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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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17 2006 / 05
「これが・・・わたくし?」
「ああ 此花咲耶姫もかくや・・だな」 
「もう 恥ずかしいわ。こんなに年齢の行った女神もありませんでしょう?」
「ははは でもそうでもないんだよ。日本の八百万の神々はね、年齢なんてものは超越した存在だからね。年ふりて益々妖艶な神が舞い降りたかのようだよ。」
「それじゃわたくしは妖怪みたいね」
わははは、そうだな・・・豪快に笑う高梨さんはとても楽しそうです。
「こうしてカメラに閉じ込めておかないと、祥子は薄情でメールも寄越さないからな。休日にまで写真に振り回されるのはこりごりだが、いいだろう。こんな写真くらい僕の手元に残してくれても。」
こんな話の間に緩い上り坂の桜並木にたどりついたのです。

坂の一番下に立ち、行く先を見上げるわたくしの視線からは・・・満開の桜は青い空を薄桃色に染めているようでした。
「ここがこんなに綺麗な季節に来たのは初めてだわ。いつもは青葉のころばかりだから。」 都心の並木道です。上野のように花の下に屯しての花見をする人たちはおりません。ゆっくりとそぞろ歩くか・・・通り沿いのカフェの窓からゆっくりと外の景色を楽しんでいらっしゃる方達がほとんどでした。
「そうか 誘って正解だったかな」
「ええ ありがとうございます。うれしいわ」
「それじゃ、コートの前の釦を全て外してごらん」
「えっ・・・ここでですか?」 坂の入り口の大きな桜の樹の下の建物と樹のわずかな死角に桜を背にわたくしは立っていました。
「この坂を登ったところが僕の部屋だ。そこまででいい。コートは羽織ったままでいいから、釦を全て外しておいで。」
コートの下は・・・スリップとガーターベルトとパンティだけなのです。
釦を止めたコートの裾から覗くスリップだけならなんとでも言い訳は出来たでしょう。でも・・・上まで全て開けてしまえば・・・Gカップの胸元は鴇色の乳首をはっきりと透かせて・・たゆ・ゆ・・と一足ごとに揺れてしまうのです。
「おねがい。そんなはしたないこと出来ないわ。」
「ん・・くぅ・・」 首を振るわたくしの頤を捕まえると高梨さんは乱暴に唇を重ねたのです。満開の桜の下・・・ごつごつとした桜の樹皮に背を押され・・・荒々しく奪われる久しぶりの唇は春の日差しの下での背徳感をわたくしに与えたのです。
「美味しいよ 祥子。」
「ゃぁ・・こんなところで」
「そうだな。ちょっと気が変わった。祥子に選ばせてあげよう。」 高梨さんの指はわたくしの右の耳朶へと動いてゆきます。
「ここからコートの釦を全て外して僕と離れてレジデンス棟まで上がってゆくか、それとも桜の樹3本に一度今みたいにキスをしてくれるか、どちらがいい?」
品なく飲酒をする人たちがいるわけではありません。でも、だからといって人目がないというわけではないのです。大人の、それもきっと目立つであろう男女が並木を3本数えるごとにディープキスを・・・まるでセックスそのもののようなキスを交わすなんて。
「もちろん、キス1回ごとに1つずつ釦を外させてもらうよ。レジデンスに着いたら16階の僕の部屋までエレベーターの中はコートを取り上げる。」 彼の小指がわたくしの耳穴を意味ありげにまぁるく撫でるのです。
「コートの釦を全て外してゆくなら、レジデンス棟の中でコートを取り上げるのは勘弁してあげよう。さぁ、どちらを選ぶ?」
わたくしは、本当に困ってしまったのです。どちらも・・・どちらもわたくしを羞恥にまみれさせるためだけの行為だったからです。
「ん? 祥子、どっちがいいんだい?」 耳に掛かるロングヘアを掻き上げると耳朶に唇を這わせるのです。
「ん・・やぁ・・・」 カメラをポケットにしまい込んだ右手は、薄いスプリングコートの上からわたくしの乳房の先端を探り当て・・・くりくりと・・・嬲りはじめるのです
「ぁん・・だめ・・・」
「早く決めるんだ、祥子」
「・・・んん・・キス」 どちらかと言われて・・わたくしはキスを選ぶよりありませんでした。あきらかにランジェリーにしか見えないインナーを晒しながらはるか先にあるレジデント棟まで多くの方の視線に耐えて歩くなんて、とても出来なかったからです。
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16 2006 / 05
羞恥を掻き立てるショップでの時間を過ごしても、春の日は、まだふんわりと麗らかでした。
ショップの2つ向こうの通りへと、高梨さんはゆっくりと歩いて行かれます。
「全身桜色の祥子さんは、この景色にびったりですよ」 通りの先に覗く桜並木を背景にわたくしを見やり、高梨さんの眼は一瞬だけフォトグラファーとしての輝きを帯びたのです。
「いやだわ・・・からかったりしちゃ」 照れた笑みを浮かべたわたくしの頬も桜色に染まってしまいそうです。
毎日、ここを通られているはずなのに、高梨さんはまるでこの風景を記憶に留めるとでも言う様にわたくしを先に歩かせ・・・少し後をゆっくりと付いていらしたのです。
わたくしは時折気まぐれに吹く花散らしの風が気になっておりました。太ももの合わせ目のあたりまでしか釦のないスプリングコートの裾がひらひらと・・・舞うからです。
薄く透けるオーガンジーを重ねた桜色のスリップは裾のレースもガーターストッキングの留め具のある太ももも、そうと知ってご覧になる方にはわかってしまうほどの儚さでした。
桜のジャガードのハンドバックを両手で持ち、太ももの上に自然とコートを押さえる様にして歩いてゆきました。
 
「祥子」 右後から高梨さんの声が聞こえました。
「はい?」 ゆっくりと振り向いたわたくしに向かって気まぐれな春の風が吹き付けたのです。
「あぁっ・・・」 バッグを片手に持ち替えたその瞬間に・・・コートの左裾が大きく風に煽られたのです。それだけでなく・・・重みのないスリップの裾までもが・・・ストッキングの上端近くまで・・・
「きゃぁぁっ・・」 慌ててバッグを持っていない左手でコートの裾を押さえます。自然に流していた黒のロングヘアまでが風に煽られて舞うのです。
 
高梨さんの手には、NikonのCoolpixS1がありました。
「ははは いい写真が撮れたよ」 落ち着いたコートの裾をバッグで押さえ、空いている左手で髪を押さえるわたくしに、高梨さんはゆっくりと近づいていらっしゃいました。
「もう、カメラなんてお持ちだったんですか?」
「ああ これね。まぁ玩具みたいなものだけどね。」 高梨さんの手の中に隠れてしまうほどにコンパクトなデジタルカメラ。なのにニッコールレンズを搭載した高性能機種です。
風音でシャッター音に気づかなくてよかったのです。
なぜなら・・・きっと怪訝さを露にした表情を浮かべてしまったでしょうから。
お正月のあの3日間でわたくしの淫らな姿をデジタルカメラに納められていたからです。あの時の羞恥とショック・・・いまはあの4人の男性が手元で時折はご覧になっているかと思うだけで、新たな恥ずかしさを感じずにはいられない・・・想い出だからです。
「今日はお写真を撮りたかったんですか?」
「いや そうじゃないよ。ただあんまり綺麗だったからね。ごらん」 高梨さんは手の中のカメラの液晶ファインダーに先ほどの写真を開くのです。
風に舞う桜の花びらの中に・・・無邪気な表情で振り向くわたくしの笑顔と・・・大きく軽やかに翻るコートの裾と・・レースが・・・まるで花びらを集めた様にわたくしを彩っておりました。
15 2006 / 05
わたくしは試着をしていたナイトウェアを脱ぎ、店頭に展示されていた時のようにハンガーに戻します。
ガーメント・トレイに先ほどのバッグと並べて置かれたスリップを身に纏いました。
ぴったりとフィットするオーガンジーのスリップの胸元の・・・柔らかな乳房を出来るだけランジェリーを着けているのと同じ様に整えます。
裾と胸元にはアクセントに桜をイメージしたリバーレースがあしらわれていました。きちんとコートを着込めばその下がスリップだけとは気づかれないでしょう。今年流行の透ける素材を重ねたスカートを身に付けていると思わせる事もできるはずです。
ブースの外からカウンターの女性にわたくしの衣服を一緒に包んでくれ と、言う高梨さんの声が微かに聞こえます。
慇懃な返答も・・・
わたくしはシングル打ち合わせのスプリングコートを釦を全て止めて着込み、バッグの中に入れて来たエルメスの芍薬柄のスカーフでウエストをマークしたのです。
 
「ありがとう」「お預かり致します」
バックストラップパンプスを履くわたくしから商品を受け取ってくださるスタッフの女性に・・・まるで何事もないかのように声をかけます。
でも、心の中は知られてはならないいまの姿に・・・淫媚な緊張を強いられていたのです。
もう、お会計も済まされたのでしょう。高梨さんは店内に置かれた応接セットでゆったりとVogueをご覧になっていました。
「あなたのお写真が載っているの?」
「いや、この号は少しだけだな。」 流石に専門店です。取り寄せられた仏語のVogueはほとんどがランジェリーの特集だったのです。
「こんなコレクションもあるのね。」 オートクチュールのメゾンにも劣らない美しいモデルが着こなすランジェリーのショー。わたくしは座面の低い深々としたソファーに腰を下ろす事無く、高梨さんの隣に立ち雑誌を覗き込んだのです。
「ああ 僕は専門外だけどね。」 おもむろに視線を上げた彼は、左手をわたくしの腰にまわすと・・・ランジェリーとスプリングコートだけに包まれたヒップをむぐぅと掴んだのです。高梨さんの指示通りの姿になったわたくしに、満足そうな微笑みを向けました。
「・・ぁん」 だめです・・・唇を噛み締め眼でどんなに訴えても、緊張感で敏感さが増した肌を刺激されてわたくしの身体は思わず反応を返してしまっていたのです。
「珍しいな、祥子さんがTバックじゃないなんて」 そのまま手を腰の丸みに沿わせて撫で上げるのです。
「もう・・おいたはだめです」 仲の良い大人の恋人同士のような戯れ合いに聞こえるように、敢えて羞恥よりも淫媚な雰囲気を言葉に乗せて反論をしてみせたのです。
 
「お待たせいたしました」 ソファーまで、少し大きめのショッピングバッグを両手に捧げて来たスタッフの声がいたしました。
「ああ ありがとう。」 スプリングコートの腰から手を離し、高梨さんが立ち上がりました。
「ありがとう」 わたくしはスタッフの手からショッピングバッグを受け取りました。そして・・・高梨さんに微笑みかけます。
「嬉しいわ、こんなに素敵なナイトウェア。ありがとうございます」
「3ヶ月淋しい想いをさせたお詫びだよ。気に入ってくれてよかった。」 久しぶりに再会した恋人同士・・・そう思わせる言葉をわざとスタッフに聞かせる様に口にしながら・・・ショップの出口までわたくしをエスコートするのです。
「ありがとうございました。どうぞ、またお揃いでお越し下さいませ。」
ほんのかすかな好奇心さえも感じさせる事無く、にこやかに会釈をするスタッフに見送られ・・・わたくしたちはショップをあとにしたのです。
 
「これは僕が持つよ。」 高梨さんはわたくしの手からショッピングバックを取り上げたのです。彼が持つと大きめと思われた紙袋も・・・ごく普通のお買い物のように見えるのです。
長めのハンドルをわたくしの側でない方の肩に掛け、空いた腕を・・・当然のように腕を組む形に差し出します。
すこしだけためらい・・・そして、心を決めた様に彼の腕にわたくしの手を預けました。
14 2006 / 05
「失礼いたします。 あら、お客様にぴったりですね。とてもお似合いです。」 スタッフが試着室のドアを開けるとわたくしを見て、予想通り・・・と言った風な声を上げます。
「身長もおありですから、この丈を充分に着こなしていただけますわ」 165cmの身長は、フルレングスのナイトウェアを辛うじて着こなすことが許されていたのです。日本人の女性の平均身長でこれを身に着けると裾をひきずってしまい、諦める方も多いのですよと・・・付け加えます。
しなやかに身体を包むナイトウェアのラインに、この手のものとしては華奢だとはいえ・・・革の首輪の存在の異質さが際立っていました。スタッフの女性は気づいていないはずはないのに・・・こういった高級店ならではのお行儀の良さで見ないふりをなさっているのでしょう。
「どれ」 スタッフに声を掛けて高梨さんが試着室を覗き込みます。
ドア一枚の空間から、スタッフは一歩下がりました。
「おお 本当に似合うな。悩ましいラインで悩殺されそうだよ。」
「いやだわ。はずかしい・・・。」 フォトグラファーの高梨さんの眼にわたくしの姿はどう映っているのでしょうか。
「これをもらうよ。」 スタッフが控える後を振り向いて高梨さんはそう告げます。
ありがとうございます・・・スタッフの明るい声と他のお客様に声を掛けられて試着室から離れてゆく靴音が聞こえたのです。
 
「祥子」 試着室のドアを大柄な身体で塞ぐ様に立つと、高梨さんはわたくしを<しょうこ>と呼んだのです。
「・・・はい」 鏡越しに視線を交わしていた彼に向き直ります。
「着て来た服を僕に渡すんだ。」
「えっ・・・」
「コートとスリップは着ていいよ。後のものは商品と一緒に包んでもらうから」
「だめ・・そんなこと」 ここは試着室です。すぐ外には、お店のスタッフと他のお客様がいらっしゃるのです。声を顰めるしかありません。
「祥子 さっき僕にそれを着けさせたお仕置きだよ。これ以上抗うならパンティもスリップも取り上げる。その方がいいのか?」
「だめ・・」
「黒の服だからどうかなと思ったが、祥子のことだからきっと今日は桜色のランジェリーを着けていると思った。予想通りだよ。さぁ、渡してさっさと着替えなさい。」 ショップの中に2つしかない試着室をいつまでも占領しているわけにはいきません。わたくしは諦めて、シルクニットとブラックデニムのスカートを高梨さんの手に渡しました。
「それも寄越しなさい。」 彼の視線は桜色のハーフカップブラに注がれています。
「おねがいです。勝手に着けたりしないから・・・これを包んでもらうのだけは許して。」 ここはランジェリーショップなのです。商品としてこちらのものに劣るものではなくても、ランジェリーの一つであるブラを一緒にとは言えません。
ましてあの女性スタッフは・・ニットとスカートを一緒に包んでくれと渡された時点で・・・高梨さんとわたくしがしていることに気づいてしまうでしょう。桜色の首輪を無視したのと同じ慇懃さでわたくしに起きていることを無視して二人を送り出す彼女に、このGカップの乳房までもがあらわにされているとは知られたくなかったのです。

「こうして、仕舞っておきます。それに触れればわかってしまうことですから・・・。ね、おねがい。」 わたくしはブラを取り上げるとカップを重ねる様にしてたたみ、桜の花のジャガードのバッグに潜ませたのです。
「ふふ しかたないな。次に逆らったら、人前でそのバッグからブラを取り出してみせるからね。見た人は祥子が自分からはしたない露出をしてみせている厭らしい女だと思うだろうからね。」 あぁ こんなことまで責めの道具にされてしまうのね。
「はやく着替えなさい。待っているよ。」 そう言って内側がガラス張りになったドアを閉めると高梨さんは店内に戻っていかれました。
13 2006 / 05
「この前の時、あの首輪の痕があまりに可愛そうだったからね。」 この方と数日を過ごす間、わたくしの首には赤い大型犬の首輪が着けられておりました。大型犬用として用意されたその首輪は、お別れする時には・・・わたくしの白い喉にくっきりと赤い痕を2本刻んでいたのです。
「祥子用に探して来たんだよ。」
「・・・ありがとう・・ござい・ま・す」 わたくしは恥辱を与える道具に対する行為なのに・・・思わず御礼の言葉を口にしてしまいました。
パリ。ずっとご連絡もしないまま3月の初旬ごろにいらした場所のはずなのに、まだわたくしを思っていて下さったことが嬉しかったのです。
「随分と素直だな。」 高梨さんは目の前のカップの冷たいコーヒーを飲み干しました。
「本当だったんですね。」 わたくしからの連絡を待っていた事・・・そして少なくともわたくしのことを考えていて下さった事は。
「嘘なんか吐かないさ。」 ほんの短い言葉なのに・・・深く響く高梨さんの声。
彼を見つめてこくん・・と一つ頷くわたくしに、首輪の鈴がり・・りん・・と音色を添えるのです。
 
「さ ここの桜は飽きたから、桜並木でも散歩しようか。」
「はい」 日が翳りはじめたテラス席はほんの少し寒くなってきていたのです。
「コートの下に何を着てきたんだ? 見せてごらん」
「これですわ」 わたくしはコーヒーの最後の一口をいただくと、膝掛けを畳み・・・コートの釦を外して、黒でまとめたニットとデニムスカートの装いをお見せしたのです。
「そうか。じゃぁ、散歩の前に一軒買い物に付き合ってくれ。」 伝票を掴むと先に立って、ショップの並ぶ建物の中へと歩いて行かれたのです。
 
春物のあでやかな色の商品が並ぶショーウィンドウを眺めながら、彼がわたくしを連れていったのはインポートランジェリーの専門店でした。
「こちら?」 この方がランジェリーを・・・
「あぁ 買うのはランジェリーじゃないけどね」
いらっしゃいませ・・声を掛けてくださるスタッフを制して、高梨さんが向かわれたのはナイトウェアのコーナーでした。
 
まるでドレスと間違えそうな・・・美しいオーガンジーやレースやトリコットのフルレングスのナイトウェア。
「いつ見ても、こちらの商品はきれいね」
「祥子さんは普段はこんな感じだろう」 高梨さんが手にされたのはシルクトリコットのシンプルなノースリーブのナイトウェアでした。
「ふふふ 良くお判りね」
「この肌は夜な夜なシルクと男の手で磨かれてるんだな ははは」
「もう いやな人」 わたくしが、艶話に近い会話に照れ笑いを返すころ、彼の手がハンガーに吊るされているものから一つの商品を選び出しました。
「これでサイズは大丈夫かな?」 ストレッチサテンにストレッチレースがふんだんに使われたフルレングスの桜色のネグリジェとガウンのセットでした。まるで花嫁が初夜に身に纏うような・・・ナイトウェアでした。
「ええ 多分」 付いているタグはいつもわたくしが選ぶサイズだったのです。
「試着させてもらおう。」 お願いします と高梨さんはショップのスタッフに声を掛けました。
「試着しなくても・・・大丈夫よ」 わたくしは小声で高梨さんに伝えました。
「いや、似合うかどうか確認したいね。着てみてくれ。」 
「お客様 こちらのブースをご利用ください」 案内された試着室はスペースをゆったり取った場所でした。 有無を言わせぬ高梨さんの視線に押されて、わたくしはバックストラップのパンプスを脱ぐと、試着室に入ったのです。
「お着替えが済まれましたら、お声がけくださいませ。」 慇懃に頭を下げたスタッフと共に高梨さんも試着室から出てゆきました。
 
わたくしは、ガーターストッキングとパンティだけの姿になり・・・ネグリジェを身に付けました。優しい色合いなのに・・・胸から腰までのラインだけをくっきりと浮かび上がらせる・・・インポートならではのセクシーな造りです。
そして、ふんわりと優しいセットのガウンをまとうと・・・ブースの外に向かって声を掛けたのです。
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