祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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08 2007 / 03
片手で、注がれるお屠蘇。構えられるカメラ。
カシャ・・ カシャ・・ カシャ・・
シャッター音が始まりました。斜めから、朱塗りの杯とわたくしの指先とそして露になった頤から喉元までをレンズがなめているのがわかります。
そのリズムに合わせる様に、わたくしはゆっくりと久方ぶりのお屠蘇をいただきました。
カシャ・・ カシャ・・
わたくしがカメラの向こうの高梨さんに向かって微笑むまで、シャッター音は続いたのです。
「粋だね。祥子の飲み方は。」
「ふふふ、お上手ね。カメラに夢中になっているとお雑煮が冷めますわ。」
「ああ、いただきます。」
「どうぞ、召し上がれ。」
カメラを脇に置いて、大振りのお椀に高梨さんが手を伸ばします。
そのまま、まずお出しを味わって・・・ふうっとため息を吐かれたのです。
「お味が違いましたか?」
「いや、うちの味にあんまり近いんでびっくりした。」
「よかったわ。そう言っていただけて。」
お雑煮はその家・その家で味が違います。
基本となるお出汁の味はうかがうことが出来ても、取り合わせる具で随分味がちがうものです。
五品の具材を合わせた今朝のようなものから、具材には小松菜だけで花鰹を沢山掛けるという家もあれば、小松菜と里芋と鶏肉だけというお宅もあるのです。
まだもう一日、お雑煮を作るチャンスはありましたから、もし取り合わせが違っていたら高梨さんのお好みをうかがって明日は合わせてさし上げようと思っていました。
「ん、おふくろのより随分上等だ。」
おかわり、早速2つのお餅を平らげた高梨さんが空になったお椀を差し出します。
「はい。お餅はいくつにしますか?」
「2つ、だな。」
「はい。」
オーブントースターでお餅を焼きます。
本当は炭火で焼くと香ばしくて美味しいのですが、じっと見ていなくてはなりません。
今朝は祝い膳をご一緒したかったので、ちょっとだけ手抜きです。
「そんなことをおっしゃったら、お母様に叱られますよ。」
「ははは、九州にいるんだ。聞こえやしないよ。」
「もう、お正月から罰当たりだわ。」
「おふくろはね、ほんとうに料理が下手だったんだ。だから正月はこの家に来て、祖母のおせちを食べた。親父が銀行勤めをしてたから転勤が多くて、長男の嫁なのに祖母から料理を習う間もなかったんだろうな。ここで食べるおせちは、普段のうちのご飯より何倍も旨かったよ。」
「そうでしたか。」
高梨さんの家庭のお正月の味は<お祖母様の味>だったようです。
このお正月、少しでも曾ての想い出を楽しんでいただけるなら、こうしてお料理させていただけて良かったと思えました。
「ん、この味ならブリーダーの中野さんも文句なしだな。」
栗きんとんを口に運び、嬉しそうに笑う高梨さんの顔なんてきっとアシスタントの方は見たこともないでしょう。
カシャ・・ カシャ・・ カシャ・・
シャッター音が始まりました。斜めから、朱塗りの杯とわたくしの指先とそして露になった頤から喉元までをレンズがなめているのがわかります。
そのリズムに合わせる様に、わたくしはゆっくりと久方ぶりのお屠蘇をいただきました。
カシャ・・ カシャ・・
わたくしがカメラの向こうの高梨さんに向かって微笑むまで、シャッター音は続いたのです。
「粋だね。祥子の飲み方は。」
「ふふふ、お上手ね。カメラに夢中になっているとお雑煮が冷めますわ。」
「ああ、いただきます。」
「どうぞ、召し上がれ。」
カメラを脇に置いて、大振りのお椀に高梨さんが手を伸ばします。
そのまま、まずお出しを味わって・・・ふうっとため息を吐かれたのです。
「お味が違いましたか?」
「いや、うちの味にあんまり近いんでびっくりした。」
「よかったわ。そう言っていただけて。」
お雑煮はその家・その家で味が違います。
基本となるお出汁の味はうかがうことが出来ても、取り合わせる具で随分味がちがうものです。
五品の具材を合わせた今朝のようなものから、具材には小松菜だけで花鰹を沢山掛けるという家もあれば、小松菜と里芋と鶏肉だけというお宅もあるのです。
まだもう一日、お雑煮を作るチャンスはありましたから、もし取り合わせが違っていたら高梨さんのお好みをうかがって明日は合わせてさし上げようと思っていました。
「ん、おふくろのより随分上等だ。」
おかわり、早速2つのお餅を平らげた高梨さんが空になったお椀を差し出します。
「はい。お餅はいくつにしますか?」
「2つ、だな。」
「はい。」
オーブントースターでお餅を焼きます。
本当は炭火で焼くと香ばしくて美味しいのですが、じっと見ていなくてはなりません。
今朝は祝い膳をご一緒したかったので、ちょっとだけ手抜きです。
「そんなことをおっしゃったら、お母様に叱られますよ。」
「ははは、九州にいるんだ。聞こえやしないよ。」
「もう、お正月から罰当たりだわ。」
「おふくろはね、ほんとうに料理が下手だったんだ。だから正月はこの家に来て、祖母のおせちを食べた。親父が銀行勤めをしてたから転勤が多くて、長男の嫁なのに祖母から料理を習う間もなかったんだろうな。ここで食べるおせちは、普段のうちのご飯より何倍も旨かったよ。」
「そうでしたか。」
高梨さんの家庭のお正月の味は<お祖母様の味>だったようです。
このお正月、少しでも曾ての想い出を楽しんでいただけるなら、こうしてお料理させていただけて良かったと思えました。
「ん、この味ならブリーダーの中野さんも文句なしだな。」
栗きんとんを口に運び、嬉しそうに笑う高梨さんの顔なんてきっとアシスタントの方は見たこともないでしょう。
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