祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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こちらのブログは、2005年8月24日にスタートした、<msn淑やかな彩>の継続ブログとなります。
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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20 2006 / 07
「この後はどうなさるんですか?」 視線の先の庭園はすっかり宵闇に沈んでおりました。ところどころに設置された灯籠が、昼間見た回遊路をやさしく照らしているようです。
「お席を変えられるのでしたら、バーカウンターを予約いたしますが」 流石に気が利くところは、田口さんの後輩です。
「いえ、せっかくなので蛍のお庭を楽しませていただきますわ。」
「そうですね。なかなか見事ですから、ぜひいらしてください。私達従業員はつい見そびれていて・・・紺屋の白袴って感じですかね。」 どうぞ、ごゆっくりなさってください 呼びにきたサービスチーフに耳打ちされて、杉山さんはキッチンに戻って行かれました。
フレンチ・ローストの珈琲がコースの最後を引き締めてくれました。
「さぁ、蛍を観に行きましょう。」 田口さんがわたくしの椅子を引いてくださいます。
そうでした。蛍の仄かな明かりが美しく見える時間まで・・・と、お食事を誘っていただいていたのでした。
「田口さん、あのお宅はよろしいんですか。せっかくのお休みですのに、ご家族がお待ちになってらっしゃるんじゃありませんの?」 2万坪と言われる庭園の一部とはいえこれから散歩をしようと言うのです。まだ1時間ほどはお時間をいただくことになるでしょう。
「美貴様から何もお聞きではないんですか?」 実際のところ美貴さん達と田口さんがどれほど親しいのかは、わたくしにはわかりません。ただ、あの場に・・・とてもプライベートなはずの淫媚な場に招き入れたのですから、秘密を共有することを許せるほどの関係だということくらいは感じられました。
「ええ」
「私は独りなんですよ。5年前に離婚しましてね。いまは気ままな一人暮らしです。」
「そうでしたの。申し訳ありません、立ち入ったことをお聞きして。」
「いえいえ、これで安心して蛍の庭へエスコートさせてくださいますか?」
「ええ、それでしたら安心して、ご一緒させていただきますわ。」
わたくしは差し出された田口さんの左腕に軽く手を添えると、お庭へ向かう扉の外へと歩き出していたのです。
庭園に向かう扉を開けたとたん、湿度の高い空気がむっと押し寄せて参りました。お食事をしていた1時間ほどの間に、天候が少しかわっていたのかもしれません。雨が落ちてくる気配はありませんでしたが、月の姿も全く見えなくなっていたのです。
星もない真っ暗な空は、庭園内の足許を照らす灯りさえ薄く霞ませているようです。
気をつけて、ゆっくりと歩みを進めてくださる田口さんのコットン・ジャケットにわたくしは腕を絡めておりました。
「あっ・・ほたる・・・」 眼の前をほのかに緑がかった光が・・・1つよぎりました。わたくしは、思わず田口さんの袖を引いてしまったのです。
「どれ?」 最初の蛍火は、田口さんの視線が捉える前にふっと消えてしまいます。
「・・っ・・また・・・」 一つ・・またひとつ。文字通りの蛍光色の筆が雅な仮名文字を描くかの様に動くと・・・ふっと消えてゆくのです。
「きれい・・・」 ため息のように漏らした一言に、田口さんはやさしく微笑んでくださったのです。
「三重塔から回ろうと思いましたが、気が変わりました。池のほとりの方から歩きましょう。」 分岐した回遊路を、田口さんはまっすぐに歩き出したのです。
「お席を変えられるのでしたら、バーカウンターを予約いたしますが」 流石に気が利くところは、田口さんの後輩です。
「いえ、せっかくなので蛍のお庭を楽しませていただきますわ。」
「そうですね。なかなか見事ですから、ぜひいらしてください。私達従業員はつい見そびれていて・・・紺屋の白袴って感じですかね。」 どうぞ、ごゆっくりなさってください 呼びにきたサービスチーフに耳打ちされて、杉山さんはキッチンに戻って行かれました。
フレンチ・ローストの珈琲がコースの最後を引き締めてくれました。
「さぁ、蛍を観に行きましょう。」 田口さんがわたくしの椅子を引いてくださいます。
そうでした。蛍の仄かな明かりが美しく見える時間まで・・・と、お食事を誘っていただいていたのでした。
「田口さん、あのお宅はよろしいんですか。せっかくのお休みですのに、ご家族がお待ちになってらっしゃるんじゃありませんの?」 2万坪と言われる庭園の一部とはいえこれから散歩をしようと言うのです。まだ1時間ほどはお時間をいただくことになるでしょう。
「美貴様から何もお聞きではないんですか?」 実際のところ美貴さん達と田口さんがどれほど親しいのかは、わたくしにはわかりません。ただ、あの場に・・・とてもプライベートなはずの淫媚な場に招き入れたのですから、秘密を共有することを許せるほどの関係だということくらいは感じられました。
「ええ」
「私は独りなんですよ。5年前に離婚しましてね。いまは気ままな一人暮らしです。」
「そうでしたの。申し訳ありません、立ち入ったことをお聞きして。」
「いえいえ、これで安心して蛍の庭へエスコートさせてくださいますか?」
「ええ、それでしたら安心して、ご一緒させていただきますわ。」
わたくしは差し出された田口さんの左腕に軽く手を添えると、お庭へ向かう扉の外へと歩き出していたのです。
庭園に向かう扉を開けたとたん、湿度の高い空気がむっと押し寄せて参りました。お食事をしていた1時間ほどの間に、天候が少しかわっていたのかもしれません。雨が落ちてくる気配はありませんでしたが、月の姿も全く見えなくなっていたのです。
星もない真っ暗な空は、庭園内の足許を照らす灯りさえ薄く霞ませているようです。
気をつけて、ゆっくりと歩みを進めてくださる田口さんのコットン・ジャケットにわたくしは腕を絡めておりました。
「あっ・・ほたる・・・」 眼の前をほのかに緑がかった光が・・・1つよぎりました。わたくしは、思わず田口さんの袖を引いてしまったのです。
「どれ?」 最初の蛍火は、田口さんの視線が捉える前にふっと消えてしまいます。
「・・っ・・また・・・」 一つ・・またひとつ。文字通りの蛍光色の筆が雅な仮名文字を描くかの様に動くと・・・ふっと消えてゆくのです。
「きれい・・・」 ため息のように漏らした一言に、田口さんはやさしく微笑んでくださったのです。
「三重塔から回ろうと思いましたが、気が変わりました。池のほとりの方から歩きましょう。」 分岐した回遊路を、田口さんはまっすぐに歩き出したのです。
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