祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
カレンダー
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
リンク
カテゴリー
お越し下さった皆様へ
こちらのブログは、2005年8月24日にスタートした、<msn淑やかな彩>の継続ブログとなります。
msn時代からのお客様も、またFC2、shinobiからのお客様も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
誠に恐縮ではございますが、商業サイト・コメントのないTBなどは削除させていただくことがございます。どうかご容赦くださいませ。
また、こちらに掲載されている記事の著作権は、わたくしにございます。無断転載など、著作権を侵害する行為はお慎みいただきますようお願い申し上げます。
最新記事
(05/21)
(04/15)
(03/13)
(03/02)
(02/18)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
ブログ内検索
アーカイブ
最古記事
(08/24)
(08/26)
(08/27)
(08/27)
(08/28)
24 2024 / 11
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
07 2007 / 03
「お食事の準備ができましたわ。暖かいうちにいただきましょう。」
「わかった。白雪をベランダに上げてから行くよ。」
「はい。あっ、あの。」
カシャ・・ カシャ・・
玄関に入りかけて振り向いたわたくしの姿までカメラは捉えてゆくのです。
「なんだい。」
「お餅はいくつ?」
「とりあえず、3つかな。」
「はい。じゃいらしてね。」
カシャ・・ カシャ・・ カシャ・・
シャッター音は玄関の扉が閉るまで続いていました。
お餅を3つとおっしゃっていましたが、一度には盛り切れません。美味しく焼けるように冷蔵庫からあと2つお餅を出して常温に戻しておくことにしました。
そして、ピッチャーに入れた水をベランダにある小テーブルに出しておきました。
きっとこれで気付いてくださるはずです。
わふ・わふ・・・わん・・
まってろよ。
ベランダに白雪と高梨さんの声がします。
白雪の朝ご飯の支度をして、高梨さんが戻ってらっしゃるおつもりなのでしょう。
昨日のようにベランダからいらっしゃるのかと思いましたが、高梨さんは玄関から入ってらしたようです。そして10分ほど、リビングにはお戻りになりませんでした。
「ありがとう。出しておいてくれたんだね。」
そういって、リビングにいらした高梨さんは着流し姿でした。
「あら、お似合いだわ。」
「ははは、恥ずかしいな。とにかく食事にしよう。」
照れた風に頭を掻いている高梨さんに、紺のウールのお着物はとてもお似合いでした。
暖かなお雑煮のお椀をテーブルに運んで、わたくしは昨晩と同じ席に正座をすると三つ指をついてご挨拶をしたのです。
「あけましておめでとうございます。」
「・・あけましておめでとう。今年もよろしく頼みます。」
一瞬、高梨さんが戸惑われたのがわかりました。
それでも落ち着いた、甘くて丸いあの声できちんと新年の挨拶を返してくださったのです。
「お出掛けするっておっしゃったから、形だけお屠蘇です。」
掘りごたつのようになったリビングのテーブルに脚を下ろして、わたくしは塗りの器を
高梨さんに差し出したのです。
「ありがとう。こんなきちんとしたお正月は本当に久しぶりだよ。」
「わたくし流なので、手抜きですけれど。」
一番大きな杯を手にした高梨さんに、お屠蘇を注ぎます。
「ご返杯。いや、この杯でいいだろう。」
一気にお屠蘇を飲み干した高梨さんは、彼の選んだものよりも一回り小さい杯に手を伸ばしたわたくしにご自分の使われた杯を差し出したのです。
「礼儀には叶わないかもしれないが、そうしてくれたら、嬉しい。」
「はい。」
同じ器から・・・同じ場所から同じものを頂戴する。
ただそれだけのことにこだわる高梨さんのお気持ちを微笑みながら受け取ったのです。
「わかった。白雪をベランダに上げてから行くよ。」
「はい。あっ、あの。」
カシャ・・ カシャ・・
玄関に入りかけて振り向いたわたくしの姿までカメラは捉えてゆくのです。
「なんだい。」
「お餅はいくつ?」
「とりあえず、3つかな。」
「はい。じゃいらしてね。」
カシャ・・ カシャ・・ カシャ・・
シャッター音は玄関の扉が閉るまで続いていました。
お餅を3つとおっしゃっていましたが、一度には盛り切れません。美味しく焼けるように冷蔵庫からあと2つお餅を出して常温に戻しておくことにしました。
そして、ピッチャーに入れた水をベランダにある小テーブルに出しておきました。
きっとこれで気付いてくださるはずです。
わふ・わふ・・・わん・・
まってろよ。
ベランダに白雪と高梨さんの声がします。
白雪の朝ご飯の支度をして、高梨さんが戻ってらっしゃるおつもりなのでしょう。
昨日のようにベランダからいらっしゃるのかと思いましたが、高梨さんは玄関から入ってらしたようです。そして10分ほど、リビングにはお戻りになりませんでした。
「ありがとう。出しておいてくれたんだね。」
そういって、リビングにいらした高梨さんは着流し姿でした。
「あら、お似合いだわ。」
「ははは、恥ずかしいな。とにかく食事にしよう。」
照れた風に頭を掻いている高梨さんに、紺のウールのお着物はとてもお似合いでした。
暖かなお雑煮のお椀をテーブルに運んで、わたくしは昨晩と同じ席に正座をすると三つ指をついてご挨拶をしたのです。
「あけましておめでとうございます。」
「・・あけましておめでとう。今年もよろしく頼みます。」
一瞬、高梨さんが戸惑われたのがわかりました。
それでも落ち着いた、甘くて丸いあの声できちんと新年の挨拶を返してくださったのです。
「お出掛けするっておっしゃったから、形だけお屠蘇です。」
掘りごたつのようになったリビングのテーブルに脚を下ろして、わたくしは塗りの器を
高梨さんに差し出したのです。
「ありがとう。こんなきちんとしたお正月は本当に久しぶりだよ。」
「わたくし流なので、手抜きですけれど。」
一番大きな杯を手にした高梨さんに、お屠蘇を注ぎます。
「ご返杯。いや、この杯でいいだろう。」
一気にお屠蘇を飲み干した高梨さんは、彼の選んだものよりも一回り小さい杯に手を伸ばしたわたくしにご自分の使われた杯を差し出したのです。
「礼儀には叶わないかもしれないが、そうしてくれたら、嬉しい。」
「はい。」
同じ器から・・・同じ場所から同じものを頂戴する。
ただそれだけのことにこだわる高梨さんのお気持ちを微笑みながら受け取ったのです。
PR