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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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07 2007 / 02
「いつももっと早く入れてあげていたのでしょう。可愛そうなことをしたわ。」
「いや、時間はあまり変わらないんだ。いつも、村の人間とここで飲む時は今と同じ様にしているしね。今日は、初対面の祥子さんと僕の二人きりだから自分も仲間に入るつもりだったらしい。」
「そう。ごめんなさいね、白雪。」
くぅぅん 甘えた声で、高梨さんの膝に鼻頭を擦り付ける様もとてもかわいいのです。
わたくしは、台所を片付け明日の下準備をしながらもどうしても視線は白雪を追ってしまいます。

「白雪は人間で言うと何歳くらいなの?」
「そうだな。18歳か20歳くらいかな。」
「まぁ、こんなに甘えんぼさんでも立派な大人なのね。」
囲炉裏からどっしりとした鉄瓶を持って、高梨さんがキッチンにいらっしゃいます。
「これにたっぷり水を入れてくれないか。」
「はい。 これくらいでいいですか。」
「ああ、充分だ。」
蓋をした鉄瓶を受け取って高梨さんはにっこりと頷いてくださいました。
このまま囲炉裏に掛けるに違いない鉄瓶。普通のやかんのようにぎりぎりまでお水を入れると沸騰して吹きこぼれてしまうのです。
たっぷりと・・・と言われても八分目よりこころもち少なめ。
それは普段使っている方なら、持てばすぐにわかるからです。
「そんなに炭をついで大丈夫なんですか?」
「ああ、白雪はさんざんいろんな眼にあってもう覚えてるから大丈夫なんだよ。暖房をつけたままにするよりもこっちのほうがいいみだいだからね。」
「それで鉄瓶を掛けておくのね。」
「ここは木の家だから密閉度はあまり高くないからね、炭をかけておいても二酸化炭素中毒にはならない。そのかわり乾燥しすぎないよう鉄瓶を掛けておくようにしているんだ。さ、これで準備完了だな。」
なかなか離れない白雪を構いながら、囲炉裏端で高梨さんが立ち上がりました。
「ステイ! ハウス!」
名残惜しそうな顔をしながら白雪はムートンの敷物のところに寝そべります。

「祥子さん、風呂に入って部屋にいくよ。白雪くさくなってしまった。」
「ふふふ わかりましたわ。」
「まだかかるのかい?」
「いえ、もう少しだけです。」
キッチンを除く部屋の明かりを高梨さんが落としてゆきます。
甘えて、いつもと違う空気にも慣れたのでしょうか。屋外の小屋にはない暖かさに包まれて白雪は薄やみの中うとうととし始めたみたいです。
わたくしは後片付けは終えて、明日の準備を初めていました。
凝ればいくらでも手を掛けられますが、それもあと少しできりが付きます。
「部屋で待っていてくれ。すぐに戻る。」
「はい。ゆっくり暖まってきてくださいな。」
「ははは・・・ いってくるよ。祥子さんも来てもいいんだよ。」
「わたくしは先ほどいただきましたわ。早く行ってらしてください。あんまり遅いと先に眠ってしまいますわ。」
「それは寂しいな。直ぐに戻る。」
白雪のための柵ごしにわたくしの上体を引き寄せて、ちゅっと軽くキスをして高梨さんは浴室に向かわれました。
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06 2007 / 02
「珈琲か、お茶でもお入れしましょうか?」
「いや、僕はミネラルウォーターでいい。祥子が欲しいなら好きなものを入れたらいいよ。」
「それじゃ、わたくしもミネラルウォーターをご相伴させていただきます。お酒の器は下げさせていただいてもいいですか?」
「おねがいするよ。そろそろ白雪を部屋に入れてやりたいしね。」
窓の外、ホットカーペットの敷かれた犬小屋の中から明るい室内をじっと見ている白雪の姿が見えました。
「キッチンはこのままでもいいんですか?」
台所の床には、明日のために料理したおせちの鍋がいくつも並んでいます。
どんなに白雪がお行儀のよいわんちゃんでも、こんなに魅力的な香りがしてはいたずらをせずにはいられないことでしょう。
「そこのカウンターの端に木製のゲートがあるだろう。壁と床に小さな金具で止められる様になっている。」
見てみると、シンクの右脇にシンクと同じ1m20cmほどの高さの折り畳まれた木の柵がありました。壁まで90cmの距離を伸ばして、壁と床の金具を止めるともう白雪では乗り越えることもできなくなります。
「まだ祥子が台所をしているうちは仮止めでいい。止めておいてくれないか。」
「はい。わかりました。」
わたくしが壁との留め金の1つを掛けたのを確認して、高梨さんは改めてぞうきんを手にするとテラスへの窓ガラスを開けました。

「白雪!」
わふっ・・・ 暖かな小屋から膝を折った高梨さんの側に白雪が駆け寄ってきます。
「おっ、きれいにドッグフードは食べ切ったんだな。」
わん!・・ 白雪の頭と腰をなでてから、高梨さんは後ろ足と前足をそれぞれぞうきんで拭って、ようやく室内への通り道を開けてやります。
わふっ・・わん・わん・・
いつもとは違う室内の空気に白雪もほんの少し興奮気味のようでした。
キッチンのわたくしの側に来たり、さきほどまでお食事をしていたテーブルの上を不思議そうに眺めたりして、最後にはまるでそこが指定席だといわんばかりに、炉端の一番壁よりに置いてあるムートンの敷物の上に王様のように寝そべるのです。
日本酒に酔った身体には、開いた窓から流れ込む冷気も心地良いものがありました。
しばらく外にいらした高梨さんは、きっと犬小屋の中の電気毛布のスイッチを切ってらしたのでしょう。
「待て!」
テラスから戻ってくると、遊ぼうと半身を起こした白雪を制してぞうきんを手に浴室の方へ向かわれました。
それから、タオルと水の入った器を持って戻ってらしたのです。
これも定位置なのでしょうか。テラスへの窓の側にある腰高の出窓の下に、タオルを敷いて白雪用の水の入った器を置きました。
白雪は満足しているのでしょうか、水を飲みにゆこうとはしませんでした。
高梨さんが全てを終えて囲炉裏の側に腰を下ろすと、くぅぅ〜んと鼻を鳴らして彼の側に甘える様に身体をすりよせます。
「なにを甘えてるんだ。白雪」
そうおっしゃりながら、高梨さんの顔はまるで我が子を見る様に幸せそうな笑みに包まれていました。囲炉裏の側に置かれた容器から、燠火のようになっている囲炉裏へと炭を足してゆきます。
04 2007 / 02
さんじゅうく・よんじゅう・・・心の中で秒数をカウントし終えると手元の小さな穴明きお玉で、そっと白子だけを掬って鍋用の取り皿に・・・芯が透き通る様に出汁を含んだ長ねぎをいくつかそえて・・・高梨さんの前に差し出しました。
「よろしければ、ポン酢で召し上がってください。」
小さな青絵の片口には、さきほどこの晩秋に収穫したのだというたくさんの柚子を絞って贅沢につくったポン酢が入っていました。

「いただきます。・・・っあちっ・・・」
「ふふふ、そんなに慌てなくても。」
わたくしは、自分の器にも白子をとりわけ、鱈の身と長葱を添えてポン酢を垂らしたのです。棘のない丸い味のたれは、高梨さんが用意してくださった上質な鱈と白子にぴったりでした。
「いや、こんな贅沢な鍋はそうそう食べられるものじゃないな。」
おかわりの白子と鱈の身の器を受け取りながら、高梨さんがそうおっしゃいました。
「料理屋でも、鍋の一種だと思っているんだろうたらちり・ふぐちりだって結構雑多な食材が放り込まれているものだ。酷い店だと他の魚介が入っていたりしてね。淡白な魚そのものの味が楽しめなくなる。」
はふはふといただく白い身は鱈特有の香りと歯触りが、白子は柔らかなとろける様な甘さが舌の上を広がってゆきます。
「ほんとうに、旨いよ。」
4杯目のお代わりの器を差し出した高梨さんは、もう何杯目かの日本酒をふたりの切り子のロックグラスに注ぎます。
「たくさん召し上がってくださってうれしいわ。」
「これならいくらでも食べられそうだ。」
「あっ・・そうでした。」
お鍋と一緒に召し上がっていただこうと作ってあったものを思い出したのです。

キッチンの奥の冷蔵庫のガラスの器に、それは冷やしてありました。
「お口が火傷しないように、これもどうぞ。」
透明なクリスタルの器の中には、高梨さんがお出掛けする前に下ごしらえをしていたかきのもと・・食用菊・・が美しい紫色の花弁を横たえていたのです。
「あっ、さっきの菊だね。なんて言ったけ。」
「かきのもと、です。」
「ん、冷たくて旨い。ますます酒が進んでしまいそうだ。」
鱈を召し上がり、かきのもとに箸を伸ばし、手元のロックグラスの日本酒を煽る。
その高梨さんの姿はとても幸せそうでした。
お食事を初めて一時間半ほどで、お鍋も、おつまみの小鉢も全てきれいになくなってしまったのです。

「年越し蕎麦をゆでましょうか?それとも、なにか、小鉢でも出しますか?」
手際良くテーブルの上を片付け、洗い物を済ませたわたくしは、ロックグラスを前にものうげな高梨さんにそう声を掛けたのです。
二人でいただくには、充分な量のお食事でした。
でも、がっちりとした体格の高梨さんならもっと召し上がっても不思議ではないように思えたのです。
「いや、いいよ。これ以上飲んだら今夜祥子を抱けなくなりそうだ。」
「ふふふ、わかりました。それじゃもう一品、美味しいお酒のあてをお出ししましょう。」
「はははは・・・勘弁してくれ。ほんとうにもう腹一杯だ。きっと祥子のことだ蕎麦も美味しいと思うが、今夜はもういいな。ごちそうさま。」
03 2007 / 02
「これから作るのか?」
引き寄せたお鍋の具の大皿を見て、高梨さんが不思議そうな顔をなさいます。
「ええ、お鍋はすぐにできますから、お大根でもきんぴらでも召し上がってらしてくださいな。」
「ああ、さっきからもう手を出しているよ。こんなに味の染みた美味しいふろふき大根はひさしぶりだ。鴨のローストも旨かった。ああして鬼おろしとポン酢で食べるのもいいもんだな。」
おっしゃる通りでした。健啖家といえばいいのでしょうか、高梨さんは眼の前のテーブルにならんだいくつもの小皿をつぎつぎと空けてゆきます。
男の方らしいぐいと手を伸ばす召し上がり方ですが、テーブルマナーはとても美しいものです。二人分を合い盛りにした器に添えられた料理は、きちんと取り箸で手元の小皿に受けられるのです。
スタイリッシュなのに、お食事する姿があまり上品ではない男性が増えているなかで、高梨さんの召し上がり方は本当に気持ちのいいものでした。

カシャ・・カシャ・・カシャ・・・ カシャ・・カシャ・・カシャ・・・
そして、お食事と同じくらいスムースにカメラにも手を伸ばされるのです。
繰り返されるシャッター音は、いつしかわたくしから<レンズ越しに見られる>緊張感を奪っていったのです。

鍋の火加減を少し弱めて、わたくしは鱈の切り身を大皿からひとつづつお鍋に入れてゆきます。身が白くなったところでアクを掬い、それからふっくらとした長ねぎを入れました。
昆布だけの出汁が、鱈や長ねぎのコクで益々美しい光沢を増してゆくのがわかります。
わたくしは、まだ手を付けていないグラスに半分だけ万寿を注いで、滋味豊かな日本酒を鍋肌から流し込みました。
「そうですね。鴨も野鳥の一種なのでどうしても肉の臭みが気になるらしくて赤ワインで煮たり治部煮のように濃い味にしてしまいがちなんです。でもご用意いただいていたのがとてもいいお肉でしたので、あっさりと召し上がっていただこうと思って作ってみましたの。」
「時々鴨を料理するが、自分でするといつもぱさぱさな味になってしまう。あんなにしっとり仕上げるのになにかコツでもあるんだろうか」
「それはね、待ってあげることなんです。火を入れてから半日・・・すくなくても3時間くらいは、抜け出した肉汁の中でゆっくりとお肉を休ませて上げるといいんですよ。」
「なるほどな。出来立てが旨いとは限らないわけだ。」
「ええ。」
日本酒で少し収まったお鍋が再び小さく沸騰を始めました。わたくしはもう一段火を弱めたのです。
「もうお鍋を召し上がりますか?」
「ああ、手を出していいなら食べたいが。」
「白子は火を通しすぎたら台無しですから。それじゃおつくりしますね。」
「ああ。」
ガラスの器に入れてある白子を一塊ずつスプーンでお鍋にそっと滑らせる様に入れてゆきます。
ひとつ・ふたつ・みっつ・・・・。
「しかし、こんなたらちりは初めて見る。」
「そうですか。」
「余分なものが何一つない。たらとだしの昆布、それに葱だけ。」
「ふふふ、寂しいですか。」
02 2007 / 02

カシャ・カシャ・・カシャ・・カシャ・・・
高梨さんはいまはファインダーすら覗いてはいませんでした。
赤い切り子のロックグラスを口元に運ぶ瞬間も・・・今度はデジタルカメラが捉えていました。
温泉に温められて桜色になった指先が、グラスの表面の霜を溶かす瞬間まで、桜の日の散歩でわたくしのあられもない姿を写したのと同じカメラが捉えてゆきます。
カメラを意識するな、と言われてもとても無理でした。
カメラのレンズと、カメラを持つ高梨さんの視線と、そしてわたくし自身の姿態と・・・。
わたくしの意識は3つに引き裂かれていたのです。

「あん・・いゃん」
二人きりでした。広い1枚板のダイニングテーブルでしたが、他人行儀に向かい合うのではなく角を挟んだ左右に高梨さんとわたくしの席は作ってありました。
ロックグラスを持った右手はテーブルの上にお行儀良くしていましたが、リーチの長い高梨さんの左手は柔らかなロングスカートに覆われたヒップの丸みに触れたのです。
おっ・・という顔をされて、そのまま得心が行ったとでもいうように小さく頷きます。
「素足でも寒くはないだろうに。」
「お嫌ですか?」
高梨さんがおっしゃっているのはきっとガーターストッキングのことでしょう。
先ほど腰に走っていた後ろのストリングスに指が触れたのです。
入浴をして、柔らかな素材のお洋服に着替えた時、わたくしはブラやガーターベルトといった類いのランジェリーを身につけるかどうかを少しだけ悩みました。
もうベッドに入るだけなら無粋なものは不要です。いつものレジデント棟の高梨さんのお部屋なら、お洋服の下にはスリップとパンティだけしか身につけなかったかもしれません。
でも、今夜お邪魔しているのは高梨さんのご自宅でした。
いつどんなお客様がいらっしゃるか・・・そしていまも窓の外からは、小屋の中の白雪がこちらをじっとうかがっているのです。
ふたりきりのお部屋に入るまでは、できるだけきちんとした姿でいるほうがいいと思い、外出するときと寸分違わぬランジェリーを身に着けたのです。
「いや、祥子のランジェリー姿は大好物だ。ふふ、今夜のデザートにとっておくか。」
「わたくしは献立の1つじゃありませんわ。」
「デザートじゃ気に入らないか、ん?それじゃ、この料理が前菜で祥子はメインディッシュって言う訳か。」
「もう。そんなことばかりおっしゃって。」
ゆっくりと3日間を過ごすというゆとりからでしょうか。
お逢いしてからの高梨さんは、性急にセクシャルな雰囲気になろうとはなさいません。いまも、言葉の応酬と指先の感触を楽しんでそれで満足なさってらっしゃるのです。

ぐぅぅぅ・・・
高梨さんのお腹が大きく鳴ります。
「早く喰わせろと、腹が文句を言ってる。これは祥子より先に眼の前のご馳走だな。
「ええ、お鍋も煮立ちますから、そうなさってくださいな。」
カシャ・・カシャ・・カシャ・・・
わたくしは、掘りごたつ風になった足元から膝下を引き上げると、床の上に正座をいたしました。
少し腰を上げて、シュン・シュンと音を立てる土鍋の蓋をふきんを使って取り上げます。
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