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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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「あん・・・ね・・おねがいよ」 両手が自由になれば・・・彼の目からはずかしい場所を覆い隠すことができる、それだけでいいから・・・わたくしはそんな風に口にしてしまいそうになりました。
「あぁ まっしろい肌だ。それが黒のブラからこんなに溢れて。たまらない。」 ちゅぅぅぅ・・・ トモくんはまろびでた左の乳首を・・・乳輪ごと口にするとはしたない音をたてて・・吸い立てたのです。
「はぁっ・・あぁぁん・・・」 はじめて彼に抱かれた時は、ただ・・・貪るようにわたくしの乳房を口にしていただけでした。でも、いまは・・・淫楽の蕾がわたくしに与える妖しい響きを知り尽くしているかのように・・・トモくんの唇も舌も動き続けるのです。
「こっちはどうかな」 ちゅぷぅぅぅ・・・ いつのまにか引き下ろした右のブラに覆われていた淫らな大きさの先端には・・・彼の前歯と舌が同時にまとわりつくのです。
「やぁぁ・・・ぅっ・・ぁ・ぁぁん・・」 左の乳首はトモくんの指が・・・ねっとりと載せた唾液のぬめりを塗り込めようとするかのように・・・扱き立てるのです。
「いい声を上げるね、祥子さん。夢にまで出て来そうだよ。」 
「いやぁぁ・・・そんなこといわないで」 右は甘噛みの痕がひりついているのに・・・トモくんの大きな手が掴みきれない白い乳房を指の間から溢れるほどに強く握りこんだのです。
「生理の時も女の人のあそこって濡れるんですか?祥子さん」 わたくしの身体が・・・感じやすいバストへの愛撫で・・・しとどに濡れそぼることを彼は知り過ぎるほどに知っていました。
「いじわる・・・しらない・・わぁ・・んぁぁ」 かぷぅ・・・ふたたび伏せられた彼の唇に啄まれた左の乳首は・・・わたくしの腰をはしたなくひくつかせたのです。
 
「はじまって2日目でしょ。もっと生臭い血の匂いがするんじゃないの?祥子さん」 トモくんの手がわたくしの太ももの合わせ目に触れようと降りてきました。
「やぁっ・・・」 ショーツとタイツの上から触れようとする手から、バランスを崩しながらも逃れたのです。でも、却って両手を縛られた上半身は、トモくんの胸に・・しっかりと落ちていったのです。
「ふふ そんなにでかい胸を弄られるのが気に入ったのかな?祥子さんは」
「・・はぁぅん・・いわない・・でぇぇ・・」 わたくしの・・・萌え出たばかりの茂みは・・・サテンのショーツもタイツも透かして・・・ちくちくとした先端を露にしていたのです。トモくんの手が触れれば・・その感触にすぐ気づかれてしまったことでしょう。
「ほら、こうされたいの、祥子さん。」 トモくんの両の指からこぼれんばかりに掴まれた乳房を押し上げるようにして乱暴にもみしだくのです。
「あはぁぁん・・・やぁ・・トモくぅぅん」 掬い上げる様に押し当てられた彼の大きな手は、中指と人差し指の間に乳首を挟み込み・・・乳房全体だけでなく・・感じ過ぎる先端までもを同時に嬲っていたのです。
「このおっきな胸で逝かせてもらいたくなっちゃうよ。」 ちゅぅぅりゅぅん・・・ 男性の握力で掴み上げた右の乳房を強く引くと指の狭間でしこる乳首をすいたてるような舌使いでなめるのです。
「はぁぁっ・・・いいの・・ぉぉ」
「祥子さんはこんなふうに酷くされるのが感じるんだぁ」 ちゅぅぅくぅぅぅりゅう・・・ 今度は左を・・・わたくしは感じやすい乳房が熱を持ち始めたんじゃないかとおもうほどに・・・強く・きつく・・・何度もなんども・・繰り返すのです。
「あぁぁっ・・だめぇぇ・・トモくぅぅん・・・おむねでいっちゃうぅぅ」 立ったまま・後ろ手に縛られたままで・・・年下のセフレに秘め所への興味を削ごうと、望むままに与えつづけた2つの乳房は・・・もう限界でした。きつく縄で縛り上げるのと同じ責めを繰り返す生身の男性の大きな手は、確実にわたくしを淫楽の淵に追いつめていったのです。
「こんなんでいっちゃうの、淫乱だなぁ、祥子さんは。」
「はあぁぁっ・・・いっちゃ・・うぅぅぅ」 容赦のない十指の動きに翻弄されたわたくしは・・・第一関節が食い込むほどに強く乳房を掴み上げられたところで・・・最初の絶頂を極めてしまったのです。
 



「ぁん・・・」 参道へ向かう大鳥居の手前、源氏池を牡丹園へと回り込む道でぬかるみに足を取られたわたくしを、森本さんの腕が支えてくださったのです。
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圧倒的だったのです。
彼の存在感が・・・わたくしを欲しいという想いの強さがストレートに押し寄せてきたのです。
身体だけ・・・快楽だけを共にするだけの関係。欲しいと思った時だけメールで連絡するだけ・・・。彼の本当の名前すらわたくしは知りません。でも、ここまで続いたのは、トモくんが好きだったからです。
その力強いしなやかな筋肉が、若さを感じさせながらもしっかりと太いその声が・・・わたくしの決心を溶かしていったのです。
「もう一つの乳首はどうなってるかな。 ああ、こっちもこんなに大きくして。ブラをしててもわかっちゃうよ、祥子さん。」
「ん・・くぅ・・・・」 困惑に唇を噛むわたくしの表情を見つめたままで、被いかぶさる様にして唇を重ねるのです。被いかぶさるトモくんの胸板が・・・サテン地ごしにわたくしの乳房を荒々しく愛撫するんです。
くちゅぅ・・・ はしたない水音と水槽の明かりを跳ね返すような唾液の糸を引いてトモくんの顔が離れていきます。
「こんな表情を見せつけておいて、忘れろなんて祥子さんは残酷だよ。」 彼の左手はわたくしの髪を引き・・・困惑と快感に歪む表情を真上から見下ろすのです。
「トモくん・・・やめて。ほどいてちょうだい。」 わたくしの声は・・・欲情に掠れていたのです。
 



「ねえさんは、額紫陽花が好きだっていってたんだっけ。」 運転席でエアコンの調節をしながら、森本さんが1週間前の会話を思い出した様に口にしたのです。
わたくしの実家に、昔祖母が好きだと言って植えていた額紫陽花があったこと、園芸品種として開発されたうつくしい紫陽花も好きだけれど、額紫陽花のさやかな風情も格別だと思っている事。
問わず語りの内に、わたくしは森本さんに聞かせておりました。
「よく憶えていたわね。」
「ん〜印象的だったからかなぁ。ねえさんは、時々えって思うくらい粋なものやシックなものを選ぶよね。」 結局森本さんは、思い切ってエアコンを切ると走り出した車のリアの窓をほんの少し開けました。渋滞のあまりない平日の鎌倉街道を進むごとに気持ちよい風が車内に吹き込んでまいりました。
「そう?」 森本さんの口調が、ようやくいつもの気軽な様子になってきました。初めて、二人きりで出掛けたからでしょうか。今朝、いつもの珈琲専門店の前でピックアップされてからずっと、少し堅い仕事モードの言葉づかいが混じった会話になっていたのです。
「鶴岡八幡宮にある植物園の紫陽花は、額紫陽花が中心らしいんだ。よかったら行ってみますか?」
「ほんとう、うれしいわ。でも、いいの?スケジュール押してない?」
「大丈夫です。どうせ通り道だしね。」 その言葉の通り、通り沿いには鶴岡八幡宮の駐車場を案内する表示がちらほらと見えてきたのです。
まっすぐ前を見てレガシーを運転をする森本さんの横顔から、車窓を流れる通り沿いの紫陽花の花へとわたくしは視線を移したのです。
鶴岡八幡宮の植物園といえば、ぼたん庭園のことでしょう。冬牡丹の見事なその庭は、源平池の向こうに広がっていたはずです。この時期にはあじさいが見頃になっているとは思ってもいませんでした。
「今日はあんまり混んでなかったね。もうすぐですよ。」 数台の車が並ぶパーキングの入り口が見えてきました。
「あら、そうね。ちゃんとお参りもしたいわ。」
「はいはい、ねえさんのご命令の通りに♪」 おどけた口調で答えを返しながら、ブレーキをきっちりと踏みウインカーを出して心地よく減速させると、駐車待ちの最後尾に車を付けます。森本さんの明るい声にわたくしも思わず微笑んでしまいました。
「待つかとおもったけれど、すぐに停められそうね。」 ご祈祷が終わったのでしょうか、数台の車がパーキングを出たのです。
「これも日頃の行ないっていうことで。」 車を進め、駐車スペースを見つけると、森本さんは助手席のわたくしのシートに手を掛けて・・・車をバックさせたのです。
 



「だめだ。解いたら祥子さんは抵抗するだろう。だから、だめ。」 わたくしの髪をとらえたままで、トモくんの右手はブラジャーのストラップをゆっくりと片方ずつ落としはじめました。
「あん・・・ぅくっ・・」 部屋に入ってもトモくんは一言も口をきいてはくれませんでした。わたくしが手に持っていたバッグをラブソファーに放り投げると、キスをしたままミンクのコートを脱がせにかかるのです。
「・・ぁん・・めぇぇ・・」 ジャケットの釦を外し、スカートの腰のファスナーを引き下ろします。
「ん・・・ぁ・・・」 わたくしの首筋を探ると、カットソーの背のファスナーまで下ろしてしまうのです。
「ん・・・はぁ」 抱きしめたまま、わたくしを壁面にしつらえられた水槽にトモくんのがっしりとした身体を使って押さえつけると、彼は右手で自らのネクタイを解いたのです。
「ね・・・おはなし・・しま・・しょ・・あっ・・ん・・だめ・・」 ネクタイを持った手でわたくしの両手を後にひとまとめにすると、わたくしのカットソーの裾をまくり上げたのです。頭を抜き・・・両手を抜いて・・・同時にスリップのストラップを両肩から落とすと・・・わたくしの両手を彼のネクタイで括ってしまったのです。
「あぁ・・・ゆるして・・」 
黒のサテンのブラ、同じ素材のショーツ、そして腰からウエストまでを覆う黒のタイツにわたくしはまだショートブーツを履いたままでした。
後ろ手にトモくんのヴィトンのネクタイで括られて・・・薄暗い室内照明の中で青白く灯る水槽の明かりの前に・・・立たされていたのです。
水槽には、色鮮やかな海水魚がゆったりと泳いでおりました。べったりと肌をつけて立つわたくしの白い肌に好奇心を掻き立てられたのでしょうか。数匹のかくれくまのみが、すぐ周囲集まってきたのです。
「待っていてくださいね、祥子さん。すぐに抱いてあげますから。」 トモくんはわたくしの姿を眺めながら、ゆっくりとウールのコートを脱いでゆくのです。
「祥子さんを一度縛ってみたかったんですよ。聞き分けのないことを言うから、何も用意できませんでしたけどね。」 ジャケットを脱ぎ、ワイシャツの釦を外してゆきます。彼の・・・厚い胸板がシャツの間から覗きました。
「おねがい・・・お話しましょう」 わずかに身に着けているランジェリーを剥がれてしまう前に、彼を説得しなくてはなりません。
「だめだ。どうせ別れ話なんだ。だから、いやってほど犯してから聞いてあげますよ。ね、祥子さん。」 トモくんのスラックスの前はもう・・・とても大きく昂っていたのです。
その場でスラックスを落とし、靴下を脱ぐと・・・トランクス1枚の姿になってわたくしの前に歩みよったのです。
 
「水槽の明かりに祥子さんの肌がいつもより白く見えるね。」 トモくんの指が抵抗し乱れていたわたくしの黒髪をかき寄せます。
「このおっきな胸。いつも僕に揉まれてすぐに濡れる淫乱な胸。」
「あぁぁ・・っ・・だめっ・・」 左手はわたくしの髪を・・・顔を伏せられない様に引きぎみに掴み、右手をブラの中に差し入れるのです。そして、トモくんはわたくしの乳首をあっという間に掴みとったのです。
「もう堅くしてる、こんなに。セックスしちゃいけない時期じゃないの、祥子さん。なのにこんなに反応しちゃうなんて恥ずかしい身体だね。」 彼の指はぐりぐりと押しつぶす様に堅くしこり立った先端を愛撫するのです。
「はぁっ・・・やぁ・・・」 わたくしは唇から漏れる喘ぎが恥ずかしくて・・・彼の胸に寄り添う様に顔を伏せてしまったのです。
「どうしてこんなに立ってるのか言ってごらん、祥子さん。」 側に立つトモくんを見上げろと言わんばかりにくぃと後ろ髪を引くのです。
いえない・・わ わたくしはふるふると顔を横に振るだけです。
「難しいのね。ひっそりとしていて・・・圧倒的な紫陽花の花なんて。そこまで拘わるなんて大切なシーンなのね」
「ええ、出会いとクライマックスの場所なんです。まだ、構想ですけれど。」
「いいのよ。お話してまとまることもあれば、口にすることでイメージが希釈されちゃうこともあるでしょうから。ごめんなさい、余計なことを聞いて。」
ふっと、瞳が優しい表情を取り戻しました。
「やっぱり、ねえさんと一緒なのはいいな。ちゃんとこの感覚をわかってくれる。」
「ううん、そんなことないのよ。」
北鎌倉の紫陽花の寺の山門までわたくしたちは戻って来ていました。
「あじさい探しの旅に、まだ付き合ってくれますか?」
「ええ、よろこんで」
にっこりと頷くと、駅の近くに停めた車へと森本さんは歩き出しました。
 



「お願い、トモくん。今日は、ね・・・」
「うるさい!」 タクシーから降りた正面は鴬谷の駅の改札です。振り切って帰ろうとするわたくしの身体を強く引くと、キヨスク脇の自動販売機に押し付ける様にして・・・貪るようなキスで言葉を塞いだのです。
トモくんの両腕はわたくしの左右に突かれ、身動きを封じていたのです。
「やめ・・て・・」 彼の唇をそらせて・・・説き伏せようとする言葉さえ・・・すぐに追いかけられて・・・覆いかぶさられてしまうのです。
雪がまたちらちらと舞い始めているようでした。
何人もの人が、駅へ向かいながらわたくしたちの姿を認めていたことでしょう。
それでも、トモくんはわたくしの身体が無言の抗いを止めるまで・・・キスをやめてはくれなかったのです。
彼の胸のなかで、わたくしは・・・諦めたのです。このまま帰るなんてことはとてもできないと。
そう、せめてトモくんと静かな場所で彼が納得するまで話をするしかないと思ったのです。たとえその場所がホテルの一室だとしても。そしてとにかく、円満に別れ話を承知させるしかないのです。彼の結婚が、別れの理由なのですから。
 
「いいね、祥子さん」 ようやく口づけをやめると彼は耳元でそう囁いたのです。
こくん・・・と、わたくしは声も出さずに頷きました。
トモくんはわたくしのミンクのコートの肩を抱きしめると、細いファッションホテル街へと歩き出しました。そして歩きながらも、時折わたくしの唇を啄もうとするのです。
17歳年下のセフレ。確かに若い男性ですが、いまのわたくしたちはとてもそうは見えなかったかもしれません。
180cmを優に越えるがっしりとした体躯は、女性としては大柄なわたくしを包み込むほどでした。強面な表情は、彼の年齢以上の貫禄を感じさせたはずです。
もちろんそれだけの男性としての魅力があったからこそ、彼とこれまでお付き合いを続けてきたのですから。
トモくんはほんの少しの迷いもないように、1軒のホテルへとわたくしを誘いました。
「泊まりで・・・」
3つ程しか空いていない部屋の中から一つを選ぶと、フロントにそう告げたのです。
いつもならフロントと話す間はわたくしをエレベーターホールに1人にしておくのに、今日はほんの少しも側から離してはくれません。
キーを受け取ると、偶然開いたエレベーターへと無言のままで乗り込んだのです。
「なん・か・・んく・・・」 フロア釦を押そうとするわたくしの手を押さえ込み、最上階の釦を彼自身の手で押すと、そのまま・・・また唇を奪ったのです。
「だ・・・め・・」 トモくんの手は、腰の上でコートごとわたくしのスカートをたくし上げ、もう一方の手はわたくしの唇を逃すまいと雪に濡れた黒のロングヘアの後頭部をがっしりと掴んでいたのです。
チン・・・ エレベーターのドアが開きます。
乱れた装いのままに、彼は2部屋しかない最上階のフロアの一部屋へとわたくしを押し込んだのです。
わたしくはこれ以上車内で抗う事を・・・諦めたのです。
「好きなんだ。別れたくない、祥子さん。」 トモくんは、わたくしの沈黙を<了承>だと受け取ったようでした。
「祥子さんじゃないと、満足できないんだ。」 いままで口にしたこともないような睦言をわたくしの耳元に囁き続けるのです。
「せめて、想い出がほしい。祥子さんの・・・この身体の。」
「・・ぁぅっ でも、身体が・・だめなの・・」 ミンクのコートの胸元に手を差し入れると、ジャケットごしにGカップの乳房を握り締めるのです。突然の強い刺激にわたくしは、思わず痛みを交えた喘ぎをもらしてしまったのです。
「今夜、思い通りにさせてくれたら祥子さんの言う通りにする。血まみれのあそこも全部きれいに舐めてあげるよ。タンポンも僕の指で引き出して上げる。いいでしょう。」 もう一方の手は・・・わたくしのタイトスカートの太ももを撫で続けていました。
 
「鴬谷ですがどこに着けますか」 運転手さんの声は・・・全てを聞いているはずなのに、ことさらに完全な無関心を装っていました。
「駅の南口に」 わたくしのロングヘアを掻き揚げて耳朶にキスを繰り返すトモくんは躊躇することもなくそう答えたのです。
いま彼を振り切れば、どうしてももう一度・そしてもう一度と逢わないわけにはいかなくなるでしょう。トモくんの幸せを考えれば、もうこれ以上こんな関係を続けることはできません。
わたくしは・・・年若いセフレに・・・今夜、このはしたない身体を晒さなくてはならないのです。
 



書院づくりの建物の奥の菖蒲は、もう花の盛りを過ぎておりました。
ほんの3週間ほどの違いですが、1年前に訪れた時よりも周囲の緑の陰影は一段と濃くなっておりました。
「ここから、見えるのか」 森本さんは書院の丸窓の前にしばし立ち尽くすと、改めてカメラを構えたのです。
「ええ、青紫の菖蒲の花に黒揚羽が舞っていたのよ」
「ん〜見たかったな。紫陽花よりもそっちのほうが、好みかもしれない。」
「ふふふ、その気持ちは、わからないでもないけれど。でもここは別名紫陽花寺というくらいだから。そんなことを言ったら怒られてしまうわよ。」
年下の気軽さというわけではないのですが、いつも逢う珈琲専門店以外の場所で二人きりでいても、こんな軽口を許してくれる雰囲気がありました。
 
「たしかにそうなんだけど。ん〜。思ったよりも紫陽花の花房が小さいというか・・・。もっとこう圧倒的な存在感みたいなものをイメージしていたから、ちょっとがっかりもしてるんです。このロケーションは悪くないんだけどな。」
そういって降りて来た道をもう一度見上げるのです。
ゆるい勾配の回遊路の左右に、しだれるかのように咲く紫陽花の花。
ほぼ青紫から淡青までのワントーンの花色。古木となった紫陽花ならではの小さめの花房。歴史のある寺院に相応しい上品な佇まいだったのです。
「そうね、植物園のようにはいかないわね。」
「やっぱり長谷の方に行かないとだめかな。」
手すりに軽く触れながら、登ってきたのとは別の回遊路を下ってゆきます。
「長谷?あの大仏様のある方?」
「ええ。もう随分前から植栽が進んでいて、最近では名所もおおいんです。ただ、あんまり観光地化していてひっそりとした風情がないんで、どうしようかとおもっていたんです。」
仕事に関わるお話になると、森本さんの瞳は輝きを増すのです。
その瞳の奥で高性能のコンピューターが演算を繰り返しているような・・・鋭い透明感のある輝きがプラスされるのです。
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