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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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16 2007 / 01
そう聞いて、わたくしは少しだけほっとしたのです。
でも・・・。
「正直に言えば、僕に愛されている祥子さんもフィルムに納めたくなるかもしれない。でも、それは祥子さんの愛おしい一面を切り取るためで、よく市場に溢れている破廉恥な写真がほしいわけじゃない。」
わたくしは、即答できませんでした。
「現像はここの暗室で僕自身がする。アシスタントにも、見せない。祥子さんを撮らせてほしい。」
あまりに真剣な声でした。
はしたないお写真なら、わたくしの許しなど得なくても・・・忘我の境地の間に黙って撮る事もできるのです。こうしてきちんと了解を得ようとする以上、彼のフォトグラファーとしての望みなのでしょう。
高梨さんのあの深くて丸い声にここまで口説かれては、わたくしは拒否することなどできはしませんでした。
「わかりました。わたくしで宜しければ・・・。」
「ありがとう。祥子さんはいま一番興味ある被写体なんだ。」
「もう、恥ずかしいわ。お写真なんて久しぶりですもの。それでいつ、撮りますか?」
こちらに居る間にそういうお時間を作って撮影をするのだと、わたくしは思っておりました。
「いや、祥子さんは普通に過ごしていてください。カメラなんて全く意識しないでいい。ん、僕が少し熱く見つめているくらいに思っていてくれればいいよ。」
「緊張しちゃうわ。」
「ははは、祥子さんがそんなこと言うとは思わなかったよ。」
「あん、いじわるね。」
「そう。そんな顔も魅力的だよ。」
そういって、両手でフレームを作って覗き込む。
「ふふふ、モデル代たくさん頂かなくちゃいけませんね。」
「あはははは、やられたなぁ。」
最後の珈琲を飲み干して、ゆっくりと伸びをする高梨さんはとても寛いで見えました。
都会の街でお逢いする彼よりも、もっと。

「風呂の準備とか、そういうことはいつも通りだから僕がするよ。料理だけは頼む。」
「はい。」
「台所にあるものは、道具も食材も好きに使ってくれ。足りなければ、明日買いに行ってもいいしね。それと、表の畑の野菜も必要なら取ってくる。言ってくれ。」
「ええ。わかりました。」
「ふたりと一匹の気ままな年越しだ。のんびりしよう。」
おっしゃる通りでした。何かに縛られることもない、自然の中でのゆったりとした時間。
わたくしたちには、一番必要で贅沢な時間なのでしょう。
「さて、もう始めるかい?」
檜の柾目板に長針・短針だけが回るシンプルな時計は、そろそろ2時をさしていました。
「そうですね。あの、何か召し上がりたいものがございますか?」
「好き嫌いはないから大丈夫。出来たら、和食がいいかな。」
「ふふふ、珍しいのね。」
「美味しい日本酒を買ってある。」
「わかりました。あ、それからお雑煮はどんな味がお好みですか。」
「うちは醤油味のすまし汁だけど。」
「わたくしのところと一緒ですね。よかった。」
「けんかしないで済みそうだね。」
「ふふふ・・」「はははは・・・」
そうでした。
お料理についてゆっくりお話するなんてことも、いままではなかったのです。
1つずつ共通点を見つける度、わたくしたちはまるで少年と少女のように笑みを交わしたのです。
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15 2007 / 01
「美味しいわ。」
「口に合ったみたいだね、良かったよ。祥子さんが珈琲好きなのは知っていたからね。ちょっと心配だった。」
「ふふふ、手つきが慣れてらしたわ。いつもは、ほらあの下のコーヒーショップでテイクアウトしてきてしまうでしょう。」
「ま、あそこはね。僕がいれるより旨いだろう。」
「いいえ、高梨さんのこの珈琲のほうが美味しいわ。」
「ははは、ありがとう。さぁ、パンにも手をのばしてくれ。このパンはね、ここの地元の人が焼いているパンなんだよ。」
ずっしりと持ち重みのあるヨーロッパ風のパンは、厳選された小麦と天然の酵母がえも言われぬ香りを醸し出しておりました。
「ドライ・イーストじゃなくて、天然酵母なんですね。干しぶどうからかしら、美味しいわ。」
「ほう、祥子さんには解るんだね。帰る日に店が開いてたら店主を紹介しよう。今みたいに言ってあげたらとても喜ぶ。」
「ふふふ、そんなこと。普通に市販されているパンとは格段に香りが違うからそう思っただけですわ。」
「石釜も自分で作っている凝り性のパン屋でね。若い頃フランスで食べたパンが忘れられないと頑張ってるんだ。割としっかりとしたパンばかりだから、市販のふわふわの食パンを食べ慣れたこのあたりの人には人気がないって、最近愚痴ってばかりでね。はは、祥子さんに会ったらきっと喜ぶ。」
「三が日に営業なさるかしら。もしお逢いできなくても、よろしくお伝えくださいな。」
「そうしますよ。」
スライスされたレーズンブレッドも、幾重にも折り畳まれたクロワッサンも。とても美味しいのです。
合成保存料のようなものは一切使っていないようでした。そのせいで夕方には堅くなってしまうのかもしれません。食べたいときに、食べるだけの焼きたてのパンが手に入る・・・なんて贅沢なことでしょう。

「祥子さんに、お願いがあるんだ。」
ふたりの近況を話し合いながらの昼食が、ほとんど終わりかけたころです。
お代わりの珈琲をあらためていれなおして下さった高梨さんが、改まった言葉を口にしたのです。
「なんですか?」
「祥子さんの写真が撮りたい。」
「お写真?」
「そうです。」
この方はプロの・・国際的に活躍されているフォトグラファーでした。今でもコレクションシーズンは日本にいることが出来ないほどの実力派です。
だからこそ、プロフェッショナルな彼の口からこの言葉が出る事などないだろうと、わたくしは勝手に思い込んでおりました。
「もう、ご冗談ばかり。」
「いや、冗談じゃない。」
「どんなお写真をお望みなんですか?」
美貴さんたちのように・・・わたくしのはしたない姿を手元にと、お考えなのでしょうか。
「あっ、なんか誤解してますね。恥ずかしい写真を撮らせてほしいと言っている訳ではないんです。そうですね、ここで過ごす祥子さんの日常の姿を撮らせてほしい。
白雪と遊ぶ祥子さん、台所で料理をする祥子さん、炉端で寛ぐ祥子さん、僕と話をしている祥子さん、お酒に酔う祥子さん。そんなあなたを写したい。仕事ではありません。あくまで、僕の個人的なコレクションです。」
14 2007 / 01
「ははははは・・・。この土地の人間とは祖父の代からの付き合いがある。人目に触れる場所であまり無茶なことはできないからね。その分だけ紳士だよ。それに、祥子さんのことはちゃんと迎えたかったしね。」
「ありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいわ。それに、キスも。」
向き合う様に身体に腕を回している高梨さんの、二人の唾液で濡れて光る唇に・・・わたくしは左手の中指を這わせたのです。
「はは、ずっと溜めてたからな。そんな思わせぶりなことをするとすぐに襲いたくなってしまう。」
「もう、お食事でしょう。」
「祥子さんを先に食べるか。」
「ん・・だめ。」
駄々っ子のようなキスは、まるでサモエド犬の白雪が甘えるのと同じです。
キスを重ねれば、我慢できるのではなくて・・・より欲望が勝ってしまうことを解ってらして、わたくしの身体をまさぐりながら・・キスを続けるのです。
「祥子さんらしくないな、こんなスカート。せっかくの柔らかな身体が台無しだ。
そうおっしゃりながら左手は膝丈のスカートを次第にたくし上げてゆくのです。
「お料理・・できなく・・なっちゃう・わ。」
「ああ、それは困る。祥子さんの手料理が食べられると聞いて材料しか買ってない。生野菜だけ齧るのはちょっと寂しいしな。」
「3日間は、あなただけのものです。だから、ね。」
それでも止まらない高梨さんの左手に、わたくしは右手を被せる様にしてそれ以上の淫らな行為を押しとどめたのです。

ふっと微笑んだ高梨さんの眼は、すぐに<しかたないね>というふうに和みました。
「ああ。じゃ、リビングに戻ろう。」
「すぐに行くわ。先に戻っていらして。」
わたくしは高梨さんの足元に落ちたバックを拾い上げ、白いエプロンだけを取り出してベッドの足元へ置きました。
そして、ようやくベッドルームをゆっくりと見回したのです。
いつもお逢いするレジデント棟の生活感のないお部屋とは違う・・・高梨さんらしい暖かさのあるお部屋でした。
木組みの壁や天井のせいもあるのかもしれません。
シンプルなインテリアのセンスにはかわりはないのですが、包み込むような安心感がその部屋にはありました。
「焼きたてのパンが堅くなるまえに、食事にしよう。」
「はい。」
リビングから高梨さんが呼ぶのです。
さきほどまでの駄々っ子がまるで別人のようになった彼の声に、わたくしはベッドルームのドアを閉めて元のリビングルームへと戻ったのです。

キッチンにはシュンシュンと音を立ててお湯が沸いておりました。
テーブルには、何種類かのペストリーと新鮮な野菜サラダが並んでいました。
「飲み物は珈琲でいいかな?」
「はい。あの、わたくしがいたしましょうか。」
「いや、窓側の席に座っていてくれればいいよ。」
床に座卓のような高さに置かれていたダイニングテーブルの足元は、掘りごたつのようなつくりになっていました。
もともと天高のある建物ですが、こうして腰掛ける事で一層空間を広く感じることができます。足元も木で覆われていて、仄かに暖かくさえ感じるのです。
「寒かったら、そこの膝掛けを使ってください。」
ペーパードリップ式の珈琲セットのようです。高梨さんは慣れた手つきでたっぷりの珈琲を落としてゆきます。
いつもと違う高梨さんは、ここが彼の真の生活の場なのだということを実感させました。
お湯であたためた2つのマグとサーバーをもった高梨さんが、向かい側に腰掛けます。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
珈琲は注がれただけで、いい香りが立ち上ります。
「いただきます。」
少し厚手の陶器が伝える熱は、指先から美味しさを伝えてきました。
13 2007 / 01
「あっと、その前に簡単にこの家の説明をしておくよ。こっちがリビングとキッチンだ。」
「はい。」
入ってすぐのそこは20畳ほどのフローリングの空間でした。
炭が赤々と燃える囲炉裏が切られたコーナーにはふっくらとしたムートンの一枚革が敷かれておりました。木を半割にした柾目の美しいダイニングテーブル。そしてその奥にアイランドスタイルのキッチンがありました。
「ここからテラスに出られる。夏ならバーベキューをしても気持ちいいが、いまは白雪の縄張りになっている。」
レースのカーテンの向こうには、リビングとほぼ同じ広さのウッドデッキのテラスが広がっておりました。先ほど車を停めたところから見上げた印象よりも大きく感じました。
「広いのね。」
テラスのはじには、白雪用の木製のケージに餌入れや水入れが置いてあります。
しつけがきちんとしているのでしょう。食べ散らかすこともなく、きれいになっておりました。
「彼には多少不満みたいだけどね。」
「ふふふ、あんなに大きいわんちゃんなのだもの。しかたないわ。」
「こっちに来て。」
テラスを見つめながら、自然とわたくしの腰に回した腕でリードしながら・・・高梨さんはキッチンの脇の扉を開けたのです。
化粧室・お風呂・高梨さんの仕事関係の本が置いてある図書室のような部屋・ゲストルーム。
そして最後に連れてゆかれたのが、メインベッドルームでした。

「ここで3日間、可愛がってあげるよ。祥子。」
「あ・ん・・・」
堪え切れない様に重ねられた高梨さんの唇は、記憶のとおり柔らかく・乾いておりました。
手に持っていたわたくしのバッグを足元に落とし、両手でわたくしの身体を確かめる様にかき抱くと・・・ディープキスを続けられたのです。
「ん・・ぁん・・・ぁ・・っく」
わたくしは、身体の力が抜けてゆくようでした。
室内に入ったとき、リビングよりは数度低く少し寒く感じた室温が・・・いまでは火照った身体に心地良くなるほどに、高梨さんの唇と舌はわたくしを高めていったのです。
「ぁん・・だめ・・」
頽れそうになる膝に力を入れて、あおのけられた顔を高梨さんの胸に手を突いて引き離したのです。

「お昼、いただくんでしょう。」
「放っておいたら、祥子さんは先に白雪にキスを許してしまいそうだからね。」
「もう。」
再び抱きしめた腕の力を、高梨さんは少しだけゆるめてくださいました。
「ここらへんは周囲の眼が厳しいからね、いつもみたいに外で祥子さんを可愛がるわけにはいかないんだ。」
「だから、紳士だったんですね。」
この方は、露出羞恥をお好みになる方でした。
わたくしはいままで、高梨さんのお住まいになるレジデント棟のあの部屋へゆくまでに2度ともコートの下の衣服を奪われて、はしたないお散歩を強要されたのですから。
12 2007 / 01
「お邪魔いたします。」
先に室内に入られた高梨さんを追う様に、扉を開けた途端に感じたのは・・・炭が燃える時の独特の芳香でした。
チィィ・・・っ。わたくしはロングブーツのファスナーを引き下ろしながら、檜造の建物の放つ香りと炭の芳香をたっぷりと胸に吸い込んだのです。

高梨さんのお宅にお邪魔する事が決まって、わたくしはどんな装いをすればいいのか、とても迷いました。
<武蔵五日市の駅><田舎の家>というのが、高梨さんがわたくしにくださったヒントでした。避暑に山を訪れる時の様に、街でわたくしが普通にしているスタイルは、山のお家だととても浮いてしまうだろうと思ったのです。それもホテルのようになにもせずにもてなしていただくだけのお客様なら、多少のエレガントな装いも許されたかもしれません。
が、今回は高梨さんのご自宅でふたりきりのはずでした。家事を全てこなす必要はないにせよ、せめてお食事の準備くらいはお手伝いできればと思っていたのです。
ジーンズでも持っていれば、それが一番この場にぴったりとした装いだったのかもしれません。ですが、残念ながらわたくしは1本もそのようなものを持っておりませんでした。

アウトドアブランドのカジュアルなスタイルがお好きな高梨さんに合わせて、カジュアルだけれど居心地の良いスタイルを、手持ちのワードローブから選んだのです。
ここで過ごすための昼間の装いに選んだのは、膝丈のブラックデニムのスカートに白のニットタートルでした。ハイゲージのツインのカーディガンはロングタイプでしたから、バックスキンを表遣いにして着こなしたコートの下でももたつくことはなくあたたかでした。
それに高梨さんが運んでくださった少し大きなバッグの中には、シンプルなエプロンと、室内着にと持って来たロングスカートと同じ素材のトップス。それに替えのランジェリーが入っておりました。
インナーは、お正月の改まった気分に合わせて、白のレースのものを用意して来たのです。レギンスは30デニールの黒のタイツ。暖かくて、でも肌が僅かに透けるものを選んだのです。
『着替えなんて気にしなくていいよ。』
高梨さんはメールでそう言ってくださいました。
いつもご一緒する、都心のレジデンス棟の一室ならすぐにありとあらゆるショップでお買い物も楽しめます。でも、流石にここでは・・・といただいていた大まかな住所を見て思ったのです。ここまでくる道すがらでも、わたくしのお洋服を買う為には車で片道1時間ほどもかかるでしょう。独身の高梨さんがお1人でお住まいのはずなのに・・・そんなふうに甘えるわけにはまいりません。
特になにもおっしゃらない高梨さんになにか趣向があるのか、とも思いましたがせっかくの休日をいつもよりも少しくだけた雰囲気のままで過ごさせていただこうと決めたのです。

「暖かいんですのね。」
玄関を上がってすぐ右の扉で高梨さんは待っていてくださいました。
「先に着替えるかい?」
「いいえ、この後のご予定がわからないからなんともですけれど、お料理をするなら済ませてしまったほうがいいかと思って。するべきことをしてから、ゆっくりさせていただきますわ。」
「ああ、そうだね。でもその前に昼食がまだだろう。一緒に食べよう。」
「ふふ、お腹がすいていたの。うれしいわ。」
わたくしは充分に暖められた玄関先で脱いだコートを、高梨さんに預けたのです。
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