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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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12 2006 / 05
「ああ お仕置きだよ。まずはこれからだ。」 高梨さんが差し出されたのは、綺麗な桜色の・・・大型犬用の首輪でした。
「これからあなたのお部屋へ?」 ここは春の日差しが降り注ぐ桜の庭園を望むカフェのテラス席です。それぞれのテーブルが離れているとはいえ・・・まさかここで<お仕置き>をはじめるとは思えませんでした。
「いや、今日は祥子さんと桜を見る約束だからね。部屋には行かない。さ、ここで着けなさい。」
「・・・だめ」 周囲に人がいないとはいえ、眼前の庭園からこのテーブルはすぐに見つけられるのです。
「自分ではできないのか?」 犬の首輪・・・そのものの意味する内容を知っている人なら・・・一目でわたくしのプライベートな秘密を知られてしまうアクセサリー。
「パリのフォーブル・サントノーレで見つけた。あまりに優しく儚い薄紅があの時の祥子さんのうなじを思い出させてね、思わず買ってしまった。」 わたくしが逆らえなくなる深くて甘い声が・・・まるで桜の香りのようにわたくしを酔わせるのです。
「着けなさい。」
「・・・ぃやぁ」 二人きりの夜の帳の下なら素直に従っていたかもしれません。でも、今は・・・ここは・・・。
「祥子」
ふるふるとわたくしは弱々しく首を横に振り続けたのです。

「仕方ないね。僕が着けてあげよう。そのかわり、もう一つお仕置きが加わるからね。」 そうおっしゃると小振りなバックルからベルトを外した桜色の首輪を・・猿臂を伸ばしわたくしの首に巻き付けたのです。
「ぁぁ・・ゆるして・・・」
「だめだよ。僕に連絡をしてこなかった罰だ。今日は僕のパリ土産を身に付けてこの午後を一緒に過ごすんだ。」 
美しい桜色に染められた細身の革は、上品な色合いのゴールドのバックルとリードを繋ぐ金具のところに小さな鈴が一つだけ着いておりました。いやいやと・・・首を振るわたくしの動きにつれて鈴はり・りん・・とあえかな音を奏でるのです。
 
「ふふ 似合うね。思った通りだ。祥子の白い肌にはぴったり合う。」 先ほど本を読まれていた時のようにシートにもたれかかり、眼を細めてわたくしをご覧になるのです。
「・・・はずかしいわ」 襟がV字に開いた黒のシルクニットは、スプリングコートにすっぽりと隠れて・・・黒のロングヘアを背景に首もとの白い肌と桜色とゴールドが優しい妖しさを奏でているのでしょう。
ほっそりと作られた上質な首輪は軽く・・・そして肌への感触も柔らかく・・・ちょっとアバンギャルドなアクセサリーのようにも見えました。
「これもあるんだけどね」 じゃ・・ら・・ 高梨さんがエディバウワーのジャケットのポケットからつかみ出したのは、桜色の革の引き手のついたゴールドの鎖のリードでした。
「だめ・・・」 まさかリードを着けて鎖を引いて歩こうなんておっしゃるつもりは・・・
「わかっているよ。これは、後のお楽しみさ」 リードを見て少し青ざめたわたくしの表情がわかったのでしょう。でも、こんなリードはペット用としてトレンドではないのです。とすれば、もしかして・・・。
「痛いのか?」 首輪の縁に指を這わせていたわたくしに、高梨さんが少し心配そうに声を掛けてくださいました。
「いいえ そんなことは。あまりに滑らかなのでつい・・・」 辱める為のアクセサリーにうっとりと触れ続けているわたくしを見とがめられた様に思えて、思わず眼を伏せてしまいました。
「これは人間用だから痛くはないと聞いたんだがな」
「人間用?」
「ああ フォーブル・サントノーレにひっそりとあるその手の専門店で見つけたものだ。」 わたくしはてっきり、あの通りにあるペットショップで通りすがりに見つけられたものなのだとばかり思っていたのです。パリにあるボンデージのそれもひっそりと上顧客だけを待つ専門店・・・高梨さんはわざわざそこを訪れて・・わたくしのためにこれを求めてくださったのです
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11 2006 / 05
「約束は違えませんわ。」
「その言葉、この前も聞いたよ。祥子さんが約束を守る女性だっていうのは今日良くわかったよ。よく考えたら、待ち合わせをするのは初めてだったね。」
そう言われればそうでした。一度目も、二度目も・・・ほとんど偶然同じ場所に居合わせただけの関係だったのですから。

「日本に戻られてもう随分になるのですか?」
「帰国したっていう言葉の意味ならそうだね。」
「ん?」
「戻って間もなく東京コレクションがあったから、自分の時間が持てる様になってからというなら、まだ3日も経ってないよ。」
3日前、わたくしに久方ぶりのメールをいただいた日です。
「そうだったんですか。」
「相変わらず祥子さんは僕に連絡してくれないからね。」 少し拗ねたようなおっしゃり様です。
「そんなこと、お忙しいと思っていたからですわ。それに、いつこちらに戻られるかもわかりませんし。ご迷惑になってはいけないと思ったものですから。」
「言い訳だね。 僕と話したいと思わなかった?」
「・・・時折は」 年が改まってから・・・高梨さんのことは思い出しておりました。
 
わたくしが、4人の男性から年越しに受けた仕打ちは、もとに戻ろうとする経過でさえもわたくしのことを酷く苛みました。
このような事・・・とても口に出来ることではありません。秘して独りで耐えるしかなかったからです。
わたくしが存じ上げている男性の方達の中でも、高梨さんならその仕打ちさえも、単なる事実としてなんということなく受け止めて下さる予感がしたのです。堪え難いとさえ思われる責めが24時間つづく日々に、救いの手を幾度となく求めそうになってしまいました。
でも同時に、たとえメールでも電話でも・・・どんなに秘密にしておきたいと思っても、きっとこの方ならほんの少しの声音の変化から、翳りを失ったはしたない身体のことを気づかれてしまいそうだったからです。
 
「素っ気ない言い方だね。」
「ふふふ そんな風におっしゃっても、決してわたくしの側に居て下さることなんてできないのに。」
「そういう問題じゃないさ。10年前とは時代が違うんだ。たとえ地球の反対側にいてもなんということなくメールのやり取りは出来るんだ。僕を求めているならそのくらいしてもバチは当たらないだろう。」
偶然に出逢った第九のコンサートホールから3日間。高梨さんの部屋で過ごす間、幾度となく言われ続けていたのです。『どんな些細なことでも良いからメールをしておいで。電話でもいい。旅の空の1人のベッドで楽しみにしているからね。』
「ごめんなさい。ご連絡をしないで。でも、いつものように過ごしてこられたのでしょう。NYでもミラノでも、パリでもロンドンでも。」 その土地々々に馴染みの女性が居ると、あの日寝物語に聴かせてくださっていたのです。
「いや。今回は真面目に過ごしていたんだ。」
「・・・うそ」
「嘘なんか吐かないさ。祥子さんの面影を浮かべながら他の女を抱くのがどんなに虚しいかは、前回のコレクションで身にしみてるからね。 たまに女と過ごしたのは、まぁ別れ話をした時だけだね。」
もう何年もお独りのままでコレクションカメラマンとして世界を旅しているこの方が・・・いったい何人の女性と別れ話をなさっていらしたのでしょう。
「もう、ご冗談ばかり。」 もしおっしゃっていることが本当なら・・・わたくしは一瞬でもそう考えた子供のようにしょった自分を笑う様に、そうお答えしたのです。
 
「冗談じゃないんだよ。祥子さん。」 ゆったりともたれかかる様に腰掛けていた姿勢をすっと・・・戻されます。
「僕に淋しい想いをさせたお仕置きをしなくちゃね。」
「えっ・・・お仕置き?」 高梨さんのひと言が・・・麗らかな桜の午後の彩りを一転させたのです。
10 2006 / 05
わたくしが桜の庭園に着いたのはメールでお約束していたお時間の10分前でした。瀟酒なしだれ桜が見事なそのお庭は、そこに至るまでも幾本もの桜がわたくしを迎えてくれていました。
繰り返し目に入る薄紅色の花に、わたくしははや桜酔いをしたかのようでした。噎せるような桜の香りに取り込まれてもう逃げ場がないような・・・不思議な心地でした。
桜には、実は薫りなどほとんどありません。
ごく一部に駿河台匂や有明のように香りを持つ品種もあるようですが、この庭園には見当たらないようでした。
なのに爛漫と咲き誇るその艶やかな姿はまるで圧倒的な香りを放っているかのような錯覚さえ覚えさせたのです。
わたくしが高梨さんの姿を、庭園を見やることの出来るカフェのオープンテラスに見つけた時には・・・既にわたくしはぼうっと花に酔いはじめていたのです。
 
「お待たせしましたか?」
「おっ・・・ああ 祥子さん 久しぶり。」 テーブルにはブラックコーヒーを置いて、小説でしょうか、少し厚めの文庫本を膝に読みふけっていらしたようでした。わたくしに気づくと本を閉じて・・・目が優しく微笑まれるのです。
「お変わりないようですね」 最後にお逢いした時と変わらないお髭を蓄えた穏やかな風貌に、ほっといたしました。
「ま、座ってください。」 わたくしが椅子を引くと、サービスの男性が膝掛けを手にオーダーにいらっしゃいました。
「ありがとう。この方と同じものをお願いします。」 日差しは暖かくても、空気の芯にはまだピンと張りつめた冷たいものが漂っておりました。
場の雰囲気を壊さないシックなタータンチェックの膝掛けを広げ、海外でお仕事をしていらした高梨さんと日本の桜の見事さを話すうちにコーヒーがサーブされたのです。
 
「祥子さんは時間には正確なんだね。ほら。」 高梨さんの腕になんの飾り気も無く巻かれているGショックは<14:02>と数字の羅列を刻んでいました。
「ここに着いたのは2時前だったろう。」
「かもしれませんね。」 
お約束が出来ている限り、わたくしはお相手が遅れていらしても時間の都合がつく限りはお待ちすることにしてます。だからといって、待たされるのが好きなわけではないのです。自らが不快に思うことは、他の方にはしない・・・その為に、どれほどアバウトなお約束であっても、約束したお時間にはその場に居る様に心がけていました。
「女性の5分の遅刻は当たり前だとずっと思っていたからね。ちょっとびっくりしたよ。」
「ふふふ 高梨さんは、女性が遅刻しても優しく待って差し上げるのね。」
「ああ そうだな。10分まではご愛嬌だと思っているしね。ヨーロッパのご夫人方もたいがいそんなものさ。」 わたくしがこの庭園に足を踏み入れたころからこちらにいらしたのなら、もう冷たくなりかけているに違いないコーヒーに手を伸ばします。
09 2006 / 05
涼やかな日がつづいた3月。なのに数日の暖かな日が例年よりも早く桜を開花させたようでした。
儚く切ない初恋の想い出に重なるからなのでしょうか・・・わたくしは桜の季節にはほんの少し切ない想いにとらわれて、ほんの少し気持ちが不安定になってしまうようです。
染井吉野から八重桜・しだれ桜が終わるまでの約一月の間は、そう・・・夢とうつつを行き来しているような季節なのです。
桜の蕾が綻びはじめたその日、思わぬ方からのメールが届きました。
フォトグラファーの高梨さんでした。
年末に第九を聴きに行ったコンサートホールで再会し、その後の数日を彼の部屋でご一緒に過ごして以来です。
年が明けたらNYだと、あの時もお別れのシャンパンを空けながらそうおっしゃっていました。その後は、ミラノ・パリそして東京。
「SSコレクションならともかくAWの時は寒くて敵わないよ」 防寒機能の高いアウトドアウェアをご愛用なさっている方なのに、とわたくしが申しますと・・・寒いものは寒いのさ、そんな風に笑ってらっしゃいました。
ファッションカメラマンとしてのお仕事を終えて、漸くお戻りになったのでしょう。
はじめてお逢いした美術館での展示にもしばらく伺っておりませんでした。
お時間が空いたら、そのあと立ち寄ってもいいわね・・・そんな風に思って、わたくしは土曜の午後にお約束をしたのです。
 
その日はほんのりと日差しがあたたかく、薄紅の花びらがくっきりと青い空に浮かぶ麗らかな春の午後になりました。
前日までに珍しくお仕事が一段落したこともあって、待ち合わせの場所に自宅から少しカジュアルなスタイルで向かったのです。
襟元がVに開いたシルクニットのセーターにブラックデニムの膝下丈のフレアスカート。桜色のスプリングコートを羽織り、足元はミドルヒールのバックストラップパンプスを、バッグは桜をジャガードで織り出した素材を使ったトートを組み合わせたのです。
インナーは桜色のオーガンジーが幾重にも重ねられたハーフカップブラと揃いのスリップとパンティ。同じ素材のガーターベルトにナチュラルストッキングを選びました。
高梨さんの何気ないお誘いからはセクシュアルなニュアンスがあまりに感じられなかったのです。年末の数日間・・・濃厚な二人の時間を過ごしたせいでしょうか。とても仲の良い親友をお茶に誘うような気軽さが漂っていたのです。
ですから、わたくしもふんわりと桜を楽しむ為だけの気軽な装いを・・・つい、選んでしまったのです。
09 2006 / 05
高梨様 おかえりなさいませ。
長い間お疲れさまでした。
久しぶりの日本で、桜に迎えられて
ほっとなさっているのではありませんか?
わたくしがお邪魔してもよろしいのでしょうか。
土曜日の午後2時ごろ。
雨が降っていなければ高梨様のお近くの
桜の庭園に伺うことにいたしますわ。  祥子
 
 
 
わかった。
あなたが来るまで桜でも見て
のんびりと待っているよ。
P.S.まだ外は寒いから、私が風邪を引く前に出来れば来てくれ。
                         高梨
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