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祥子の少しはしたなくていけない妄想を綴りました 大人の方だけご覧になってください
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プロフィール
HN:
祥子
年齢:
61
性別:
女性
誕生日:
1962/12/28
職業:
フリーデザイナー
趣味:
美味しい珈琲 クラシックの流れるお気に入りの喫茶店 読書 ジャズ ミュージカル お酒 声が魅力的で背の高い男性♪
自己紹介:
寂しがりやの甘えたです。
ぽちゃ、色白、黒髪のストレートロングヘア、お胸はGカップ、眼鏡をしています。真面目そうな感じだって良く言われます。
声は美人かも♪
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23 2006 / 03
「申し訳ございません」 そう言う望月さんも羽織すら身に付けていない・・・着物だけの姿でした 防寒のための備えをしているわけではありません 
当然のように彼の声も寒さに震えていたのです
「あたためて差し上げることもできないのです こうしてお話することも 後で主の責めの言い訳にされてしまいかねないのです どうかお許しください」
「いい・・え わたくし・・の方こ・そ・・ごめ・・んなさ・い」 緋色の湯文字だけを纏い両手を縄で縛められた姿のわたくしは 僅かな時間のうちにもう歯の根が合わなくなっていました
冷たすぎる外気はわたくしを一瞬の内に凍えさせ・・・すぐに体表だけを火照るような熱に包んだのです
最も皮膚の薄い・・・身体の前面を覆うこともできず やわらかな脂肪の層で形づくられたGカップの乳房を確実に冷やして行きました
せめて両手が自由なら身体の前面を覆って最も冷えて行く敏感な部分を守れたことでしょう
後ろ手に縛られた腕はわたくしの身体を一層厳しく冷気に晒す結果になっていたのです
肌の粟立ちは収まらず・・・乳房の先端は快楽ではなく寒さのために堅く高く凝り立ってゆくのです
白い肌は見る間に青ざめて・・・赤い縄が映えるほどに血の気を引かせていたのです
 
「望月くんの表情が切なそうだね」 リビングの椅子に座り用意されていた日本酒をぐい飲みを手にした石塚さんの視線は曇りかけた窓硝子を見つめていました
「あぁ きっと望月のことだから 祥子さんを抱きしめて暖めたくて仕方ないんだ 良かったよ釘をさしておいて」 
今夜祥子さんをどうやって責めるつもりなのか大まかな筋書きを美貴は彼に話してありました なぜなら様々な小道具の準備は望月さんに任せていたからです 不安と狼狽を見せる運転手に祥子さんをフォローはしてもいいが僕たちのすることを妨害することだけは許さない そうきつく申し付けてあったのです
「それにしても まるで今夜の祥子さんの着物の柄のようですね」 山崎さんのひと言で二人の視線が改めて窓の外に注がれます
今夜は幸いに月が綺麗な夜でした ベランダに降り積もった雪は月明かりに青く輝きその中に立つ祥子の緋の湯文字はひっそりと咲く侘助の風情でした 縛められた上半身は白い花芯を 側に立つ望月さんの鈍緑の着物は花をかばう様に沿う常緑の葉を思わせたのです
室内の適度に暖められた気温が窓ガラスを薄くけぶらせ・・・まるで二人を淡雪でおおわれたかのように見せていました
「祥子さんが簡単にOKするわけはないと思ったが 大丈夫かな もう3分を超えているぞ」 不安を打ち消す様に石塚さんが手元に残っていた日本酒をぐぃっと煽るのです
「そのために望月を一緒に出したんだ 引き際は解っているよ ほら」
窓硝子の外で一歩踏み出した望月さんを彼女が見つめていました
「そろそろかな 毛布と暖かいタオルくらい用意しておきましょう」 椅子を引くと山崎さんは玄関脇のゲストルームの方へ向かったのです
 
「祥子様 お願いです どうか承知なさってください」 望月さんの声は白い息さえも震えていました でも彼の若々しく甘い声色がわたくしをほんのり暖めてくれたのです
「望月さんまで」 解っていました このまま外に居ることがどんなに危険なことなのか 精神力だけで堪えていたのです
きっと望月さんの身体も芯まで冷えているはずです なのに 彼自身のことはおくびにも出さないのです
「私が望んでいる と言ってもだめですか?」
「あなたが・・・」 そんなことは・・きっとないのです 彼が望んでいるなんて・・・そんなこと
「はい お願いです 祥子様のお身体が心配です どうか承知なさってください」
「そん・・な・・・」 寒さに凍え切った身体はもう限界でした 望月さんの表情を見上げた瞬間 バランスを崩した身体は雪の中に倒れてゆきそうになったのです
「危ない!!」 駆け寄る望月さんの胸がわたくしを支えてくれました
「祥子様 もう よろしいですね どうか承知してください」 わたくしの肌に触れる大島の絹の冷たさに その胸に顔を埋めたままで頷いたのです
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22 2006 / 03
「仕方ないですね 少し考える時間を差し上げましょう」 美貴さんの声に望月さんがわたくしの手首の縄を解きにいらっしゃいました
赤い縄を解き・・・帯揚げを解くとわたくしの肩から長襦袢を引き下ろしたのです
「ゆるして・・・」 望月さんは無言でした 彼の手にはロフトから垂れた縄とは別のもう一本の縄が握られていたのです
抗うわたくしの手首を後にまわすと重ねて後手にくくり、その縄端を乳房の上下にまわして手首の上で留めるのです
「ゃあぁぁ・・」 白足袋に緋の湯文字・・・白い上半身に赤い縄・・アップに結い上げた髪さえまるで時代劇の中の囚われたの女人のようにわたくしの姿を見せていたにちがいありません
こんなはしたない姿のままで4人の男性の視線に晒されながら<是>の返事をするまで言葉責めをされてしまうのでしょうか
 
「どうぞ これをお履きください」 望月さんが先ほどわたくしがソファーのところに置いたままだったムートンのスリッパを持っていらっしゃいました
足袋の前に揃えられ 両手を縛められてバランスのとれない身体を支えられながら右・左・・・と足を通します
「なぜ・・」 傍らの望月さんを見上げて・・独り言のように問いかけたのです どうしてこの姿にスリッパを履かなくてはならないのか、と
望月さんはわたくしの問いを聞かなかったかのように・・・主である美貴さんを見つめたままでした
「もう一度だけ聞きます 祥子さん 僕たちの望みを叶えてくださいませんか?」 
わかっています この方達の誘いにお応えしたのです それは・・・余程の事以外は彼らの望みを叶えると約束したと同じなのです でも、剃毛をされてしまうなんて簡単に頷けることではありませんでした
「だめです・・・どうかそれだけは許してください」
「仕方ないですね 望月!」
「どうか考え直していただけませんか」 彼が思い詰めた様に口にした言葉は美貴さんに対してのものでした
「僭越だぞ 望月」 今夜の彼の主はいつにない厳しい表情のままだったのです
 
強い叱責の声に望月さんはわたくしの肩を抱いて、リビングの一面を覆っているカーテンの前まで連れて行きました
「このままお待ちください」 重厚なカーテンを左右に開き止めると・・・そこは床までの硝子戸だったのです
ガラッ・・・その一枚をためらいも無く引き開けました
「あぁっ・・・」 冷気が露になった素肌を刺すのです わたくしの素肌は総毛立ちました
ウッドデッキのベランダは通路となる部分をのぞき雪に囲まれていたのです
「そこで良く考えてください 望月を付けます 僕たちに剃ってほしくなったら望月にそう言ってください そうですね これくらいは許してあげましょう」 美貴さんは手を伸ばすとわたくしの髪をアップにしていた椿のかんざしを抜き取ったのです ばさ・・・わたくしのむき出しの首筋と背の中程までをロングヘアが覆いました
わたくしたちを取り囲むようにいつの間にか他のお二人もいらして開け放たれた窓の反対側に立ちはだかっていたのです
「素直になれない貴女の場所はそこです 祥子さん」 あまりの寒さに怯える表情のわたくしを美貴さんが冷酷にも連れ出すのです 後を望月さんがついてきます
「お願い 望月さんは・・・許してあげて」 零下の外気にわたくしの肌は粟立ちます 後ろ手に縛められた腕を掴む美貴さんが気づかないはずはありません
「こんな時に望月の心配ですか それなら素直にここで承知なさい」
「いや・・・」
「わかりました その気になったら望月にそう言ってください」 わたくしに背を向けて・・・美貴さんは室内に戻られたのです
21 2006 / 03
3人の男性はソファーをまわりわたくしの側にいらしたのです
「ぁうっ・・・」 石塚さんの右手が襟元に差し入れられ吊られ引き上げられた左の乳房を握りしめたのです
「素直に言うことを聞かないからです」 美貴さんの手が襦袢の上からわたくしの腰を撫でてゆきます
「あん・・」 山崎さんの指は襦袢の上から乳首を探り当て・・・くりっ・・とつまむのです
「望月にならその伊達締めを解かせるんですか?」 美貴さんが腰のあわいに指を食い込ませる様に尻肉を嬲りながら意地悪くわたくしの耳元につぶやきます
「そうなんですか?」 山崎さんの指先が・・・責めの度合いを強めてゆきます
「・・ちが・・ぃまぁ・す・・んぁ・・」 石塚さんの手も・・・
「妬けるな 本当にそうなんですか? 祥子さん」 
「・・ちがう・・わ・・」
「身体に聞けばわかることです 祥子さんのこの感じやすい・敏感な身体にね」 
「あぁっ・・」 パァン・・・絹の上から美貴さんのスパンキングが飛んだのです
 
「祥子さんがお望みだ 望月長襦袢を脱がせて差し上げなさい」 乳首を摘む山崎さんの手も 襦袢の中に差し込まれていた石塚さんの手も抜かれます
そして遠巻きに・・・わたくしの姿を見つめるのです
「祥子様 失礼します」
「やめて・・・」 きしっ・・・伊達締めの絹の音が響き・・・締め付けられていた腰がふわっと・・緩んだのです
カチッ・・・リビングの灯りが煌煌と輝きます
「いやぁ・・・」 吊られ覆い隠すことのできない身体はGカップの乳房をたわわに揺らした上半身と・・・深紅の絹で覆われた腰を・・淡青の額縁の中で晒していたのです
左の乳房はついさきほどの石塚さんの手戯で薄く桜色に色づいているのです
「こんな姿も祥子さんだと雅に見えますね」「はぁうっ」 覆うもののない乳房の先をすっと山崎さんの指が撫でてゆきます
「この姿のままで犯してしまいたいくらいですね」
「おねがい・・ほどいて・・・」 先ほどあんなに深く達させられてしまったばかりなのです この不安定な身体のままで犯されるなんて耐えられません
 
「祥子さん 僕たちの望みの姿になってくださると先ほど言ってくれましたね」 正面に回った美貴さんがわたくしを見つめて口にしました
「・・・ええ」 これ以上・・どんな姿を晒せというの
「ありがとうごさいます それではここを剃らせていただきます」 美貴さんの手が置かれたのは・・・湯文字に隠れたわたくしの茂みの上でした
「えっ・・・」 なにを仰るのでしょう
「聞こえませんでしたか? 祥子さんの漆黒の茂みをきれいに無くしてあげますと言っているのです」
「だめ・・だめですっ」 Sだと仰った長谷川様でさえなさらなかったことを・・・この方達はわたくしに強請るのです
「花びら餅のような祥子さんを味合わせてくださいとお願いしたはずです」 石塚さんが畳み掛ける様に責めるのです
「そんな・・・だめ・・・」 真っ白な肌に薄く桃色の餡が透けるはなびら餅という言葉が・・・わたくしの花びらを包む丘のことを想って仰っていらしたなんて
「綺麗に剃ってあげますよ それにひと月ほどで元に戻ります」
「いや・・ゆるして」
「いままで剃ったことくらいあるんでしょう?」 石塚さんの口元に好色な笑みが浮かびます
「ありません そんなこと」 嗜みとして整えることがあっても・・大人の身体になってから一度も失ったことなどない翳りなのです それを男性の手で剃られてしまうなんてできない
「いつも綺麗に整えてあるからそういうことも経験があるかと思いましたが 意外ですね 祥子さんの生まれた時のような姿を見たがる男は他にもいたでしょう」
「祥子さんは熟した身体なのに結構うぶなんですよ 憶えていませんか 初めてご一緒した時まだアナルバージンだったんですから」
「いゃぁ・・・そんなこと・・おっしゃらないで」 
「無理矢理は僕たちの趣味じゃないんです 楽しめなんて言いません でも今までに無い経験をさせてあげますよ どうか、はい と言って下さい 祥子さん」 耳朶をなぞる指が山崎さんの声をわたくしの身体にしみ込ませようとするかのようです
「だめです・・・」 吊られたままで首を横に振ったのです
20 2006 / 03
きしっ・・・ わたくしは無言で真珠色の伊達締めに手を掛けました 絹で織られた上質な伊達締めをほどくと整えられていた襟が開き・・・長襦袢に覆われた胸元がその隙間から覗きます
ほんの少しだけ見えていた襦袢の掛け襟の銀の雪輪の刺繍が存在感を増すのです
「ほぉぅ・・・」 石塚さんのため息に伊達締めを畳む手を止めてしまいます
くつろげられた胸元からは・・・薫きしめられた微かな香と絹に閉じ込められていたわたくしの肌の香りが立ち上っていました
さきほどの石塚さんの声の原因はきっとこの女の香りだったのでしょう
気づかれなければいのにと願っておりました 
でも・・圧倒的な濃度のある香りはソファーの向こうの男性達にまでたどり着いてしまっていたのです
 
「続けてください」 美貴さんの声は冷静なままです そして望月さんはその声に促される様にわたくしの手から真珠色に光る伊達締めを取り上げたのです
次は・・・腰紐です
白い腰紐に手をかけて 思い切るように解いてゆきます 躊躇する様さえ彼らを楽しませるだけだからです
しゅるっ・・・ぱさっ・・・ 腰紐を引くと・・・赤い椿の着物は打ち掛けの様に前が開いてしまったのです
「・・ぃや・・」 恥ずかしさに後を向いてしまったわたくしを なせかどなたもとがめませんでした
先を促す・・・無言の視線がほつれ髪がかかる首筋に突き刺さるようでした
さらぁっ・・ 両肩から着物を滑らせるように落としました
襟が背を滑り・・長襦袢の腰を通り・・・後に垂らした袖を抜けて・・・床に堆く降り積もる雪のように落ちていったのです
「こちらを向いてください 祥子さん」 美貴さんの声に・・胸元を押さえながら振り向きました
上質な絹で作られた・・・まるでもう一枚の着物のような長襦袢です 淡青の地には流水紋が地柄として織り込まれ 白侘助と艶やかな緑の葉が描かれているのです
下衣でありながら上品な長襦袢姿だからこそ わたくしは自らの手でここまでの姿になれたのです
腰の線も・・・胸元まで 抑える絹が薄くなるほどに艶かしいラインが露になっているのです それも一度はだけられた胸元は・・・Gカップの丸みを絹がそのままあらわしていたのです
 

「・・・もう よろしいでしょう」 男性の方達に見られながらその前で自らの手で脱衣をする その恥ずかしさに耐えたのです 
もう長襦袢姿でした これで許していただけるでしょう
「祥子さん・・・それが最後の一枚ですか?」 足元の着物は望月さんの手で片付けられていました
「ええ・・・」 身を覆うものはこの長襦袢とあとは腰だけを巻く湯文字だけ
「もう一枚身に付けているはずですね」 山崎さんの声も冷静なだけ残酷でした
「僕は最後の1枚になるまでと言ったはずです 足袋は数に入れないでいてあげましょう さぁ 祥子さん」 
「そんなこと・・できないわ」 あと一本伊達締めを解くと深紅の湯文字だけの姿になってしまうのです
「こんな上品なストリップは初めてですよ さあ続きを見せてください」
「いやぁぁ・・・」 石塚さんの口から出た<ストリップ>という淫媚な言葉にわたくしは改めて男性の方達の視線の意味を思い知らされて・・・その場に蹲ってしまったのです
「ご自分で出来ないのですか?」 もう・・・これ以上はできません
「許して おねがいお部屋にいかせてください」
「祥子さん!」 美貴さんの声は仕事で命じるときのような冷徹な色合いを帯びていました
「お望みの姿になってまいります どうか・・・おねがい」
「祥子さんのお願いは先ほど聞きました 僕たちは貴女が淫らな姿になってゆく過程を楽しみたいと言っているんです」
「ゆるし・て・・」
「望月!」 美貴さんの声に脇に控えていた望月さんがわたくしに近づきました
「祥子様・・・」 胸元を覆っていた両手を掴むとわたくしを引き立てます
「やめて・・・」 先ほどわたくしから取り上げた帯揚げを巻き付けるのです
彼が頭上から何かを引いたのです それは・・・赤い縄でした
「ぃやぁ・・」 帯揚げの上から手首を縛めるとくぃと引き上げるのです
いつこんなものを仕掛けられたのでしょう ロフトになっている部分の太い手すりに向かってわたくしの身体は吊り上げられてゆきました
腕を覆っていた袖は肩へとずり落ち・・・一度はだけられた胸元は白い乳房の裾野を覗かせていたのです 唯一慎ましく閉じられた裾の下の足元は足袋の脚を軽くつま先立たせるほどになっていました
19 2006 / 03
自由になった手で・・・胸元を掻き合わせ・裾の乱れをざっと直しました
「ここでよろしいのですか?」 ソファーから快感でまだふらつく脚で立ち上がり わたくしは帯締めに手をかけたのです
「いえ ソファーの向こうに行ってください そうその先です」 石塚さんが指定されたのはキッチンカウンターをダイニングテーブルとは反対に進んだところ 玄関へと続く空間です
「ストップ さぁそこでその着物を脱いでみせてください 祥子さん 最後の1枚になるまで わかりましたね」
先ほどまでの吹き抜けの空間ではなく・・・3mほどの高さの天井が設けられている場所でした 暖炉の灯りも・・・落とされたリビングの照明も届かない場所 薄暗がりの場所を指定することがこの方達なりの優しさなのだと思いました
「動かないでください」 それでも恥ずかしくて4人の男性の方達に背を向けようとした時です 山崎さんの厳しい声が飛んだのです
「その場から動かないで 僕たちを見つめながら帯を解くんです」
「・・・わかりました」 こんなに恥ずかしい姿を見せるというのに・・僅かな逃げ場さえ与えてはいただけないのです
でもとても男性の方達に視線を投げることなど出来ず・・・目の前のソファーの背を見つめて帯締めに手を掛けた時です
パッ・・・わたくしの真上と左右の足元に灯りが付いたのです
「・・いやっ・・」 まだ僅かに乱れている胸元と・・・羞恥を堪えている表情を揺れる袂で隠しました
「約束ですよ 祥子さん そこで着替えるんです さぁ続けて」 美貴さんの声が冷徹にわたくしに次の行為を促すのです
「おねがい 灯りを消してください」 
「だめです 祥子さん さぁ」 美貴さんだけではありませんでした 山崎さんも石塚さんも そして一歩控えて立っている望月さんの視線さえわたくしの甘えを許してはくださらなかったのです
 
わたくしはまばゆい光に囲まれて・・・改めて深緑の帯締めに手を掛けました
きゅっ・・・ 望月さんの手で締められた絹の組紐はほどく時も同じきしみを上げたのです
しゅっ・・・ぱっさっ・・・ 帯締めを引き抜くと背中のお太鼓が落ちてゆきます
手にした帯締めをどこに置こうかと視線を上げた先には望月さんがいらしたのです
「祥子様」 黙って差し出された手に4つに畳んだ帯締めを差し出しました
次は帯揚げです 柔らかく結ばれて帯に挟み込まれていたものを引き出します
ぱたっ・・・ 金で描かれた松葉がわたくしの手のひらに広がり鈍く灯りを照り返した時には・・・帯枕が足元に落ちたのです 華やかに装うために・・・高く大きな枕が選ばれていました
「お願いします」 かがみ込み足元の枕を拾い上げると帯揚げと共に・・望月さんに託したのです
しゅっ・・しゅるっ・・・ 雪輪に南天の織り出された西陣の袋帯は持ち重みがありました 背できつく引かれていた結び目を両手を後にまわして・・・ほどいて行きます
「・・・ごくっ」 男性の方達はどなたもひと言も発しないのです クラシックが低く流れる中で 帯の解ける音に混じってどなたかが唾液を飲み込む音が聞こえました
ばさ・・ばさ・・ 重みのある見事な帯がわたくしの足元に錦の蛇のように・・落ちてゆきます
その輪から一足だけ抜け出して帯板を拾い帯を軽くまとめるとわたくしは手に持ったのです
「もう・・・よろしいですか?」 ここまでなら・・・男性の目の前でも耐えられます
「祥子様 お預かりいたします」 一歩近づき望月さんはわたくしの手の中の帯を取り上げたのです
「まだです せっかくお似合いのその着物にシミをつけたいんですか?」 美貴さんの声は楽しみを中断された不快ささえ滲ませていたのです
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