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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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30 2024 / 03
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21 2007 / 01
「1つだけお手伝いをお願いしてもいいですか?」
「ああ。」
「囲炉裏の煮物を見て頂けませんか?お出しが上に乗せた昆布に掛かっていなかったら、もう火から下ろしていただきたいんですの。」
おやすい御用だよ、そういって囲炉裏に近寄られます。
大柄な高梨さんだと本当に数歩の距離でした。
お願いをしたまま、わたくしはくちなしの実で美しく黄色に染まった栗きんとんのためのサツマイモの煮え具合を竹串で確かめておりました。すっと通った竹串を引き抜いて唇に当てて火の通りを確認します。
「これは、旨そうだな。」
「なんていうことのないお野菜の焚き合わせです。今日はお時間がなかったので、いくつかは一緒煮にしたんです。お出しの具合はいかがですか?」
お鍋の中には里芋・蓮根・人参が入っていました。筍と手綱こんにゃくは別のお出しですでに煮含めてありました。
「もういいころだろう。下げればいいのかな。」
「はい、こちらにお持ちいただけますか?」
「おう。」
そうおっしゃるなり、高梨さんは鍋の蓋を閉じてそのまま鍋の手を掴みました。

いくら手元に火が当たっていないとはいえ、長時間煮続けていたお鍋です。
「あぁっ・・・そのまま持ったらだめ、熱いわ。」
「ははは、これくらいは大丈夫だよ。」
その言葉通り、高梨さんは大振りな両手鍋を持ち上げたのです。
熱いそぶりも見せません。
「どこに置けばいいのかな?」
「そこの隅にお願い出来ますか。」
先ほどの酢蓮の場所とは少し離れたところに、煮物鍋を置くための厚めに新聞紙を敷いたコーナーを作っておきました。
すでにそこにある3つほどのお鍋のその並びに、高梨さんは焚き合わせの鍋を並べたのです。

「ありがとうございます。ね、手を見せて。」
わたくしは、高梨さんの手を取って冷たい水で絞ったタオルで指先を包んだのです。
「大丈夫だ。手の皮はしっかり厚いからな。」
「もう、シャッターを押す大事な手を火傷なんかなさったら・・・困ります。」
見た感じ、火傷はしていないようでした。
でも、わたくしよりも幾分高い高梨さんの体温のせいでしょうか。指先を包んだ冷たいタオルは瞬く間に次第に人肌へと変わってゆくのです。
「本当に大丈夫だよ。祥子は、心配性だな。」
「だって・・・。」
「いまの祥子の顔を写真に撮っておきたかったよ。」
「ん・・いじわる。」
良く熱い食べ物が苦手な方を猫舌といいます。
わたくしは、猫手でした。
主婦として十数年台所仕事をこなしていても、指先の感覚は鈍くなる事などなくて、いつもお鍋の手を取ろうとしてアチっ・・と声を上げてしまったいたのです。
きっと先ほどのお鍋も、わたくしの手ではあんな風に持てなかったでしょう。
自分だけの感覚で、心配しすぎてしまったことが急に恥ずかしくなって、わたくしは高梨さんの前で拗ねてみせるしかありませんでした。
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