢いした時と変わらないお髭を蓄えた穏やかな風貌に、ほっといたしました。
「ま、座ってください。」 わたくしが椅子を引くと、サービスの男性が膝掛けを手にオーダーにいらっしゃいました。
「ありがとう。この方と同じものをお願いします。」 日差しは暖かくても、空気の芯にはまだピンと張りつめた冷たいものが漂っておりました。
場の雰囲気を壊さないシックなタータンチェックの膝掛けを広げ、海外でお仕事をしていらした高梨さんと日本の桜の見事さを話すうちにコーヒーがサーブされたのです。
「祥子さんは時間には正確なんだね。ほら。」 高梨さんの腕になんの飾り気も無く巻かれているGショックは<14:02>と数字の羅列を刻んでいました。
「ここに着いたのは2時前だったろう。」
「かもしれませんね。」
お約束が出来ている限り、わたくしはお相手が遅れていらしても時間の都合がつく限りはお待ちすることにしてます。だからといって、待たされるのが好きなわけではないのです。自らが不快に思うことは、他の方にはしない・・・その為に、どれほどアバウトなお約束であっても、約束したお時間にはその場に居る様に心がけていました。
「女性の5分の遅刻は当たり前だとずっと思っていたからね。ちょっとびっくりしたよ。」
「ふふふ 高梨さんは、女性が遅刻しても優しく待って差し上げるのね。」
「ああ そうだな。10分まではご愛嬌だと思っているしね。ヨーロッパのご夫人方もたいがいそんなものさ。」 わたくしがこの庭園に足を踏み入れたころからこちらにいらしたのなら、もう冷たくなりかけているに違いないコーヒーに手を伸ばします。
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