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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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01 2007 / 02
「あの、テーブルのお鍋の火を付けて下さいますか?」
「ああ、わかった。」
お鍋には昆布が敷かれてそろそろ3時間。水出しのいいお出汁が出ているころでした。
わたくしは鍋の材料と、今日の薬味、ポン酢・・・それから鴨ロースト以外のおつまみをテーブルに並べました。
・・・ゆず味噌のふろふき大根、きんぴらごぼう、そして烏賊の塩辛。箸休めの聖護院大根の浅漬け。
「ご馳走だな。」
高梨さんの頬が緩みます。海外にいらっしゃる時は、その土地のものを食べるのが正解だ・・・と以前ご一緒した時におっしゃっていたことがありました。
日本にいる時は、日本のものを堪能していただきたい。
わたくしの腕が高梨さんのお好みに合えばいいと願うばかりです。

「いえ、ほんとうに手料理ばかりで。」
「いや、そういうのがいいのさ。ほら、とりあえず乾杯しよう。」
高梨さんは今夜はお酒の係をしてくださるようです。
赤い被せガラスの切り子のロックグラスにまあるい大きな氷を1つ。そこに久保田の万寿を注いでくださいます。ご自分は青いグラスに同じお酒を同じ様につくられて・・・でもまだ乾杯をするとはおっしゃいませんでした。
細身のクリスタルのタンブラーを2つ冷凍庫から出してらっしゃるのです。室温で霜が降ったように白くなったグラスには、細かい泡の立ち上るミネラルウォーターを注いでくださいました。
「このボトルって確かオーヴェルニュ地方のものでしたよね。」
シャンパンと見まごうほどの細かな泡。
ボトルに張られたラベルに燦然と輝く太陽王の印。
「シャテルドンを知っているとは通だね。この間パリコレの時にオーダーしておいたものがつい先日届いたんだよ。硬水だが、僕はこうして食事と一緒に楽しむのが好きでね。きちんと芯のある味の食事にはぴったりだと思っている。祥子さんは、どこで知ったんだい。」
「いえ、たまたま先日クライアントとお食事に行った先で、お水のソムリエさんに薦めていただいただけなんです。」
「ははは、これを用意できる店といえばクラスがわかるよ。よほどそのクライアントは祥子のことがお気に入りなんだね。」
「ふふふ、やっぱり高梨さんてグルメだわ。」
クライアントのことを詮索する方ではないとわかっていても、ついふっと・・・話題を逸らせてしまいます。
わたくしの声の調子に気付いたのでしょう。
それ以上は聞かないよ という意味を込めて、高梨さんは大きな声で笑って下さいました。
「ははははは・・・お世辞はいいさ。さっきから腹がぐぅぐぅ鳴ってるんだ。もうお預けなんて言わないでくれよ。」
「はい、それじゃ良い年を迎えられます様に・・・乾杯♪」
「乾杯。」
チン・・・日本酒のロックグラスを合わせる乾杯は、なんて高梨さんらしいのでしょう。
常温でも美味しい万寿が、氷で冷やされほんの少し溶け出した水で柔らかくなってわたくしの喉を滑り落ちてゆきました。
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28 2007 / 01
「もう・・・高梨さんたら。」
「ん、それとも一緒に入ろうか?」
「あん、だめですぅ。」
「ははは、僕は食事の後で酔い覚ましにゆっくり入るよ。大丈夫、覗いたりしないさ。行っておいで。」
「はい。あの宜しければ鴨の冷製が冷蔵庫にありますから、それをつまみにでもして飲んでいらしてください。」
「わかった。まっているから、さぁ。」
わたくしは追い立てられる様に、荷物の置いてある部屋から部屋着と新しいランジェリーのセットを持って、浴室に向かいました。

先ほど、ぞうきんを取りに立ち寄った時・・・ざぁ・・という水の流れる音が気にはなっていたのです。
ごく普通の洗面台のある脱衣所の先のごく普通の扉を開けると、その先に広がっていたのは、檜づくりの掛け流しのお風呂でした。広く取った窓からは、冴え冴えとした月が黒々とした夜空に星を散りばめた中に浮かんでおりました。
この辺りにも温泉が出るということは、ここに来るまでの道すがら高梨さんからうかがっていました。
でもまさかこんな個人のお宅にまで引かれているとは思ってもいなかったのです。
わたくしは、身体を清め・髪を洗うと・・・3人以上ゆったりと入れそうな浴槽に身体を沈めたのです。
広い洗い場・広い浴槽。
これももしかしたら白雪のためを考えたものなのかもしれません。
ざ・ざぁ・・・ お湯の温度が下がらない程度にゆったりと流れる温泉はわたくしの疲れを癒してくれるようでした。
出来れば、明日か明後日、時間を取ってゆっくりと浸からせていただこう・・・そう高梨さんがまだお休みになっている時間にでも・・・湯冷めをしないようにあたたまりながら、わたくしはそんなことを考えていたのです。

「祥子、起きているかい。」
扉の外の高梨さんの声に・・・うっかりすると、眠り込んでしまいそうな心地良さから、一気に目覚めました。
「あっ・・はい、ごめんなさい。いま参りますわ。」
どのくらいお待たせしてしまったのでしょう。
わたくしは慌てて身支度をして、リビングで氷を浮かべた冷酒を片手にテレビをご覧になっているだろう高梨さんの元へと戻りました。

でも、その予想は外れたのです。
「お姫様のお戻りだ。」
カシャ・・カシャ・・・・ 高梨さんは戯けるように口にしながら囲炉裏端に腰を下ろした低い視点からわたくしにシャッターを切り続けます。
「いいね。湯上がりの女は色っぽいと言うが、これなら待ったかいがある。」
「もう、堪忍してください。恥ずかしいわ。」
部屋の中は、先ほどよりもほんの少し暖かくなっておりました。
それは、囲炉裏に赤々と燃える炭のせいでした。
わたくしは急いで濡れた髪を黒のかんざしだけで夜会巻きにし、黒のタートルネックセーターにロングスカート・・・そして同じ素材のラインストーンが散りばめられたカーディガンを羽織っていたのです。
キッチンに向かっても止まらないシャッター音に、思わず左手で目元を隠したところで・・・高梨さんはカメラを置かれたのです。
27 2007 / 01
「もう入れて上げたら?寒いのに。」
「いや、食事が終わってからだ。そうじゃないと、こいつは僕たちの食べているものをなんでも欲しがる。」
脚を拭き終わった白雪の頭をぽんぽんと愛おしそうに高梨さんがたたきます。
「そう、でも彼だけお外じゃ可哀想だわ。」
「白雪も夕食の時間だからな。それに、犬小屋の中は一応ヒーターが入ってはいるんだよ。」
「なら少しはいいかしらね。」
わん・・・ 真っ白でくるんと丸まった尻尾をぶんぶんと振る白雪を見ると、彼なりの幸せな時間があるのだと思えてきました。
高梨さんはベランダの端にある小さな物置小屋から、白雪専用のドッグフードを取り出して彼の餌皿に入れています。
わたくしは、水割りにつかうピッチャーに新鮮なお水を汲んで高梨さんに渡しました。
わふ・・ふっ・・・
早速、白雪は彼のダイニングスペースでお食事を始めたようです。
長いピンク色の舌で、美味しそうに水を飲んでおりました。
「わたくしたちのお夕食の支度は出来てるんですよ。あんまり遅くなると可愛そうですから、頂きましょう。」
「ああ、そうしよう。ちょっと待っててくれ。」
高梨さんは、着てらしたコートをその場で脱ぐと大きくパンパンと白雪の毛をはらってからご自分の靴を持って中に入られたのです。

「部屋の中まで旨そうな匂いがするよ。」
「ふふ・・・ありがとうございます。」
「風呂は食事の後でいいかな。」
「ええ。ん・・・・ん・・ぁ・・だ・・め・・」
高梨さんのコートを受け取ったわたくしを、コートごと抱きしめてキスを奪うのです。
まるでわたくしが前菜だというかのように・・・水を美味しそうに飲み干す白雪のように・・・わたくしの唇を舌を唾液を・・貪るのです。
「祥子には、こんな堅い素材の服は似合わないな。」
彼の手はわたくしのブラックデニムのスカートに覆われた腰を這っておりました。ヒップの山を掴み止めるように握るのです。
「あ・ん・・・・・」
「もうそろそろ風呂も入り頃だろう。せっかく祥子をとなりに置いて食事をするんだ。もっと君に似合う姿で楽しませてくれないか。」
こちらに伺ってからいままで、お食事の準備に気を取られてずっと同じ姿でいたのです。高原の駅に、木造の田舎のお家に似合うカジュアルなスタイルでしたが・・・たしかに高梨さんのおっしゃる通りかもしれません。
「そんなにいろいろ持って来てはいないんです。あとは部屋着くらい・・ん・・・ぁ・・。」
高梨さんの両手はわたくしの身体をがっしりと抱きとめていました。そして、言葉が終わる前にまた・・・唇を重ねるのです。
「ああ、それでいい。あんまり薄着だと食欲よりも別のものを感じてしまいそうだ。」
「ぁ・・ん・・ん・・・」
ちゅ・・・
「料理も疲れたろう。少し汗を流して暖まってくるといい。」
26 2007 / 01
「今夜はどうやって・・・あっ、ごめん。」
トゥルルルル・トゥルルルル・トゥルルルル・・
カメラを置いた高梨さんはテーブルの上にある携帯電話を取り上げました。
「高梨です。 ありがとうございます。これから迎えにいきます。あぁ、もう暗くなってきましたから、車で。はい、お手数をお掛けしました。」
「ブリーダーさん?」
「ああ、ちょっと迎えに行ってくるよ。白雪が帰りたがって鳴いているらしい。あの家にいるとご機嫌なんだがな、今夜は珍しいことだ。」
「それじゃ、いってらしてくださいな。お戻りになったらお夕食でいいですか?」
「楽しみにしているよ。」
携帯電話とさきほどの栗きんとんの包みだけを手に、コートを羽織られます。
料理の途中、わたくしは台所から離れる事ができませんでした。
「ごめんなさい、ここでお見送りで。」
「ははは、行ってくるよ。」
たん・・ばたん・・・ 扉のしまる音のあと、パジェロのオールティーレンのタイヤが地面をくじる音がいたしました。
あと30分ほどでしょうか。
とりあえず、今夜の夕餉の支度を急ぐ事にいたしました。


じゃっ・・・・きぃっ・・・ わん・わん・・・わ・わん・・・
タイヤの音、サイドブレーキを引いた音に続いて白雪の鳴き声がしました。
テーブルの上には丁度お鍋とおつまみの用意が出来たところです。
わん・わん・・わん・・・
カラカラ・・・・ 
白雪の声がベランダのあたりでしたと同時にガラス戸がほんの少し、引き開けられたのです。
「祥子さん、悪い。風呂場からぞうきんを取って来てくれないか。」
高梨さんがベランダから顔を覗かせます。
「はい。どれでもいいのかしら。」
「ああ、濡れたのがいいな。」
「ちょっと待ってくださいね。」
キッチンからすぐの扉を開けて、出てすぐ右手にある浴室にかけてあるぞうきんを2枚取りました。2枚とも冬の乾燥する季節です、カラカラに乾いておりました。
わたくしはそのままキッチンに取って返し、シンクの暖かな湯でぞうきんを絞ったのです。
「お待たせしました。」
もう一度ガラス戸を開けたベランダでは、白雪が高梨さんにまるで甘える様にじゃれていました。
「ああ、ありがとう。ほら白雪、足を拭くぞ。」
あぅぅ〜ん 白雪はまるでお手をするように高梨さんの前に座ると右前脚を出すのです。高梨さんはその足先をぞうきんで拭いてゆきます。
「きれいにしてきたばかりなのに。」
丁度ブリーダーさんからグルーミングを受けてきた白雪は、初対面のときよりも数段男前になっていました。
真っ白で柔らかな毛は室内から洩れる明かりに光沢さえ感じるほどでした。冬毛に生え変わるために根元に残っていた夏毛の名残は全て梳られて、ほんの少しですがスマートになったみたいです。
「流石にこの時期は、眠る時は家に入れてやらないと可哀想だからね。いまも車からまっすぐベランダに上げたんだが、ほら、土が付いている。」
「ふふふ、もこもこですもの仕方ないわね、白雪。素敵になったわね。」
わん♪・・・
言葉がわかるかの様に、白雪が答えます。
24 2007 / 01
「お口に合うといいんですけれど。」
「そう伝えておくよ。」
「あっ、そうでした。今夜なんですがお鍋にしようと思うんです。締めは年越し蕎麦を召し上がっていただくつもりなんですが、お鍋はたらちりと鴨鍋とどちらがよろしいですか?」
お料理のはじめに、土鍋には昆布出汁を取る準備をしてありました。
他のお料理用の出汁は、別の大きな寸胴鍋で昆布と鰹の合わせ出汁を2本分やはり最初に取っておきました。贅沢な作り方ですが、お料理の基本です。短時間に数種類の献立を作る為には、このやり方が一番効率的なのです。
「ほう、どちらもうまそうだな。鴨鍋の出汁で最後蕎麦をたぐるのも悪くないが・・・たらちりもいいな。」
「白子を買っておいていただいているので、新鮮なうちに召し上がっていただいたらいいかと思って。七輪で焼いてとも思ったのですが、お鍋のほうが美味しそうでしょう。」
「ん、それはいい。」
「よかったわ。それで準備させていただきますね。お蕎麦はざるにいたしますから、後でべつに召し上がってくださいな。」

わたくしは、足元から泥付きの長ねぎを数本取り上げました。
深谷ねぎの系統でしょうか、太くてしっかりと身の入った緑の部分も柔らかな長ねぎです。足元に段ボール箱を利用して作っておいたゴミ箱の上で長ねぎの一番上の皮を1枚だけ剥いてゆきます。
泥を纏った1枚をはいだ下には輝くばかりの白い肌が表れます。
台所から包丁を取って、逆さ剥きにした皮の根元を切り落としました。
「野菜は足りているかな?」
「ええ、充分です。これってほとんどこの土地のものなのでしょう。」
「そうだよ。」
シンクの水で長ねぎを洗います。冷たい水ですが・・・お湯で洗うとなんとなく野菜の香りが飛んでしまうような気がして、必ず水を使うのはわたくしの思い込みかもしれません。
サクッ・サクッ・サクッ・・・・ちり鍋用に、長ねぎを斜め削ぎ切りにしてゆきます。
「ほら。香りが良くて、とっても精があって。いいお野菜ばかり。」
「遠くの名産より、近くの採れたてのほうが旨いと信じてるんでね。」
「ふふふ、正解ね。」

まな板を洗って、小鍋にお湯を沸かすと今度は食用菊のパックを取り出しました。
「これも今夜のおかずかな。」
「ええ。高梨さんは良く召し上がるの?」
「いや、実は裏の家からの貰い物だったんだ。昨日いただいたが、どうしていいかわからないからそのままにしておいた。」
カメラを構えてシャッターを押しながら、高梨さんの質問は続きます。
単焦点レンズで・・・同じ室内ですからあまり離れることもなく・・次々と切られるシャッター音を、わたくしは次第に意識しなくなっておりました。
「ふふふ、かきのもとの作り方なんてあまり知られていませんものね。」
「かきのもと?」
「ええ、この食用菊のことです。新潟の方の呼び方なのかしら。母がそう言っていたので、なんのこだわりもなくずっとそう呼んでいました。」
花の首から摘まれている菊のはなびらをきれいに顎から外してゆきます。ざるの中にはあっという間に、山のような薄紫の花弁がつみかさなってゆきました。
「どうやって食べるものなんだ?」
「そうですね、たとえばお醤油でといた生卵に付けて召し上がる方もいらっしゃいますよ。」
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